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引き合う人



「思い切りましたね」



春都君から聞いたという森川君が私に言った。




「私もそう思う」


年齢差がすごすぎるし。


「年齢は個人の自由です。俺が言うのはそうではなく・・・あの野々宮と一生付き合う覚悟のことです」


「森川君、人間って自分に無いものを求めたりするのよ」




君は計画を立てるタイプ。

かなめは結構行き当たりばったり。


君はけっこう夢見がち(春都君情報)

かなめは意外と現実主義。


君は非オタ。

かなめは完オタ。



SとNは引き合い、蛇足だが、SとMも引き合う。人間の遺伝子は持たないものを求めるという学説もある。

背の低い男が背の高い女と結婚したりとか。美人が金持ちと結婚したりとか(これは違うか)。



「野々宮の持つ強力なストーカー遺伝子を、つかささんの遺伝子が求めたと」


「いや、そんなの遺伝子が求めないでしょ!」




求める遺伝子がマニアックすぎるよ、私の遺伝子!




「私には春都君のような恋愛遺伝子はない」

「俺も苦労しました」


かなめのこと? それとも春都君のグチのこと?



「あの粘り強さも無い」

「それはバスケのプレイスタイルですか? それともストー・・・」

「しつこい(笑)」



「ともかく、SとNで引き合ってるのよ」


Nだよ、Mじゃないよ?





「ところで類は友を呼ぶというけれど・・・あんたたちまさか・・・」

「まさかです」


え、肯定?否定?どっちの意味でのまさか?



「かなめの学校は男子が多くて」

「理系だものね」


「俺が居ることは有名なので、言い寄られてはいないようですが」

「その顔みりゃ、ほとんどの男は白旗あげるだろうね」

「ありがとうございます」


否定しないのかよw



「妙な知識を仕入れてきて、たまに手に負えません」

「高校生の男の子から仕入れる知識ってもしかしなくても・・・」

「ええ、もしかしなくても」

「・・・・・・・・・・」



「あと高校生になって化粧を覚えて困っています」


この頃の女子高校生は必須でしょ。何年頃の娘を持った親みたいなことを・・・それにだ。


「あの子に化粧教えたの私」

「余計なことを・・・」

「ヘタな化粧を覚えられたくないし。だから、使っていない化粧品一式入学祝いでプレゼントしたんだよね。ナチュラルメイクを教えたらからケバくはないでしょ?」




シモネタを聞きかじり「××って何?」と森川に尋ねるかなめ。実践するなよ、森川!(笑

かなめは幼少時に本の検閲を母と叔母に受けていたため、シモネタ語彙に疎い。


色白は七難隠すっていうけど、化粧も七難隠すよね。

彼女が(更に?)可愛くなったので、他校に進学した森川は気が気じゃない?



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