はじめての出会いはむずかしい
日差しが強く窓から差し込み、
穏やかな風にカーテンが揺れていた。
彼女と初めて出会ったのは、そんな日だった。
いつも通りの平凡な登校日。
その日だけは、空が雲一つなく晴れ渡り、静かだった。
僕はいつも朝早く、他の生徒たちが登校する前に学校に着く。
今日も教室のドアを開けて、閉まっていた窓をひとつひとつ開けた。
そして一番後ろの窓際の席に座り、カーテンを引いて机に突っ伏した。
どれくらい時間が経ったのだろう……。
一人、また一人と登校してくる生徒たちの足音。
わいわいと賑やかに。いつの間にか教室は友達の話し声で溢れていた。
ただ、僕に話しかける友達は一人もいなかっただけ。
チャイムが鳴り、担任の先生が教室に入ってきた。騒がしかった教室はすぐに静かになった。
その時ようやく、僕も顔を上げて前を見た。
「今日は転校生を一人紹介するよ」
先生の言葉が終わると同時に教室の前のドアが開き、一人の女子生徒が入ってきた。
彼女はゆっくりと教卓まで歩いてきて、自己紹介を始めた。
「こんにちは。私は日本から来ました。お母さんは韓国人で、お父さんは日本人です。お母さんが病気になって、しばらく韓国にいることになりました。
日本での名前は“ひなた”で、韓国の名前はヘユンです。これからよろしくお願いします」
先生は教室を見回して、空いている席を探した。
一番後ろの僕の隣の席が空いているのを見て、彼女にそこへ仮に座るように言った。
僕は興味がないふりをして、先生の言葉が終わるや否や再び机に顔を伏せた。
クラスの子たちは新しい転校生の登場に浮かれていた。
転校生は僕の隣の席に静かに椅子を引いて座った。
僕はまだ机に突っ伏していた。
先生が教室を出ていくと、女子たちがヘユンのもとに集まってきた。
「ヘユン、何が好き? 学校終わったら一緒にトッポッキ食べに行かない?」
初めて見る日本から来た転校生に、興味がない子なんていなかった。
ヘユンは笑いながらうなずいた。
その後も女子たちはヘユンに次々と質問を投げかけ、
授業のチャイムが鳴ってようやく自分の席に戻っていった。
小学校ではすべての科目を同じ担任の先生が教えていた。
授業が始まった。
僕は熱心に授業を聞いていたわけではなかったが、教科書を机の上に置き、
片手で顎を支えて窓の外を眺めていた。
すると、ふと隣から誰かの視線を感じた。
顔を向けてみると、ヘユンが前を見ずに僕の方を見ていた。
隣だからこそ、彼女の顔をしっかりと見たのはこれが初めてだった。
オレンジと赤が混ざったような髪の色。
顔立ちは日本人らしくなかった。
彼女は僕を見ながら、どんなことを考えていたのだろう。
――ヘユンの視点――
ヘユンは初めてドユンを見たとき、驚いた。
白い髪、青い瞳。まるで韓国人ではないような容姿。
もしかして、親のどちらかが西洋人なのかな?
その瞳をじっと見つめていると、まるで果てしない海を見ているような気がした。
初めて会ったばかりなのに、もう二度と忘れられないような感情。
そうして、私たちは互いの目を見つめ合った。
先に目をそらしたのは、ドユンだった。
彼はそっと視線を窓の外に向けた。
ヘユンもすぐに視線を先生の方へ戻し、授業に集中した。
お互いに、どんな気持ちを抱いていただろう?
まだ小学6年生の子どもに過ぎなかったけれど。
子どもだからといって、感情を持たないわけではない。
むしろ彼らは感情をより繊細に感じ、敏感だ。
ただ、自分が感じている感情がどんなものなのかに気づくには、時間がかかるだけ。
それが恋なのか、同情なのか、憐れみなのか、あるいは友達としての感情なのか……。
それは、相手が去ってからようやくはっきりするものだ。
そうして、互いに残した感情は未解決のまま、授業は進んでいった。
すべての授業が終わり、掃除当番の友達たちは掃除を全部ドユンに押し付けて遊びに出かけた。
一人残されたドユンは、当然のように掃除を始めた。
空っぽの教室の外からは、子どもたちが遊ぶ声。
空っぽの教室の中には、床を掃く音。
シュッ、シュッ――
掃除をしながら、ドユンは何も感じたくなかった。
実際には寂しさ、疎外感、憂鬱……たくさんの感情が湧き上がっていた。
「僕もあそこに混じって遊びたい。一緒に笑いたい。」
小学生として当然の感情だった。
そうして掃除を終え、ドユンは重たい足取りで一人で下校した。
一緒に帰る友達もいないまま。
何も考えずに歩いているうちに、いつの間にか家の前のエレベーターの前に着いていた。
1階に止まっていたエレベーター。
上のボタンを押し、最上階の25階を押した。
エレベーターはゆっくりと上昇していった。
チン――
ゆっくり登っていると思ったのに、あっという間に25階に着いていた。
ドユンはドアの前に立ち、笑顔の練習をした。
口角を上げて、明るい表情。
そして暗証番号を押して家の中へ入り、いつも通りに元気に挨拶する。
「ただいまー!」
しかし、その挨拶を返してくれる人は誰もいなかった。
学校でも、家でも。どこでも。
両親が共働きで忙しいことは分かっていた。
誰もいないと分かっていながらも、ドユンは毎日、誰よりも明るく挨拶をした。
誰かがいてくれることを、心のどこかで願っていたのかもしれない。
ドユンの唯一の楽しみは、部屋で寝転び、イヤホンをして音楽を聴くことだった。
音量を最大に上げて、流れる音楽を一緒に歌った。
大声で。まるで「僕を見て」と叫ぶように。
どれくらい時間が経っただろう。
ドユンのお腹がグーと鳴った。
リビングに出て、台所からカップラーメンを取り出して食べた。
適当に食事を済ませた彼は、適当に服を羽織って外へ出た。
彼の足は、どこへ向かっていたのだろう。
幼い彼にとって、行く場所や頼れる場所などあったのだろうか。
しばらくして、彼の足は止まった。
外はすでに暗くなり、消えていた街灯が一つまた一つと点き始めた。
ドユンの足が向かった先は、古びた公園だった。
そしていつものように、ブランコに座って夜空を見上げた。
空には星が広がっていて、まるでドユンを明るく照らしているかのようだった。
そうして空を見上げていたドユンの隣に、誰かが近づいて声をかけた。
「こんにちは」
楽しく見ていただければと思います。
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