バカとハサミは………
街に着くと、そこは魔物が溢れかえっていた。
賑わっていた街の面影は無く、人の気配はしなかった。
『一体何が起きたんだ』
『とりあえずグリンダ様を探しましょう』
『ま、あの性悪魔女なら無事だと思うけど』
倒しても倒しても人型、獣型、スライム型等様々な魔物が次から次へと湧いて出てくる。
『なぁ、ドロシー何か竜とか召喚出来ないのか?』
『老婆なら任して』
自信に満ちた顔で親指を立て返事をした。
『老婆はいらねー……よっと』
会話をしながら魔物を倒していく政宗達。
少し大きな広場に出ると大きなゴーレムが現れた。
『僕が相手をします』
トトはウルフ化して殴り掛かると、ゴーレムはバラバラに崩れ落ちた。
しかし、ゴーレムは復活してしまった。
ゴーレムが殴り掛かってきたが政宗がバリアでなんとか防いだ。
『何だよこれ、重すぎる』
そしてバリアは砕かれ政宗は殴り飛ばされた。
『お前のシールドは薄すぎるんだ!! もっと厚くしやがれ』
ウルフ化したトトは少々口が悪かった。
『なる程な。それと、シールドか……。うん、そっちの方がシックリくるな』
政宗は立ち上がり再びゴーレムへと向かって行った。
『俺が防いだその隙にアイツをもう一度破壊してくれ』
『言われるまでも、ねーーーっ!!』
政宗がゴーレムの攻撃を防いだ瞬間、トトは再びゴーレムを殴り破壊した。
しかし、また復活しようとバラバラに成ったゴーレムは集まろうとしていた。
『俺に任せろ!!』
政宗はとっさにシールドを箱型にしてゴーレムのそれぞれのパーツを閉じ込め動かなくした。
『それでこそ俺の知る封印術の使い手、オズだ』
『封印術か……。未来の俺はこんな使い方もしてるのか……』
自分の能力が色々な可能性を秘めている感じがして政宗は様々な事を試したく成っていた。すると、丁度目の前に獣型の魔物が数体居たので早速思い付いた事を試してみることにした。
『薄く……限りなく薄く鋭く……。そして密度をより濃く!!』
政宗はシールドで剣を創り上げた。そして、魔物達をスパスパと斬っていった。
『最初はこの能力は防御にしか使えないと思ったけど凄い便利だな』
(なんてセンスだ。未来のオズに大分近付いてやがる) そう思ったトトは嬉しそうだった。
テンションが上がっている二人に比べドロシーだけが浮かない様子だった。
(私だけ何も出来ていない。これじゃ只の足手まといだよ……)ドロシーは自分の不甲斐なさを悔いていた。
次から次へと政宗は魔物達を斬り倒していくが、段々と剣の密度も薄くなりそのうち消えてしまった。
『ヤバイ、もう限界だ……』
使い慣れていない能力を使いまくったせいで、政宗の体力は大幅に削られていた。
すると、さっきの広場から再びゴーレムが復活して追いかけて来た。
『こうもアッサリと封印が解ける様じゃ、まだまだ未来のオズには遠いみたいだな……』
トトは少し残念そうだった。しかし、それ以上にこのピンチを乗り切る方法を何とか探そうとしていた。
『おいルナ! 魔法は使えないのか?』
どうやら未来ではトトはドロシーをルナと呼んでいたらしい。
『前にも試したんだけど召喚術以外は……。それに精霊や召喚獣とも契約してないから何も呼べないよ〜』
つまり、政宗と老婆は知らない間に契約をしていたらしい……。
『マナは感じ取れるか?』
トトは聞いた。
マナとは自然の中に有る魔力であり、逆に自分自身の魔力をオド呼ぶ。
『マナ……そっかソレだ!』
ドロシーは枝を拾い土に何やら描き始めた。
魔法陣だ。
『水の精霊よ、我に力を与えたまえ!!』
【スプラッシュ・ブースト】
回転した水柱がゴーレムへ向かって物凄い勢いで飛んでいった。
ゴーレムはたちまち崩れ落ち、水に弱いのか復活してこなかった。
『詠唱魔法が駄目なら魔法陣を使えば良かったのね』
ドロシーの手には小さなガッツポーズが有った。
『近くにグリンダが居るぞ!それともう一人、嗅いだことの無い奴の臭いだ』
トトは臭いでグリンダを探していたらしい。
政宗達は城の前へと近付くとトトの行った通り、グリンダの他にもう一人居た。
しかし、グリンダの他のもう一人は黒い物に覆われ姿を消してしまった。
すると、街から魔物も居なくなったのだ。
そしてグリンダはというと、身体は傷だらけでボロボロになっていてその場で倒れ込んでしまった。




