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「メジェドの居ない日々」(セーラー服と雪女 第28巻)  作者: サナダムシオ


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② 小学校の授業中に

 ちょうどその時、イ・ウンギュ先生は、午前中最後の授業を指導している真っ最中だった。彼は運動場で、4年1組と2組の2クラス合同の、体力測定をさせていた。所謂スポーツテストである。すると600m走の測定をしていた児童たちが、突然、空を指差して騒ぎだしたのだ。


 彼もつられて、そちらの方に注目すると、運動場のトイレの屋根の上20m程の低空に、大小2機の銀白色をした、円盤型の飛行物体が浮かんでいたのが見て取れた。光りながら回転するソレは、やがて大きい方の物体が先に動き、それを追うように、小さい方の物体も動き出した。そして2機とも、猛スピードで松林の上から麦畑を横切り、北の空へ飛び去ってしまったのだった。不思議な事に音は一切聞こえなかった。


 最初から一部始終を見ていた児童たちの話によると、まず空から1つの大きな雲のような塊が降りて来て、やがて2つの物体に分離したらしい。

 それは決して、目の錯覚や見間違いなどでは無く、そこに居た22名の児童と先生、そして校長までもが目撃し、また後に、校外の地域住民30名からも、目撃証言が寄せられた事実なのだった。


 由理子とジャンヌは、赤いビートルの中から、その事件の一部始終を、洛東小学校の上空で観察していた。最初に出た大きな雲は、時空のポータルのようだった。その中から現れた大きな円盤を、後から来た小さな円盤が追跡しているように見て取れた。まるでそれは、犯罪者を追いかける警察のカーチェイスのようだった。


 こんな昼間に、よりによってたくさんの目撃者が居る小学校の上空で……。

 由理子から見ると、円盤の振る舞いは、あまりにも露悪的に感じた。

 それは、逃げている方の大きな円盤の主が、余程あせっている証拠に思えた。

 由理子は取り敢えず、2機の円盤を追跡する事にした。


 すると、そこからほど近い山の中腹に、隠れるように、先程の円盤が2機とも着陸しているのが見えた。由理子もその近くに、光学迷彩を透明モードにしたまま、赤いビートルを降下させた。彼女はジャンヌとともにクルマから出ると、木陰から先ほどの円盤をこっそり覗き見る。


 すると、大きな円盤と小さな円盤から、それぞれ1名ずつの乗員が外に現れた。二人とも、何だかSFチックなジャンプスーツを着ている。青い服の、小さい円盤の主が、大きい円盤の主を叱っているようだ。大きい円盤の主は、随分恐縮しているように見えた。 


 やがて大きい円盤の主が、左腕に付けたデバイスを出すと、小さい円盤の主が、バーコードリーダーのようなモノで、それにピッとやった。


 尚も重ねて、指導するような素振りをしていた小さい円盤の主は、大きい円盤の主が、すごすごと船中に乗り込み、その場を去るのを見届けてから、自分も船内に戻り、円盤を飛ばして去って行った。

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