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「メジェドの居ない日々」(セーラー服と雪女 第28巻)  作者: サナダムシオ


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⑰ 伯爵に報告

 名護屋テレビ塔の亜空間レストランに戻って来た二人は、早速、モササウルスとウアジェト女王の関係を、サン・ジェルマン伯爵に報告した。


「やはりそうでしたか……。」

 伯爵は特に驚いた様子も無く、そう言った。

「……来るべき日を待ちながら、彼女は着々と、情報収集のための、ネットワークを広げているようですね。」


「女王は、地球上の、あらゆる爬虫類とつながっているって事ですかね?」

 香子が、毎々から思っていた事を口にする。

「きっとそうでしょうね。そして1999年の7月に備えているのでしょう。敵は、異星人や悪魔やアラハバキとは限らない。ニンゲンの最大の敵は、ニンゲンだったりしますから。」


「ああ、あり得ますね。」

 香子は、将来どんな事が起こりそうか想像して、イヤな気分になった。

「……でも凄いわね、彼女。」

 由理子が話に加わった。


「ブラックナイトを筆頭に、人工衛星も操っているのでしょう?それに地下世界も支配下にあるって……最早ラスボス級なんじゃないかな?」

「そう、彼女が敵に回ったりしたら、厄介でしょうね?……そうならないように、私たちで、人類を見守りたいものです。」

 伯爵はそう言って、シリアスな顔になった。


 さて、それから約一カ月後の、1996年4月20日の土曜日。時刻は14時00分。

 今日は久しぶりに、亜空間レストランに、カグヤ・イシュタルと成雪のカップルが訪れていた。弓子の好意で、前の約束に変更が成され、弓子と真田雪村のカップルが居ない時に限り、このサロンを訪れても構わない事になっていたからだ。


 時空の調査をする場合、腕のデバイスや、小型のスーツケース型タイムマシンでも可能だが、やはりビートルに乗っている方が、何かと都合がイイのである。今回も成雪の気になる事象を調べに行くらしい。伯爵は二人に緑色のビートルを貸し出してやることにした。


「ところで成雪君、今回気になったのは、どんな事なのかな?」

 優しく尋ねるサン・ジェルマン。

 成雪の心は、まだまだ少年のままなのだ……まあ、今や内側に、古代エジプトの、セト神を宿している事が分かってしまっているのだが。


「江戸時代の妖怪、"ぬっぺふほふ"です。」

 彼はやはり、日本の歴史が好きなようである。

「ああ、例の別名、"のっぺらぼう"とか、"肉人"とかいう、アレの事ですか?」

「はい。ソレの調査をしたいんです。」

 笑顔で成雪は答えた。



挿絵(By みてみん)


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