第1章:肉の檻と狂気の双子
カチャ……、チシ……、カチャ……、チシ……。
その音は部屋の隅から近づいてきた。5歳になる私の兄が、私に向かって飛びかかってきた。泥と排泄物が溜まった床の上で、その歪んだ足を引きずり、膝と膝をぶつけ合わせながら骨のきしむ音を立てている。
後ろに下がろうとした。しかし、生後18ヶ月の私の小さな手は、腐った床に溜まった脂と尿のぬかるみで滑ってしまった。兄は両腕を突き出し、歪んだ口元から粘り気のあるヨダレを滴らせている。緑色の目ヤニに覆われた左目は天井を向いており、血と膿に染まった右目だけが、狂人の執着を持って私の顔を凝視していた。
「お……れ……の……お……も……ちゃ……」
兄はうなり声を上げ、鋭く手を振り下ろした。
バキッ!
握りしめられた拳が、私の顔面に直撃した。鼻の未発達な軟骨が一瞬で砕ける。激しく血が吹き出し、熱く鉄臭い液体が私の目と口を覆った。私は小屋の凍りついた土床へと仰向けに倒れ込んだ。悲鳴を上げまいと、必死に息を止め、歯を食いしばる。赤ん坊の泣き声を一言でも漏らせば、あいつが私の肋骨を踏みつぶし、肺が陥没するまでその奇形な足で踏みつけ続けることを知っていたからだ。
ブチッ!
兄は私の薄い髪を掴み、力任せに引っ張った。不潔な小屋の床をズルズルと引きずられる。床に散らばる木屑や汚物が背中を切り裂き、肉の裂け目から何本もの血の筋が広がっていく。その5歳児の体重が私の胸の上に乗っかり、肺の空気を完全に押し出した。
兄は私の目を狙い、黒く汚れた爪を皮膚に突き立ててきた。まぶたの柔らかい組織を引き裂きながら、指関節を眼窩へとねじ込んでくる。私は絶望的に身悶えしたが、兄は頭を下げ、野生の獣のような狂気で私の肩を噛みちぎろうとした。
バリッ!
歯を食いしばったまま頭を後ろに引き、私の肉をごっそりと食い破った。兄は虚ろな目で私を見つめながら、口に含んだ肉を咀嚼し、血を飲み込んだ。そして、その手はすぐに私の首へと伸びてきた。両手で強く絞めつけられる。肺から空気が消え去り、視界に黒い火花が散り始めた。
私は腐った床の上に右手を伸ばし、泥と汚物の中を盲目的に探った。指先が、床から突き出ている硬い何かに触れた。長くて鋭い、割れた木片だ。
息絶え絶えの体の、最後の力を振り絞ってそれを握りしめた。兄が一瞬だけ首を絞める手を緩め、私の裂けた肩から溢れ出る血を舐めようと顔を下げた。その瞬間を逃さなかった。私は震える腕を突き上げ、盲目の怒りとともに木片を上方へと突き刺した。
グチャッ!
尖った木片は、兄の狂った右目を完全に貫通し、頭蓋の奥深くへと突き刺さった。眼球の体液と黒い血が私の顔に飛び散る。兄は人間とは思えないくぐもった絶叫を上げ、顔を押さえながら横へと転がった。土の上で激しく痙攣したあと、ゴミの中で完全に硬直した。私は兄を殺したのだ。
死体から数センチだけ這い出たが、すぐに四肢の感覚が麻痺していった。引き裂かれた喉からはもう空気が通らず、肩からの出血は止まらない。周囲の泥が赤く染まっていく。中世の冷酷な夜の寒さが、私の皮膚の上で血を凍らせ始めた。
その瀕死の苦しみの中、小屋の扉が乱暴に開け放たれた。凍てつくような冷たい突風が吹き込み、続いて安酒の臭いをプンプンと漂わせ、千鳥足で歩く父親の重々しい人影が現れた。床に転がる2つの血まみれの体を見た瞬間、その男の目は愚鈍で盲目的な怒りに染まった。そこには憐れみも、涙も、理解もなかった。
「この役立たずの化け物どもが!」
男は怒号を上げ、鋲のついた無骨なブーツで、私の傷ついた腹部を目がけて容赦のない蹴りを放った。
衝撃で内臓と肋骨が粉々に砕け、私は小屋の最も暗い隅、糞尿と腐敗物にまみれた場所へと吹き飛ばされた。骨を折られ、息もできず、そこに転がったまま動けなくなった。男はそのままベッドに倒れ込み、目の前の惨劇などなかったかのように高いイビキをかき始めた。低体温症と内臓出血が私の最後の思考を消し去るにつれ、視界は完全に闇へと落ちていった。
私は目を閉じた。2度目の人生が、何一つのチャンスさえ与えられないまま、ゴミ溜めの中で悲惨に踏みつぶされて終わる。そんな理不尽で残酷な世界の悪意を、私はただ受け入れるしかなかった。




