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はじまりは、一歩から

「こんにちは」

その声に驚いて、思わず後ろを振り返った。


学校で見かけた、赤とオレンジが混ざったような髪色。

彼女――ヘユンは、ブランコの後ろでぼんやりと私を見つめていた。


驚いた私は、挨拶を返す前にそのままブランコの後ろにひっくり返ってしまった。

どうしてあんなにも驚いてしまったのだろう。


砂を払い立ち上がり、ヘユンに向かって冷たく挨拶した。

「……こんにちは」


互いに挨拶を交わした後、公園には妙な沈黙が流れた。

何を話していいのか分からず、私たちは視線をさまよわせるばかりだった。


沈黙を破ったのはヘユンだった。

「君の目、本当にきれいだね」


その言葉に、ふと母との記憶がよみがえった。

雪が降る寒い日。

母は私の頬を温かい手で包み込みながら言った。


「ドユナ、うちの子。お母さんに似てきれいな目だね。これから元気に育つんだよ。

お母さんは、あとで……本当にあとで迎えに来るからね」


まだ6歳だったが、母が私の元を去ることを本能的に感じ取っていた。

今でもあの日のことは鮮明に覚えている。


「ねえ、ドユン!」

その声で我に返った。


目の前には困った表情を浮かべたヘユンが手を振っていた。

どうやら、私がぼんやりしていたのを心配したらしい。


私は慌てて謝った。

「……あ、ごめん。ちょっと考え事してた。なんの話してたっけ?」


「君の目がきれいって話」


その言葉に、思わず口が動いた。

「……僕の目をきれいって言ってくれたの、母さん以外じゃ君が初めてだよ」


ヘユンは私の隣のブランコに腰を下ろした。

私たちは並んでブランコに揺られながら、ゆっくりと話し始めた。


いや、もしかしたら心は最初から開かれていたのかもしれない。

ただ、誰も近づいてきてくれなかっただけで。


私たちはずっと話し続けた。

その時間だけは、公園に私たち二人しかいないような気がした。


時はあっという間に過ぎ、夜空には星が輝いていた。


どれくらい経っただろうか。

ヘユンのお父さんが公園に迎えにやってきた。


「パパ!」

ヘユンは満面の笑みでお父さんの胸に飛び込んだ。


「ヘユナ、ここで何してたの?」


「うん、クラスの友達とお話してたの」

そう言って、私を指さした。


ヘユンのお父さんは私に近づき、名前を尋ねた。


「こんにちは。私はヘユンの父です。君の名前は?」


「こんにちは。イ・ドユンです」


おじさんは私の頭を優しく撫でてから笑って言った。

「早くおうちに帰らなきゃな」


ヘユンは手を振りながらお父さんと一緒に帰っていった。

私も無意識に手を振り返していた。


日が沈み、公園の街灯が一つまた一つと灯り始めた。

ようやく私も家へと向かった。


暗証番号を押して玄関を開けたが、私を迎える人は誰もいなかった。

母と父の仕事は、まだ終わっていないらしい。


手と足を洗い、ソファに座ってテレビをつけた。

リモコンを握りしめ、無意味にチャンネルを回す。


1番から100番まで、ざっと見渡してみたけれど、心を惹かれるものはなかった。


しばらくそうしていると、いつの間にか10時になり、私は自室に入った。


ベッドに横たわりながら、今日の特別な一日を思い出した。


学校で初めて出会ったヘユン。

公園で二度目に出会い、交わした言葉。


彼女の表情、話し方、そしてその姿。

ひとつひとつが頭の中に浮かんできた。


そしていつの間にか、私はすやすやと眠りについていた。


翌朝、アラームが鳴る前に目が覚めた。

朝の陽光が部屋に差し込んでいた。


母はキッチンで朝食を作っており、父はダイニングテーブルで新聞を読んでいた。


私が起きたのに気づいた父は新聞を置き、こちらへやってきた。


「おはよう、よく眠れたか?」


そう言って私をひょいと抱き上げた。


私は自然と父に甘え、父は笑顔で私を下ろして再び席に戻った。


母も私に気づき、温かい朝の挨拶をしてくれた。


そうして、慌ただしい朝が始まった。


朝食を済ませ、学校へ向かう足取りはなぜか軽かった。


友達ができたからだろうか。


しかし、登校中ふと疑問が湧いてきた。


会話をしただけで……それって友達なのだろうか?


私にとって「友達」という存在はまだよく分からない、不慣れで難しい言葉だった。


考えれば考えるほど、足取りは重くなる気がした。


それでも、今日の私は気分よく登校した。


毎日開けていた窓も、今日はより勢いよく開けられたし、

机に突っ伏していた私も体を起こし、彼女を待っていた。


生徒たちが次々に教室へ入ってくる中、私は廊下の物音に耳をすませた。


やがて、廊下の向こうからヘユンがやってきた。


彼女の隣には、何人かの友達が一緒にいた。


ヘユンは私を見つけると、手を振ってくれた。


けれど私は、その手を無視して机に顔を伏せてしまった。


彼女の隣にいた友達たちの存在が気になったからだった。


クラスの子たちは私に良い印象を持っていなかった。


私と関わるのを避け、何人かの男子は私をいじめてもいた。


もし、ヘユンまで私を避けるようになったら――


そう思うと、あの瞬間、私は挨拶を返すことができなかった。


もしかしたら、それはただの言い訳だったのかもしれない。


そんな微妙な空気の中、始業のチャイムが鳴り、授業が始まった。

読んでいただいてありがとうございます。

今回もよろしくお願いします。

そして頼みがあります。

私が最近正しく使っているのか疑わしいです。 ご覧になったらフィードバックをお願いします 私がよく使っているのか不足に何か気になります フィードバックお願いします

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