第30話
翌朝、リミュ、リーフェと共に学園に登校した。ナホーティアは昨日の事件があってから、家に置いて来ている。万一、何か不測の事態が起きると不味いからだ。
ボルガドフも命に別状は無かった。ぶっちゃけナホーティアに気を取られてボルガドフのことは忘れていたが、かなりの重傷だった。
「ケイブ君、助けてくれてありがとう……」
ボルガドフは涙を浮かべて喜んでくれていた。こちらこそ、ナホーティアを助けてくれてありがとう。と言うか、存在を忘れててごめん。
ボルガドフが言うには、今回の魔物襲撃には七列卿の誰かが絡んでいるそうだ。ボルガドフに刺さっていた虹色に輝く矢は紛れもない神器。国宝クラスの武器は、国王か七列卿しか持てない代物とのこと。
あれからリミュ、リーフェとも殆ど言葉は交わしていない。事件は未解決のまま、重たい気持ちを引き摺りながら教室に入り、席に着く。
「ケイブ様! ご機嫌はいかがでしょうか~?」
突然声をかけられた俺は辺りを見回す。一体、今のは誰の言葉だ?
ふと振り返ると、なんとフェリーネであった。今までは見下すような目付きに尊大な態度を隠さない奴だったが……
「ケイブ様、今日も素敵です~! ご要望があれば、何なりとお申し付け下さいませ♪」
まるで俺専属のメイドのように付きまとってくる。何か悪い物でも食べたのだろうか……回りの生徒達もフェリーネの様子を見てざわついている。
「お、おう……そうだ、フェリーネ。訳あって、魔界へ行きたいんだ。どう手続きをすればいいか知ってるか?」
「もちろん存じ上げております。魔界へ行く道は、ルーラルヴォーラ家とレグシスレイト家が管理する習わし。私どもが、魔界までご案内致します」
「へぇーそうなんだ。レグシスレイト家っていうと、フォードンの家か」
ルーラルヴォーラ家とレグシスレイト家が魔界との交渉や関門を担っているらしい。
「なんと! 魔界へ行きたいというのか。目的を聞かせてくれないか」
魔界へ行きたいことを伝えた途端、フォードンは血相を変えて立ち上がった。いちいち表現がオーバーな奴である。
恐らく信用が出来そうな奴なので、ナホーティアが狂化と呪術士のスキルを持っていることを説明した。それと、昨日の出来事についても。
「そうだったのか……! 気づいてやれず申し訳なかった」
深く項垂れるフォードン。情が深いが時として暑苦しい。こいつもボルガドフとは別の意味で面倒臭いな……。
「もちろん、魔界ではこのフォードンが先導しよう。授業後に打ち合わせをしたい。私の邸宅まで来てくれ」
こうして、七列卿のフェリーネとフォードンの協力を取り付けることが出来た。個性が強い二人だが、戦闘力としては期待出来る。授業終了後、俺達はフォードンの屋敷へと向かった。
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