第58話
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私はリアル社畜なのですが、最近投稿する時間が無い程忙しくなってます……。
「うわーっ、このパフェすごくおいしいっ!」
ナホーティアが凄い勢いでパフェを口に入れている。狂化スキルに目覚めてからというもの、食欲がかなり旺盛だ。
「そうであろう! このパフェはキングウェル王国一であるとこの魔王が断言しよう」
キングウェル王国のパフェを魔界の王に自慢されるという不思議な構図である。
「そもそも、このパフェのレシピを盗んでどうするつもりだったんだ?」
「決まっているであろう。魔界でスイーツ店を開くのだ」
「魔界で開くのか? 需要あるのかよ?!」
「もちろんだ。人間の食べ物を好む魔族は大勢いるぞ。スイーツ店の他にも続々と開店を計画中だ」
「魔族の人って戦争が好きなイメージだから、意外ですねっ」
「戦争はコストがかかり過ぎる。それよりも内政に力を入れるべきだ。既に魔界でレストランを開店している。一度食べに来るとよい」
魔王がすっと名刺を渡してくる。見たところ、名刺サイズの紙にレストランの情報が書かれている。
『魔界レストラン いただき魔王♪』という名前らしい。何とも絶妙なネーミングセンスである。魔界の住人の感覚が良く解らん。
「この名刺を見せればなんと三パーセント引きである!」
「ケチくさい割引だな……」
「フハハハハハハッ! 人間は何と欲深い生き物か」
「……お客様。笑い声は控えめにして頂いてよろしいでしょうか。他の方のご迷惑になりますので」
「それはすまぬことをした」
店員に素直に頭を下げる魔王。咳払いをした後、一転して真剣な面持ちになった。
「実は、ケイブに頼みがあってな……カイゼットに魔族の移住を許して欲しい」
「魔界からカイゼットへ移住したい魔族なんているのか? 魔界の方が住みやすそうだが……」
「移住するのは魔界からではない。キングウェル王国からだ」
魔王はそこで言葉を切り、物憂げな表情になる。
「七列卿がリーフェを利用して民衆を魔族討伐に駆り立てているのは知っていると思うが、そのせいで各地で魔族が迫害されているのだ」
「王国にも魔族が住んでいるのねっ」
ナホーティアが驚いている。俺もそんな話は聞いたことがない。
「ああ。ひっそりとだがな。王国に棲んでいる魔族の大多数は大人しい部族だ。だが、人間共の差別は激しい。道端で石を投げられる者。家を焼かれる者。多数で囲まれて暴行を受けたり、果てはこっそり殺される者もいるという」
「それはひどいな……」
「うむ。魔族は攻撃的ではあるが、基本的に策謀は好まない。徒党を組み、裏で悪巧みをするのは、いつの時代だって人間なのだ」
魔王は怒りと悲しみが混ざった眼差しを湛え、俺に向き直った。
「既に複数の部族から陳情が来ている。どうか、移住を許して欲しい。この通りだ」
魔界の覇者が頭を下げて懇願する姿に、俺は心を打たれた。
「ああ、もちろんオーケーさ。好きに使ってくれ」
「おお! そうか! 受け入れてくれるか。本当に良かった……」
顔を綻ばせて喜ぶ魔王。少し涙ぐんですらいる。こいつを見てると、魔族は良い奴ばかりのように思えてならない。人間の方が、実は悪辣ではないのか……。
「良かったねっ。魔王さん。それで、カイゼットに来るのはどんな方達なの?」
「皆良い奴だから安心するがよい。まずは猫魔族だ。二足歩行で歩く猫の魔族。特に害は無い」
「かわいいっ!」
「まあ、難があるとすれば怠け者だったり、道のど真ん中で日向ぼっこをするくらいか。あとは畑の作物を食い荒らすのが難点と言えば難点だが……まあ、ご愛敬だな」
「それは……何とも微妙だな」
「そしてアンデッド魔族。魔族で生きながらにしてアンデッド化した者の総称だ。皆ヘンリーのように可愛い奴ばかりだぞ。身体が腐ってて多少見苦しいのと、腐臭がきついのが……まあ、そうだな。ご愛敬だ」
「……」
「そして最後に象魔族。象の頭を持つ二足歩行の魔族だ。誇り高き一族であり、仁義を重んじる。ただし、牡の象魔族は相手に敬意を表したり、正式な場所に出向く時は、何故か全裸になる性質があるのだが……うむ。何というか、これもご愛敬だな」
「ご愛敬じゃねえよ! ご迷惑だよ!! そんな奴らだから追い出されるんだよ! リーフェは関係ねえ!」
「象魔族について付け加えるが、あいつらの頭から下は人間の男性と同じだ」
「情報ありがとよ! 露出狂揃いってことだな。せいぜい気をつけるぜ!」
こうして、カイゼットは愉快な魔族動物園となっていくのだった。
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