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Vol.2 夢人 ―空夜の旅 Ⅱ ―
夢を見た。奇妙な夢を。
誰かが目の前に立っている。霧のようなものが
立ち込めていて、姿はよく見えない。
「そいつ」が何か言っているが、その声は遠く
聞こえない。
「そいつ」が廉の方に手を差し伸べた。
廉は引き寄せられるように右手を伸ばした。
そして、「そいつ」が廉の手をとった。
その瞬間、白い霧がざあっと引いて、視界が開けた。
「やあ」
「そいつ」が口を開いた。
全てを見透かすような目。美しい銀髪。
「そいつ」はにやりと笑って言った。
「また会ったね」
次の瞬間、目の前には家の天井が広がっていた。
心臓がばくばくいっている。自分の荒い息も
聞こえる。廉はベッドに横たわり、目を
見開いたまま硬直していた。
あいつだ。
廉は声にならない叫びを上げた。
夢のなかに出てきたのは、昼間
駅のホームで見たあの男だった。




