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Vol.6 襲撃 ーⅢー
廉は、ある一つの問題に直面していた。
鏡の前に立って、自分の顔を見つめる。
眠そうな自分が豪華な鏡の中から見つめ返してくる。
廉は顔を洗ってこの眠気を吹き飛ばそうとした。
(これはさっさとこの世界からおさらばしないとヤバそうだ…)
廉は深刻な睡眠不足に陥っていたのである。いや、正確には睡眠不足゛もどき゛だ。というのも、彼がここ、夢幻郷にいる間、現実の彼はしっかり爆睡しているのだが、その間意識はこちらの世界にある。夢を見ているのと同じような感じだが、決定的に違うのは「全く寝た気がしない」ことだ。
どちらかの世界で目を閉じた瞬間、もう一方の世界で目が覚めるのだ。身体的には十分な睡眠がとれていても、これでは精神的にきつい。
ハァとひとつため息をつくと、廉は窓からバルコニーに出て、城下に広がる白い町を見下ろした。
夜明けの夢幻郷の美しい風景を眺めながら、静かに召し使いがやって来るのを待った。




