Vol.6 襲撃-Ⅳ-
一瞬、刃が鳴った。
ビイイイインという余韻が鳴り終わらないうちに、次の一手がくる。反射的に刀を横に構え、切先から三寸ほどの物打の部分で受けた。手首がしびれる。しかし今度は胴めがけて刃が飛んできたので、下から剣をはらってやっと防いだ。
しかしリュードは手を休めない。
防戦一方ではだめだ、やられる。
そう悟ったジオンは、頭を突いてくる剣を後ろにのけぞってかわすと同時に、リュードの手首を思い切り蹴り上げた。
リュードの手からサーベルがはじきとばされる。サーベルはくるくると回転しながら真上に飛び上がった。
すかさず下から斜めに腕を払い上げる。しかしそれが相手をとらえることはなかった。
リュードが地面を強く蹴って宙に舞う。落ちてくるサーベルをぱしっと手に取ると、ジオンの背後に着地した。そのまま前に腕を突き出す。
ジオンは辛くもそれを逃れた。そして右腕を伸ばしきったリュードの死角に回り込んだ。
ーーーーーとった。
ジオンがそう思った瞬間、腹部に強い衝撃を受けた。
リュードが振り向き様に回し蹴りをくらわせたのだ。
「ぐっ………」
そのまま地面に押し倒されてしまった。
刹那、リュードが剣を垂直に振り下ろした。剣は、ジオンの顔の真横、
ほんの数ミリずれたところに突き刺さった。
「そこまで」
傍で見ていたイザベラが制した。その横で、ヴィオラがほっと息をついた。
リュードはにこりと笑うと、ジオンを抑えつけている足をどかして言った。
「なかなかやるね。でも今回の手合わせは俺の勝ち」
「…………!」
ゲホゲホとむせながら、ジオンは何も言わずに立ち上がった。
くそ。顔は優男のくせして、この男、かなりの手練だ。
「すごい……廉…ジオンは剣道で全国優勝してるのに」
と、ヴィオラが呟くのが聞こえた。
イザベラは満足そうに笑みを浮かべて言った。
「嬉しいわ、こんなに強力な人材を得られて……
リュードから一瞬でも剣を奪えたのはあなたが初めてよ」
しかしそんな褒め言葉はジオンの気休めにもならない。
もっと修行しなければ。
ジオンは刀を鞘に納めた。




