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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第3章 学校生活編①

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第62話 因縁の戦い開始!

いつもお読みいただきありがとうございます!

 俺たち男子バレーボール組は、生徒で賑わう体育館へ向かった。

 体育館に近づく度に、人だかりと声量が大きくなっていく。


「優作、見て?」


「ん? ……あっ!」


 華恋かれんが、体育館入り口の反対方向に指を差したので、そちらに目を向けると……。

 ガタイの良い男が、学校の雰囲気にそぐわない横柄な態度で歩いている。

 紛れもなく、迫水先輩だ。


「何? あの男……ヤンキー気取りなの?」


「えぇ、華恋? 突然何を言っているの?」


 華恋は、迫水先輩の態度を見て、イライラを隠せない模様。

 彼女はジロジロと見ながら、少し鼻息を荒くしている。


 華恋は、迫水先輩の顔までは知らないはずだ。

 それなのに、迫水先輩の態度に苛立ちを隠せないのは、すごい直感ちょっかんだ……。

 いや、それだけ俺のために本気で怒ってくれている証拠なのかもしれない。


「まぁ、無視だよ! 見ちゃ駄目!」


 宮くんが、街中に現れた変質者を見ないように注意するお母さんのようなことを言っている。


「確かに、ジロジロ見ない方がいいわよね……」


 そう、見ない方がよい。

 もう少し早く気づいてほしかった。


 俺が、チラッと迫水先輩の方を見ると、こちらに不敵な笑みを浮かべながら、体育館へ入って行った。


 華恋の美少女オーラを感じ取って、こちらに気づいたのだろう。

 あの先輩の態度も悪目立ちするが、華恋の唯一無二の美少女オーラも周りの視線を否応いやおうなしに集めてしまう。


 俺たちは、体育館に入り、バレーボールのコートへ向かった。

 そこには、迫水先輩たちが既にいた。


「あれ? 優作……。さっきの先輩じゃん!」


「そうだよ! 華恋よくわかったね」


 俺が、あの男が迫水先輩だと伝えると、華恋は鋭い目で睨んでいた。

 その視線に気づいたのか、迫水先輩は、おちょくる顔で「怖い怖い」とボソッと呟いた。


 ――完全に舐め腐っている……。


 ◇


「ピィィーッ!」


 ついに、因縁の準決勝の幕が上がった。

 コートの反対にいるのは、さっきまで迫水先輩と一緒に歩いていた男たち。

 そして、ボールを持ちながら、サーブを打つ準備をしている迫水先輩。


 笛の音と共に、先輩はサーブを打ってきた。


「ドォン!」


 迫水先輩のサーブは、意外にも滞空時間の長いアンダーサーブだった。

 そして、そのボールの着地地点は、宮くんのポジションだった。


「宮くん!」


 宮くんは、朝もレシーブの練習をした。


 ――練習の成果を見せてくれ!


「ボトッ……」


 素早く落下地点に入った宮くんだったが、ボールはポトリとコートに落ちてしまった。


「惜しい! いい感じだったよ!」


「あ、ありがとう!」


 練習をしたと言えど、1回目からは上手くいかない。


 次に上げることが出来ればよい……。

 俺は、そんな風に考えていたが……。


「ピーッ!」


「ドォン!」


 笛が鳴ると同時に、迫水先輩は再びアンダーサーブを打ってきた。

 そして、そのサーブも偶然なのか、宮くんのポジションにボールが襲い掛かる。


「今度こそ!」


 気合の入った宮くんは、今回も素早くボールの落下地点に入るが……。


「ボトッ……」


「……あっ!」


 またしても、レシーブを失敗してしまった宮くん。

 先ほどよりも、上手く落下地点に入れたと思ったが、迫水先輩はサーブの高さを変えてきており、ボールの落下による勢いも加わって、上手くレシーブ出来なかった。


「宮くん? 必要だったら俺がカバーするよ!」


「も、もう1回チャレンジさせて!」


 宮くんは、なんとしてもレシーブを成功させたいようだ。

 その心意気は買いたい。


 しかし、偶然にも宮くんにサーブが続くのか……。


 ――何か、嫌な予感が漂ってくる。


 その不安は、すぐに的中することとなる。

 迫水先輩は、次のサーブも宮くんにアンダーサーブを打ってきた。

 そして、その球も巧みに高さを変えて、宮くんを翻弄ほんろうしてきた。


 ――なんて、大人げない……。


 俺は、卑劣ひれつな迫水先輩の戦い方に、いきどおりを感じていた。


 スコアボードは『5対0』。

 1組の5点ビハインド。


「宮くんごめん、俺がカバーするから、アタックの準備して!」


「わ、分かった……」


 宮くんの周りには、珈琲よりも真っ黒な空気が漂っていた。


「ピーッ!」


「ドォン」


 迫水先輩の打ってきたサーブを、俺は難なく返し、その後の攻撃に繋げた。

 しかし、その後も迫水先輩率いる2年2組の不慣れなメンバーたちも、素人なりに、山なりの緩い球でも、宮くんや他のクラスメイトを狙っているように見えた。


 迫水先輩は、俺たちの試合を前日見ていた。

 きっと、唐島くんもバレーボールが上手いことに気づいたのだろう。


「まかせて!」


「カバーする!」


 俺と唐島くんで、他の4人を必死にカバーした。

 とにかく相手にボールを返せば、ミスが生まれる。


 必死に繋ぎ、なんとか『14対12』まで、怒涛の追い上げを見せた。

 しかし、サーブ権は再び、迫水先輩の元へ。


「ピーッ!」


「ちょこまかと鬱陶しい!」


 先ほどまでとは違い、ボールを高く上げた迫水先輩は、痛烈なサーブを打ってきた。

 大人げないそのサーブに反応できず、自陣コート内に着弾。

 迫水先輩のサービスエースで、15点目を取られてしまった。


「あ、あんなの取れないよ……」


「うん、仕方がない! 切り替えよう!」


 落胆する宮くんやクラスメイトに対して、手を叩きながら「切り替えよう」と励ました。


 第1セットは取られてしまったが、俺は、この状況を打破できる作戦を思いついていた。


「皆、聞いてほしいんだけど……」


 俺は、落胆しているクラスメイトを集めて、作戦会議を開いたのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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