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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
29/112

作戦開始

ー翌朝ー


 政宗が目を覚ますと、まだみんな眠っていた。

 空は明るくなりかけていたが、まだ僅かに闇が残っている。

 何やら外からビュンビュンと、風を斬る音が聞こえたので気になり、外を見てみると牙王が自分の背丈ほどの大剣を片手に持ち、軽々と振っていたのだった。

 牙王の表情には一片の曇りもなく穏やかだが、力強さを感じさせた。

 それを見て政宗は、話し掛ける事もなく再び眠りについた。

(顔が冷たい。だけど暑苦しい)何事かと飛び起きると、政宗は牙王と、寝ぼけてウルフ化したトトに挟まれていた。

 牙王は稽古の後にそのまま眠っていたらしく汗だくで、トトの口からはヨダレが大量に垂れていた。

 どちらにせよ、それが顔に付着しているのは気持ちのいいものではない。

 政宗は急いで井戸へと顔を洗いに行った。

 顔を洗い終え、建物の中へ戻ろうと振り返ると、カトレアがすぐ近くに立っていた。

『うおーーーっ!!』

 政宗は後ろに仰け反り、井戸に落ちそうになってしまった。

 カトレアは政宗の手を……取らずに眺めているだけだった。必死に踏ん張るが政宗は井戸へと落ちた。かと思えば、足を淵に引っ掛けギリギリの所で助かった。

『……邪魔よ』

 サラッとカトレアは言った。

『誰のせいだと思ってる!?』

 カトレアは首を傾げるだけだった。


ー朝食ー


 食卓ではみんなが目を疑った。

『政宗君、何でビショビショになってるの?』

 どうやら最終的に井戸へ転落したらしい。怪我が無かったのは不幸中の幸いだったが、政宗はその場では笑う事しかできなかった。

 食事を済ませると城へ乗り込む準備をした。

 牙王は親友である……いや、元親友である国王と闘う事を決意したのであった。

『俺はもう逃げたりしない。自分の心に嘘は付かない』

 覚悟を決めた漢と共に、政宗達はカトレアの家を後にした。

 普通に行っても、城の中に入る事は出来ないだろう。なので作戦という程の作戦ではないのだが、ジャンヌは提案した。

 その作戦はこうだ。

 1:兵を倒し門を突き破る

 2:そのまま牙王を無傷で王の元へ

 3:牙王と王の一騎打ち

 牙王の所属していた頃の情報では、ずば抜けて強いのは王だけらしく、通常の相手なら特に問題無く、突き進む事が出来るらしい。

 政宗達は、ジャンヌの作戦を遂行する事に決めた。

 城の前まで辿り着くと、一人の馬に乗った兵隊が立ち塞がった。

『我は主に召喚されし者! 騎兵隊隊長【オーディン】! 何人足りとも城の中へは通さん!』

 超大物の登場!? いきなり作戦失敗の気配を感じさせた。

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