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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ


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第9話 謎のクラブが誕生 その1

いつもお読みいただきありがとうございます!

 俺は、美那子みなこと一緒に、華恋かれんの家の前にやってきた。


「ピンポーン」


 美那子は、白原家のインターホンを押した。


「……」


 しかし、応答はなかった。

 俺は家の様子を見たが、1階のカーテンは閉まっており、華恋の部屋のカーテンも閉まったままであった。


「留守なのかな?」


「そういえば、母さんが『華恋のおばさんは、夜までスーパーで働いてる』って、前に言っていたような……」


「そっか……華恋もどこか、寄り道してるのかもね」


 せっかく華恋の家まで来たのに無駄足になってしまった。

 まぁ、俺にとっては帰路なので、全く問題はないのだが……。


「じゃあ、優作の家でいいかな?」


「は? 俺の家に上がるつもり?」


「そうだけど……。まさか、えっちなこと考えてる?」


「そ、そんな馬鹿なことあるかよ!」


 美那子は、上目遣いで俺をからかってくる。

 彼女も、華恋とは別の可愛さはある。

 髪はセミロングのポニーテール。

 身長は俺より低いが、華恋よりは少し高い。

 そして、一番の特徴は……出るところが出ていることだ。


「それならいいじゃん! 話したいこともあるって言ったでしょ? 気にならないの?」


「そ、それは気になるけど……」


 俺が曖昧な返事をすると、美那子からの無言の圧を感じた。


 俺は少し悩んだが、大きなため息をつき――。


「わかったよ……。その前に部屋を片付けるから、ちょっとリビングで待っててくれ」


「はーい! ありがとう! 優作!」


 美那子は、笑顔で答えた。


 ◇


 俺は、美那子を家に招き入れ、慌てて部屋の掃除をした。

 新生活ということもあり、部屋には教科書や本やゲームが散らばっていた。


「ガチャ」


 俺が部屋の掃除を終え、リビングに向かおうとした時、家の玄関の扉が開く音が聞こえた。


「……!」


 だ、誰か帰ってきたか?

 この時間に帰ってくるのは、お姉ちゃんだと思う。


 俺は階段を降りてリビングに入った。


 するとそこでは……。


「あらー! 美那子ちゃんじゃない。久しぶりだねー!」


香澄かすみさん、お久しぶりです」


「なんで、リビングにいるのー? まさか、優作と付き合ってたりするの?」


「いえいえ、ちょっと相談があって、お邪魔してるだけですよ」


「そうだよねー、優作にこんな可愛い彼女ができるわけないよねー」


 そう言うとお姉ちゃんは、持っていた荷物をソファーの上に置き、俺の方をチラッと見ながら笑っていた。


 何故か、馬鹿にされている気がする。

 美那子が話があると言っていたから、家に招き入れただけなのに……。


「み、美那子……いいから、部屋に案内するよ」


「はーい」


 美那子は返事をすると、お姉ちゃんに手を振った。


「バタン」

 

 俺は、美那子を自分の部屋に招いた。

 さっき慌てて掃除をしたため、散らかっていた本などは押し入れに詰め込んだのだ。


「へぇー、これが優作の部屋か、懐かしいね」


「懐かしいって、部屋に来たことあったっけ」


「小学生の時に、華恋と遊びに来たじゃん! ほら、この机の裏にシールが貼ってある! これ私が貼ったやつだよ」


「えっ?」


 膝をついて机の裏を確認すると……。


 ――こんなところにシールが……美那子が貼ったやつだったのか。


 そこには、俺が全く知らない『魔法使いマナキュア』のシールが貼ってあった。

 そういえば、前に気づいて、誰が貼ったのか考えたことがあった。


「勝手にシール貼るなよな……」


「私、シール集めるの好きなんだよ。今は、ぷっくりしているシールを集めるのが趣味なんだ」


 美那子は、自分の鞄からシール帳を取り出した。

 あぁ、今巷で人気で、全く売ってないとの噂の『ぷっくりシール』か。


「うわ、懐かしい! このキャラクター、俺昔好きだった!」


「だよねー! 優作、ぬいぐるみ持ってたよね」


 俺が指を差して懐かしさに浸っていたのは、白い猫の二頭身のキャラクターで、昔は俺もぬいぐるみやキーホルダーを何個も持っていたやつだ。


「いやー、実物を見ると可愛いもんだね。世の人たちがハマる理由がわかるよ」


「でしょー! このシールなんかもプレミアついてたり……」


「……って! そうじゃなくて、話って何なの?」


「あ、あぁ……ついつい、夢中になっちゃったよ」


 俺たちは、本来の目的を見失うところであった。

 美那子は、慌ててシール帳を鞄にしまうと、代わりに携帯を取り出した。


「じ、実はさ……」


「実は……何?」


 美那子は、俺に右手を差し出し「待て!」とサインを出した。

 俺は犬ではないと思いながらも、大人しく言われた通りに待つことにした。


「これを見て欲しいんだけど」


 美那子が携帯をいじり、ある画面を見せてきた。


「な、なになに――『華恋ファンクラブ』? 何これ……」


「友達の『マイスタ』をフォローしようと学校名と華恋の名前で検索したら、一番上にこのアカウントが出てきたの」


「ファンクラブ?」


 『マイスタ』とは、SNSのアプリである。

 利用者は、国民の5人に1人。

 この日本には、欠かせないアプリとなっている。


 俺も、入学3日前にインストールをしたわけだが……。



「あれぇ? 優作さん? とぼけるんですか?」


「と、ぼ、け、る?」


 とぼけると言っても、全く思い当たる節がない。

 というのも、『華恋ファンクラブ』を知ったのは、今なのだから。


「これを見て!」


 美那子は、そのアカウントのユーザー名を見せてきた。


『M.Yuu-FunKaren』


 ――?


 このユーザー名がなんだというのか。


「……! これって!」


「気づいた? ユーザー名が、緑ヶ丘のMと優作のYuuになっているの!」


 な、何故俺のイニシャルを使っているのか。

 今の俺には、その真相を知るよしもなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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