表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第3章 学校生活編①

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/62

第53話 華恋のピンチ

いつもお読みいただきありがとうございます!

 9時……。


 体育館に全生徒が集まり、開会式が行われた。


 そして、その開会式を終えた俺たちは、一旦クラスに戻っていた。


「俺たちは、10時からだから、どこの応援に行こうか……」


 ふと、華恋かれんの近くにいたクラスメイトが話していた。


「じゃあ、私たちは、9時半から1回戦始まるから、応援よろしくね」


「はい! 白原さん! 応援に行きます」

        

 俺たちの出場の前に、女子バレーボール組の1回戦が組まれていた。

 華恋は、そのクラスメイトに「私たちの応援よろしくね」と声を掛けていた。

 その声掛けは連鎖するかのように広がり、華恋は天音あまねさんや館山さんも含めた数人の団体を連れて、教室の前の扉から体育館へ向かった。


 その際、華恋は俺にアイコンタクトを送り、俺は「優作も応援に来なさい」と言う視線をしっかりと受け取った。


「流石、白原さんだな……」


「た、確かに……団結力が違うね」


 いつもの席で話していた俺と西川は、華恋のカリスマ性に感心していた。


「じゃあ、俺たちも応援に行きたいところだけど、10時から試合だから、グラウンドに行くわ」


 ソフトボール組は、初戦に負けてしまうと、俺もそうだが、華恋や本命の館山さんも応援に来れない。

 何故なら、9時半から10時半は、体育館で男女のバレーボールの試合が組まれているからだ。


「そっか、次会うときは「勝ったよ」と報告できるといいな」


「そうだな、お互いに頑張ろう」


 クラスメイトからの応援を貰うためには、初戦は絶対に勝たないといけない。

 俺と西川は、改めて互いの健闘を祈った。


「僕も、悟くんが活躍できるように、頑張りますね」


「あ、あぁ~ありがとう!」


 大和は、完全に『西川サポートモード』になっている。

 とにかく、館山さんの前で西川が活躍できる場が出来ることを祈った。


 ◇


 俺は、宮くんや唐島くんたちと、クラスを後にして体育館に移動をした。


「わぁぁぁー!」


「ピー!」


 体育館は、沢山の生徒の歓声と笛の音で溢れていた。


「宮くんのトイレが長かったから、もう試合が始まっちゃってるよ」


「そんなこと言っても、仕方ないだろ?」


 唐島くんが宮くんの長いトイレを指摘していた。


「いたいた……あっちだ、喧嘩していないで行くぞー!」


 俺は、言い争いをしている二人の背中を押し、華恋たちがいるコートへ向かった。

 体育館は四つのコートに分かれており、バレーボールとバスケットボールで二つのコートずつ使われている。


 コートに近づくと、そこには白熱した試合を繰り広げている華恋たちの姿があった。


「葵、お願い!」


「任せて! えい!」


 華恋の上手いレシーブから、館山さんがアタックで相手コートにボールを叩き込んだ。

 しかし、相手クラスもなかなかの強敵で、粘り強くボールを繋いでくる。


 得点は、『14対14』のデュースだった。

 この球技祭のルールは、2セット先取の15点マッチ。

 

 とにかく、最初のセットを取りたい……。

 俺たち、1組のクラスメイト達は、そう願っていた。


 そして、相手が何とか繋いだボールがこちらのコートに返ってきた。

 ふわりとした返球……俗に言うチャンスボールというやつだ。


「任せて……っ、きゃっ!」


 華恋のファーストタッチは、変な方向に逸れていった。


 —―まずい!


 このままでは、ボールが拾えずに相手の得点になってしまう……!

 そう思っていると……。


「任せてください!」


 夏川さんが、何とかボールを拾い上げる。

 そのボールは、ネットギリギリに上がる、まさしく理想的なトスだった。


 そして、そのボールに反応したのが……。


「おりゃぁ!」


 力強い声が、コートの奥から聞こえてきた。

 声の主は、天音さんだった。


 天音さんの経験者らしいアタックが、相手のコートに突き刺さった。


 天音さんのアタックで『15対14』とリードした。


 —―あと1点!


 天音さんの活発な動きが、チームに勢いをつけていた。

 彼女自身も、あまりアタックとかは打たないようにすると、試合前に言っていたが、体が反応してしまったのだろう。


 そして、天音さんのサーブ……。


「おりゃぁぁ!」


 天音さんが力強く放ったサーブは、ネットに引っ掛かり、相手のコートへポトリと落ち、1セット目を先取した。


「やった!」


 天音さんのサービスエースで、盛り上がる1年1組のクラスメイト達。

 ここだけ切り取ったら、天音さんが躍動やくどうしていることだけが伝わってくる。


「白原さん……大丈夫かな?」


「ん? かれ……白原がどうしたの?」


 別クラスの同級生と思われる男子たちが、やけに白原さんを心配している声が耳に入ってきた。


「白原さん……あまり、上手くレシーブとか出来ていないんだよ」


「そ、そうなのか……教えてくれてありがとう」


 確かに、華恋が心なしか元気がないように見える。

 

 無理もない……。

 学校の球技祭とはいえど、沢山人がいる。

 そして、華恋はあまりバレーボールは上手ではない。


 それでも、皆に心配をかけないように、必死に引きつった笑顔を作って、声出しを欠かさずに行っている。


 『みんなが憧れる女の子』でいるために、無理をしているようにしか見えなかった。


 そんな心配をよそに、第2セットが始まった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】から評価やブックマーク、感想などをいただけると、執筆の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ