魔女と魔女と呼ばれた者
黒髪ツインテールの少女を一目見た時、政宗は感じた。
それを確かめる為に一つ試してみた。
『君、可愛いね』
黒髪ツインテールの少女は顔を真っ赤にした。そしてドロシーは剥れている。
『な、なによイキナリ!アンタにそんな事を言われたって嬉しくないんだから!』
BINGO!!政宗の感は正しかった。この少女はツンデレキャラだ! なんとなく嬉しくてガッツポーズをする政宗。
『で、ア、アンタ達は一体誰なの? 場合によってはよ、容赦しないわよ』
まだ少し動揺している様子だ。
『俺達は……なぁ?』
『ちょっと何で私に振るのよ! アンタこそ誰なのよ! まず自分から名乗るのが常識なんじゃないの!?』
『私が誰かって? そんな事も知らないの? 私はこのマンチキンの支配者エヴァノラよ』
この少女がカドリングを襲撃したセオドラの妹!?
『そ、アンタがオズね』
政宗達は身構えた。
『何故そう思う?』
『その質問はハイそうですって言ってる様な物じゃない』
確かに普通は否定する所だ。
『それに私が名乗ったら空気が変わったわ。そしてこの場所に居る事を考えると簡単に誰でも推理出来ると思うわ』
意外と頭が回るみたいだ。こういうタイプは厄介な相手だろう。
『敵を前にして随分と余裕そうだな?』
政宗の言葉に対して、エヴァノラは首を傾げた。
『私はアンタ達に敵意は無いのだけれど』
その一言に一同は唖然とした。
『むしろ、客人として歓迎したいくらいだわ』
この状況はあまりに予想外だった為どうしたら良いのか戸惑ってしまった。
『アイツ等がこの城に居る以上自由に行動出来ないわよね……』
エヴァノラは考え込んだ。
『とりあえずアイツ等を追い返すから私の部屋へいらっしゃい』
そう言ってエヴァノラの部屋へと連れて行かれた。
『おい、どうなってるんだ?』
『私にも解らないわよ』
『西と東の魔女って悪い魔女じゃなかったんですかね?』
小声で話す政宗達。念のため、警戒はしていた。
『聞こえてるわよ。警戒しなくたって大丈夫だから安心しなさいよ』
どうやらエヴァノラにはハッキリと聞こえていたらしい。
『あの、何故僕達を?』
『まぁ、正確にはアンタ達の為じゃないわ。あの娘のためよ』
どうやら、ジャンヌの事を言っているらしい。
『あの娘、誰も信頼出来なくなってるじゃない? どうにかしてあげたいのよ』
『じゃあ何故、牢屋なんかに入れておくんだ』
みんなが疑問に思っていた事を政宗は代表して言った。
『出ようとしないのよ。縄を解かせてすらくれないし』
エヴァノラは俯いてしまった。
『どうしてそこまでジャンヌを気に掛けるの?』
エヴァノラは顔を上げ言った。
『魔女だから。魔女と呼ばれた者の気持ちは痛い程分かるわ』
どこかエヴァノラの目は遠くを見つめる感じがした。彼女が今までどんな扱いを受けたのかは知らない。でも、辛かったのだろうと感じ取れた。
『無駄話が過ぎたわね。それじゃあアイツ等を追い返してくるわ』
そう言ってエヴァノラは部屋を出て行った。
『なんか思っていたのと違ってとても優しい人でしたね』
『逆にやりにくいわよ』
『でも、とても悲しそうだったな……』
しばらく沈黙が続いた。
いつしか外が騒がしくなってきた。
何事かと思い外を見ると、セオドラの部下達が慌てて走り回っているではないか。
『何が起きたんだ?』
すると部屋の扉が開いた。
『ジャンヌが逃げ出した!
って嘘を言ってきたわ。そしたら慌てて外へ行ったわよ』
そう言ってエヴァノラは戻ってきた。
『さ、ジャンヌの所へ行きましょ』
そして再びジャンヌの元へと赴いた。




