第六十二話 雰囲気が瓜二つな男の子
北に向かうにつれ、空は次第に曇っていき気温が下がってくるのを、トウジとカツトシはスピードに乗った電動カーの中で感じている。旅に高揚している二人、特にトウジにはどうという寒さではないのだが、車内に装備してあるエアコンをつけ、暖を取りながらの順調な道程であった。
「あっ! 見えてきた見えてきた! お~、思ったより家があるね」
「ご先祖様の時代はこうじゃなかっただろうけどな。今はアテナタウンから、たまに人が来ることがあるしな」
このあっけらかんとした親子が見ているように、現在のザーフェレジアは完全に人が住める村になっている。居住できる家は新たに建てられたり、整備されたりで、20軒ほどはあるだろうか。トウジとカツトシは予想より賑やかな村の門で認証を受けて通り、ザーフェレジアを統御するマザーコンピュータ・アマテラスの所へ、まず向かった。
コントロールタワーには、そこで受付や修繕などを担当している人とアンドロイドが数名いた。時代が進み、統御機能が完全に戻った形だ。
「ザーフェレジアへようこそ。おや? あなたと会うのは初めてですが、私は以前、あなたと雰囲気が瓜二つの男の子と会っています。アキヒトという名なのですが、あなたはその男の子とゆかりがありますか?」
「さっすがマザーコンピュータだなあ。そうだよ。アキヒトは俺のご先祖様だよ。それにしても、どこに行ってもご先祖様に似てるって言われるな。あっ! 俺はトウジっていう名前だよ」
「ふふふ。そっくりですよ。アキヒトが来たのかと思い、非常に懐かしく感じたほどです。それはそれとして、ザーフェレジアにはどういった用で来たのですか?」
「ここは俺が言おうか。トウジの父、カツトシです。二機のアンドロイド、ザーフェルトとテレジアを直しに来ました。俺たちにはメカニックの心得があります」
大画面モニターに和やかな和風のイメージの女性として、アマテラスが映し出されている。和やかなのはそのままだが、ザーフェルトとテレジアを直す、という話が出て以降、アマテラスの言葉に真剣味が増した。
「なるほど……おそらく、アテナが許可したのですね。分かりました。この村にもメカニックはいますが、技術と技能が我流になり、残念ながらある程度の物しか直せません。アテナタウンには工科学校があると聞いています。あなた達なら或いは……二機の所まで案内を出しましょう」
相当な期待をアマテラスは二人に寄せているようだ。トウジはご先祖様の時代の英雄とも言えるアンドロイドと、出会えることに胸を踊らせていた。




