束の間の休息 〜エヴァノラルート?〜
マーリンとの戦いを終えてから数時間。外は暗く数多の星が輝いていた。
エヴァノラの城のテラスで、政宗は一人空を眺めていた。
『そういえば星なんて、小学校の観察以来まともに見てなかったな』
星に詳しい訳ではないが、明らかに見たことの無い星が満遍なく広がっていた。
月の様に何やら他の惑星まで見えるのだから当然か。
『こんな所で何をしてるのよ?』
政宗が声がする方へ振り向くと、そこにエヴァノラが居た。
『具合はどうだ?』
『絶好調……と言ったら嘘になるかしらね』
『満身創痍って言った方が近くないか?』
まだ足元が覚束無い様で、少しフラついていたのだ。
『そう思うなら、手を貸してくれても良いんじゃない?』
やれやれといった感じに政宗は肩を貸した。
『なぁ、この時代には太陽は無いんだろ?』
『太陽? あぁ、遥か昔に滅んだ炎の塊の事ね?』
『やっぱり無いんだよな……。なぁ、じゃあどうして星は輝いているんだ?』
星は太陽の光を反射して光る物。しかし太陽は存在しない。政宗はそれが疑問だった。
『マナよ。それぞれの星にはマナが存在するわ。それが光って見えるだけよ』
いかにもファンタジーっぽい感じだが、それで納得するしかなかった。
『てゆーか、星ばっか観ないで私の事もちゃんと見なさいよ』
ボソボソとエヴァノラは呟いたが、政宗には聞こえていなかった。
『さ、中に入りましょ』
政宗の肩に捕まり城の中に入ろうと振り返ると、そこにはトトが立っていた。それを見て二人はビクッと驚いた。
『えっと……いつから居たんだ!?』
政宗の問いにトトはこう答える。
『そういえば星なんて小学校の観察以来まともに見てなかったなからです』
『それってエヴァノラが来る前じゃないか! 気付かなかったのか!?』
『全然気付かなかったわよ!!』
『僕……影が薄いですからね……ははは』
卑屈に成っている。裏トトが出る前に何とかしなければ……。
『なんだよ、話し掛けてくれれば良かったのに〜』
その時、政宗は地雷を踏んだ事にまだ気付いていなかった。
『何度か話し掛けていたんですけどね……ホントやってらんねーわマジで』
ヤバイ! 裏トトが出かかってる!
『と、所で何か用事が有ったんじゃない?』
エヴァノラ! ナイスフォロー!
『エヴァノラが目を覚ました事を報告に来たんだっつの』
オー、ミステイク!
トトは呼び捨てまで始めてしまった……。
『えっと……ジャンヌの方はどうなんだ?』
これでどうだ! と言わんばかりに話を逸らした。だが、それは通用しなかった。
『さっきからさぁ、人にばっか聞いてねーで少しはテメーで確認してこいやぁーーーっ!!』
トトはウルフ化して思いっきり叫んだ。
『わかりましたー!』
政宗は猛ダッシュで去っていった。
もはや裏トトの標的はその場に居る、完治していないエヴァノラ只一人だけだった。
『アイツめ〜! 絶対憶えてなさいよーっ!!』
その夜、トトの激しい雄叫びとエヴァノラの悲鳴が城中に響き渡ったとか……。




