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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
31/112

グングニル

 牙王は走った。向かって来る敵を払い除け、ただひたすらに王の元へ。

『牙王さん!!』

 牙王を呼び止める声がした。

『お久しぶりです。僕ですジャッシュです』

 そこに居たのは、かつて牙王の部下だったジャッシュが立っていた。

『牙王さん来てくださったのですね。お気付きだと思いますが、もうあの頃の仲間達は……』

『俺が居なくなってから何があった?』

 牙王は俯くジャッシュに事情を聞いた。

『王に逆らう者は皆……殺されました……』

 牙王はショックを受けた。しかし、それよりも怒りが収まらなかった。

 その時の漢の顔は鬼の如く強張り、赤き髪は逆立ち、まるで百獣の王ライオンを思わせる。

『何て事を……待っていろ【ロザン】!!』


ー その頃の政宗達 ー


『スレイプニールよ、我と一つに!』

 オーディンの身体は眩い光を放った。

 光が治まると、オーディンはケンタウロスの様に腰から下がスレイプニールの体になっていた。

 スレイプニールと融合したオーディンは、空中を走り出した。

 空から槍を放つつもりか、槍を構えた。

『我が槍【グングニル】その身で受けてみよっ!!』

 雷鳴と共にオーディンは、グングニルを政宗に向け放った。

『そうはいくかっ!!』

 政宗はシールドを何重にも貼った。

 しかし、グングニルはシールドを貫いた。

 次の瞬間、そこにトトが飛び込んできたのだった。

 グングニルはトトの体を突き刺した。

『トトーーーーーーッ!!』

 政宗の叫び声はこだました。


ー 王の間 ー


『久しいな……牙王』

 牙王は嘗ての友、ギリキンの王【ロザン】の元へと辿り着いた。

『ロザン貴様どういうつもりだ』

『久しぶりに会った友に言う最初のセリフがそれか……。相変わらず元気なようでなによりだ』

 王座から立ち上がり、牙王へとゆっくりと近付いてきた。

『……何故、皆を殺した!? ……何故、民を苦しめる!?』

 涙で滲んだその瞳で、牙王はロザンを睨み付けた。

『国を捨て、友を裏切った貴様が何を言うかっ!!』

 ロザンは大声で怒鳴り、牙王を睨み返した。

『…………それは、すまなかったと思ってる』

 それ以外の言葉は出てこなかった。牙王は強く拳を握り下を向いていた。

『俺はあの時、貴様と闘うのをどれ程……』

 ロザンは拳を横に振り、壁を思いっきり叩いた。その手からは、血が滲み出ている。

『……今、再び俺にチャンスをくれないか?』

 牙王は目を閉じ、静かに身の丈程の大剣を構えると、大きく目を見開いた。

『王の座を賭けて俺と勝負しろ!! ロザンッ!!』

 ロザンは腰から剣を抜き片手で構えた。

 ロザンの願いがようやく叶ったのだった。

『この時をどれ程待ちわびた事か……。良かろう、ゆくぞ牙王っ!!』

『ロザンーーーーッ!!』

 刻はきた!! 今、あの日の約束が今、果される!!

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