少女の思惑
なになになに!!これ、超萌えるんですけど!!梓七櫂が変な風になっちゃってきてるけど、萌えー!!
なに、可愛いんですけどこのカプ!うわぁぁぁあ、動画とっちゃってもいいかなぁ!
「………お、お兄ちゃん……?」
「………………………璃伊、どこから居た?」
「…………ごめん、お兄ちゃん………み、見なかったことにして、お母さんに……話したりもしないから!!」
ごめん、お兄ちゃん…私、一生忘れないからね!
踵を返して、走り出す。もう少しで私の望んだ未来になる。
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私の名前は、梓七璃伊。正真正銘の梓七櫂の妹だ。突然だが、私は前世の記憶を持っている。この世界が乙女ゲームとして存在していた世界に私は居た。
私の好きなキャラクターは、梓七櫂。彼が好きだった。何よりも、ヒロイン“七瀬梓薫”が大好きだった。
薄々感じてはいた、七瀬梓薫は前世の記憶を持っている。そして、本当のことを知らないことも。彼女も、そして、あの人も知らない……この世界の真実を。
「おっと、危ない………あぁ、櫂の妹だな」
誰かにぶつかり、顔を上げた。背が高い彼に首が若干痛くなる。「あ、三井先輩」「うむ、先程妙なものを見てしまったが…壊れたのかもしや?」「……ええと、なにがですか?」小声で訊ねてくる彼に不審を抱きつつ返す。
「とある女生徒に、にゃーにゃー言ってたのだが……君の兄が」ああああ!見られてたのか、お兄ちゃんの失態!!あれは、私だけで良かったのに!
「面白くてな、思わず動画を撮ってしまった。」その言葉にいち早く反応してしまった私。
「下さい!」思わず引いた彼に、私は我に帰る。しまった、兄のみならず私まで!しかし、後には引けん!
「そうだ、言っておいて欲しいのだが……可愛いシグをあんまりいじめないでくれ。とな。僕の可愛い妹のような存在だからね」ひらひら、手を振って去ってゆく、イケメン。なにあれ、というか可愛いシグって言った!え、言った!
三井静先輩、彼も1攻略対象者。しかし、彼はすでに攻略対象者から外れている。いまの宣言で分かった。
「思ってたより、例外がいっぱいだなぁ。でも、くっつきかけた2人の邪魔なんか、させないもんね!」




