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「メジェドの居ない日々」(セーラー服と雪女 第28巻)  作者: サナダムシオ


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④ 次の未確認飛行物体

 由理子は再び、次の目的地の座標を、以下のように入力した。


 西暦1977年9月20日

 時刻01時00分

 北緯62度55分

 東経34度28分


 目指すはソビエト連邦のカレリア自治共和国。

 メドヴェジエゴルスク市だ。


「じゃあ、連続時空ジャンプ、行くわよ!」

 彼女は元気にそう言って、時空転移装置のスイッチを入れた。


 いつも寒いその地域は、その晩、より一層冷え込んでいた。

 オネガ湖周辺に住む住人は、深夜、日付を跨いだ時間に、突然、窓の外が明るくなるのを感じた。人々が外を見ると、湖の上空の雲が光り、その中から大きな赤くて丸い物体が、降りて来るのが見えた。やがてそれは、複数の小さな円盤の様な物に分かれた。数えた者によると、48個あったらしい。


  するとそれらは、そのまま集団で移動して行った。2時30分ごろにはロウヒで、3時頃にはソビエト連邦の各地に散らばった。円盤群は、リトアニア、エストニア、コブトル、レニングラードなど、数千人の人々によって目撃され、スケッチも数百枚残された。また、シンガポールからモスクワへ向かう旅客機の機内からも確認され、デンマークのコペンハーゲンや、フィンランドのヘルシンキでも見られたという。目撃者も会社役員や港湾労働者、中学生に、鉄道の機関士、放送局のADなど、多岐に渡った。


 UFOの大編隊は、4時にペスキ空港を素通りした後、カールマルクス通り辺りの上空に、12分程停止したのち、もと来たオネガ湖上空へ去って行った。

 尚、空中で停止している間、地面に向けて、複数のクラゲの触手のようなモノを、伸ばしていたらしい。


 例によってその一部始終を、由理子とジャンヌは、赤いビートルで逐一追跡して観察していた。

「まるで大きなクラゲみたいですね?」

 ジャンヌが率直な感想を言った。

「まさにそうよね。アレは乗り物というより、生き物でしょうね。私も何となく、精神波のようなモノを、アレから感じるわ。」

 由理子もそう言って、彼女の意見に同意した。


「ああ、見て下さい。また48機の小さな円盤が一か所に集まって、湖の上を垂直上昇して行きます。」

「逃がすものですか。追うわよ。」

 そう言うと由理子も、赤いビートルを急上昇させたのだった。


「……実は、つい先日、私の鷹志が、この赤いビートルに、ちょっとした改造を施してくれたのよ。」

 追跡しながら由理子が話す。

「どんな改造なんですか?」

 ジャンヌも円盤から目を離さないまま答える。

「衛星軌道まで行ける改造よ!」

 勝ち誇ったように、由理子がそう言った。



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