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Vol.2 夢人 ―空夜の旅 Ⅲ ―
一羽の鳥が、風に翼をなびかせながら
飛んでいた。その美しい羽根は鮮やかな
エメラルドグリーンに輝き、長い尾羽根は
はばたくたびにヒラヒラと揺れ動いている。
やがて鳥は一本の大きなグラウカの樹の
てっぺんにとまった。50メートル程もある
この樹を中心に、周りには
見たこともないような不思議な花や草木が
きちんと手入れされて植わっている。
鳥は、その幻想的な箱庭を見下ろした。
一人の少女が、そこにいた。
真岡は、城の温室の中にある大きな噴水に
腰かけていた。ピンクのアマリリスの刺繍が
施されたドレスに身を包み、首には豪華な
ルビーのネックレスをしている。
美しい金髪に結いつけた白い花飾りが、
彼女の可愛らしさを際立てていた。
「帰りたいなぁ………」
真岡は、日光に反射してキラキラ光る
水面を見つめて言った。
「早く助けに来てよ………廉」
バサバサと音をたてて、鳥が
グラウカの樹から飛び立った。
エメラルドグリーンの羽根が、ひらひらと
水面に落ちて揺れた。




