第65話 まさかの結末?
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俺たちは、迫水先輩率いる2年2組に、チームワークで勝利することができた。
一時はどうなるかと思ったが、自分たちの力を信じて良かった……。
その試合が終わると、次に女子バレーボールチームの登場だ。
「優作くん! 私の活躍見ていてね!」
「い、いや! 私の方が活躍して見せるから」
コートに入る前に、館山さんの宣言に対し、頬を膨らませながら対抗する華恋。
「ふ、2人とも、気を抜かずにね……」
そうアドバイスを送ると、2人は「うん」と頷いた。
すでにコートに入っている天音さんの方に視線を向けると……。
何か「ブツブツ」とネットに向かって話している。
天音さんは、完全に集中モードだ。
相手は、同じ1年生の6組だった。
「同じ1年生として、負けられない」
「そ、そうね!」
館山さんと華恋も、小さくこぶしを握り、再度気合を入れ直したが……。
◇
「ピーッ」
試合が終わる笛が鳴り響いた。
結果としては、惨敗という形になってしまった。
華恋もしっかりレシーブして、ボールを繋げたりしたが、6組がそれを上回った。
精いっぱい戦った末の結果だ……。
「お疲れ様……!」
「ま、負けちゃった……」
俺が華恋に一声かけると、彼女は悔しそうな表情を浮かべた。
「華恋、落ち込む必要はないよ?」
「そうですよ。私たちは、精いっぱい戦いました!」
館山さんと天音さんが、華恋の背中をポンっと叩いた。
その励ましに、小さくコクリと頷く華恋。
「私が、もうちょっと上手だったら……」
「華恋は、よく頑張ったよ! 最初よりもレシーブは上手くなっているし、サーブも決まるようになったじゃん!」
「で、でも……」
「球技祭! 楽しかったでしょ?」
「そ、それはそうだけど……」
「もう! そんなに落ち込むな! 球技祭なんだから、楽しかったならそれでいいんだよ!」
館山さんは、必死に華恋を励ます。
すると……。
「ほら、優作くんも、華恋に何か一言ないの?」
「えぇ? お疲れ様……とは言ったけど……」
「それだけじゃなくてさぁ~。わからないかな~」
この試合を見ていたが、華恋は見違えるほど成長を遂げていた。
みんなの視線も気になる中、精いっぱいのプレーを見せてくれた。
「華恋! バレー上手になったな……俺も力を貰えたよ!」
「ゆ、優作……」
俺の一言もあったのか、うつ向いていた華恋の顔が少し上がった。
その顔を見ると、目は涙で溢れそうになっていた。
「えぇ! 華恋泣いているの? なんで!」
「な、なんでって……本気でやっていたからだよ!」
「そんな、泣かないでよ……クスッ」
「優作? 今笑ったね?」
正直、ここまで真剣にバレーボールをやってくれた華恋の姿勢が嬉しかった。
同時に、悔しさで涙が溢れてくる華恋の負けず嫌いさに、思わず笑ってしまった。
「私はね? 男子と女子でバレーボール優勝を目指していたの! だから、尚更ショックで……」
「そ、そっか……笑ってごめん」
優勝するという目標を掲げていた華恋を笑うのは悪かったと猛省した。
「俺たちの次の相手、1年6組らしいから、性別は違っても、必ずリベンジしてみせるよ!」
「あっそう……」
拗ねてしまった華恋の反応が薄い……。
せめて、俺たち男子バレーボールが優勝しないと、華恋の機嫌は戻らないかもしれない。
そんな危機感を持ちながら、俺たちは午前最後のメインイベントの決勝戦を迎えた。
しかし、俺たちは思ってもいなかった。
この後の男子バレーボールの決勝戦。
奇しくも、相手は1年6組の男子たち。
俺たちは、直前の準決勝での疲労がここで一気に爆発してしまい、ボッコボコに負けることとなるとは。
「ピーッ」
スコアボードには『10対15』、セットカウント『0対2』
ものの見事なストレート負けだった。
試合終了の笛が鳴り響き、応援席にいる華恋の姿に目を向けると……。
華恋は目を細めて、俺の方に冷たい視線を送っている。
—―こ、これは、話しかけたら何か言われそう……。
俺は、試合終了の挨拶を終えて、応援席の方に向かうと……。
「ゆ、優作……」
「は、はい……」
「涙出てきそう?」
「えっ?」
予想もしなかった華恋の一言。
しかし、その言葉の意味がすぐに分かった。
—―ここで、泣いていなかったら、俺は真剣にやっていなかったと思われるのでは?
華恋は、真剣にバレーボールに取り組んで、涙が出てきた。
そして、俺も同じぐらい真剣にやっていたつもりだったが、涙は出ていない。
「な、涙は出てこないです……」
「……」
無言で、ジト目で睨みつけてくる華恋……。
疲れだなんて、言い訳はしたくない……。
だが、明らかに準決勝の時よりも、皆の足取りが重かったのは確かだ。
「そっかぁ~。優作は、涙が出てこないんだ~」
「え?」
華恋は、目は笑っていない笑顔を見せながら、ウンウンと頷いている。
「ということは、私の仇を取るって言ったのに負けちゃった上、悔し涙すら出ないくらい、本気じゃなかったってことかな~?」
「ほ、本気で取り組みました……しかし、涙が出ていないので、弁解する余地はありません……。ただ、仇をとれなかったことだけは、本当に悔しい……」
「ふぅーん?」
じりじりと詰め寄ってくる華恋の圧は凄かった。
「まぁいいわ、これで優作との約束もなくなったわけだし、昼ご飯を食べに教室に戻りましょう!」
「は、はい……」
そういうと、華恋はさっさと教室に戻っていった。
「優作くん……お疲れさま」
館山さんは、そっと俺の肩をポンポンと叩いた。
「励まさないでくれ……」
こうして、俺たち、バレーボール組の球技祭は終わったのだった。
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