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オズと召喚士  作者: 森ハム
第1章 〜 異世界召喚編 〜
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まけん

 未だ気を失っているジャンヌをドロシーは看病していた。倒れた理由を知らないドロシーは戦いによる物だと勘違いしていたのだった。

 コンコンと扉ををノックする音がすると政宗が部屋へと入ってきた。

 ジャンヌの様子を見に政宗は部屋を訪れた。

『様子はどうだ?』

『戦いの傷は特に無かったわ。きっと疲れたんじゃないかしら』

『そっか、なら良かった』

 政宗も倒れた本当の理由には気付いていなかった。

 眠っているジャンヌの顔は、幸せに満ち溢れているかの様な安らかな表情をしていた。

『夜ももう遅い、そろそろドロシーも休んだ方が良い』

『うん、そうだね』

 部屋を後にして扉を開けたその時、何処からか悲鳴の様な声が聞こえてきた。

『今悲鳴の様な声が聞こえなかった?』

『き、気のせいじゃないかな?』

 政宗はその声の主を知っていた。

(ゴメン、エヴァノラ!)政宗は心の中で謝った。

 エヴァノラは今頃裏トトの相手をしている頃だろう。

 翌朝、ジャンヌも目を覚ましたので、今後について語る事にした一同は会議室へと赴いた。

 政宗はそこで奇妙な物を目撃した。

 それは、ジャラジャラと鎖に繋がれたトトの姿だった。

『な、何が有ったんだ!?』

『あぁそれね、私が飼い慣らしたのよ。大変だったんだから』

 トトに繋がれた鎖の先にはエヴァノラが座っていた。

 あぁ、エヴァノラなんて恐ろしい娘。

『さ、全員揃ったわね今後について話し合うわよ』

 エヴァノラが仕切り始めた。

『何でトトは床で正座してるの?』

 ドロシーは政宗にコソコソと話し掛けてきた。

『さ、さぁ……』

(スマン、トト。元はと言えば俺のせいだよな……)政宗は心の中で謝罪した。

『とりあえず私は一度お姉ちゃんに会ってくるわ』

『それは危険すぎる!』

 ジャンヌは反対した。

『あのマーリンとかいう奴は中々手強かった。次戦えば勝てるかどうか……』

『心配いらないわ。多分あれは勘違いしてると思うから』

『勘違い?』

 政宗がエヴァノラに問う。

『勘違いってどういう事なんだ』

『え〜っと……お姉ちゃん……病気なの』

 エヴァノラは目を逸らし顔をポリポリと掻いた。

『病気と勘違いがどう関係が有るっていうのよ』

 ドロシーは気付いていなかった様子だが政宗は悟った。

『つまり、こういう事だろ?』

 政宗は立ち上がりこう言った。

『汝、我が求めし者を捉え我に献上せよ! (会いたい人が居るから連れてきて欲しいの)』

 って事だろう。つまり、エヴァノラの姉セオドラは中二病患者だと推測したのだった。

『ま、大体そんな感じよ』

 どうやら政宗の推測は正しかった様だ。

『でもカドリングを襲ったのよ?』

『それにも何か理由が有るんだと思う。お姉ちゃんは優しいから……』

 エヴァノラは悲しそうな顔をしていた。

『じゃ、とりあえず私はお姉ちゃんに会いに行くから、アンタ達は北の魔女にでも会ってくると良いわ。』

『北の魔女?』

『もし、私が帰らなくても力になってくれる筈よ』

 さり気なく不吉な事をサラッと言った。

『あと、ジャンヌ! 貴方に【まけん】をあげる。盾にでも使うと良いわ』

 魔剣を盾に? よく意味が解らなかったが次の瞬間、意味を理解した。

 魔剣ではなく【魔犬】だったのだ。

 トトは【魔犬】の称号を手に入れた!!

 ジャンヌにトトの鎖を手渡し、エヴァノラは魔導書を開くとパッと消え去った。

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