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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第3章 学校生活編①

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第52話 ついに開幕!

いつもお読みいただきありがとうございます!

 俺と華恋かれんは、いつもよりも若干遅く、学校に着いた。

 二人の中には、気まずい空気が流れていた。


 俺は、片足立ちで、下駄箱で上履きに履き替えていた。


 すると……。


「おはよー、華恋! 優作くん!」


 ――バシッ!


「おはよう、あおい!」


「痛って……びっくりした……」


 館山さんは、俺の背中をバシッと叩いた。

 そして、俺が「痛い」と彼女に訴えようとしたが……。


「華恋、髪型変えたんだねー! そのヘアバンド似合っているよ?」


「えぇ~? ありがとう」


 館山さんは、華恋の髪型に興味津々だった。


「急に前髪あげちゃって、どうしたの?」


「今日は球技祭だからね! 髪が邪魔になっちゃうと思って!」


 俺がそばにいるにも関わらず、二人は二人だけの世界に入っていった。

 二人の女子トークに、全く入る隙はない……。


「全く……」


 俺は、ボソッと心の声を漏らした。


 ――朝のドキドキはどこへやら……。


 二人の後をこっそりついていくように、俺はトコトコと教室に入った。


 そして、席に着くと、既にジャージに着替えてやる気満々の大和と西川が、西川の席で喋っていた。


「おはよー優作! 今日は球技祭だな」


「おはようございます。優作先生! 頑張りましょう!」


「あぁ~おはよー。が、頑張ろう!」


 俺は、小さく頷きながら返事を返した。

 二人は既に、部活の朝練で汗を流しているからか、テンションが無駄に高い。


「今日の試合何時からだっけ?」


「俺たちは、10時だったかな?」


「そっかぁ、それなら俺たちと一緒だな」


 俺が出場するバレーボール、そして、西川と大和が出場するソフトボールは、第一試合が同じ時間から始まるようだ。


「なぁ、優作……二つ気になることがあるんだが」


「二つも? どうした?」


 西川の気になることとはなんなのか。

 少し眉間にシワを寄せ、真剣な表情になった。


「迫水先輩とは、いつ当たるんだ?」


「あぁ、お互いに勝ち進めば、明日の準決勝かな?」


 俺は、昨日作成されたトーナメント表を確認した。

 そして、一番の宿敵である迫水先輩率いる二年二組とは、順当に進めば明日当たる計算だ。


 それまでは、絶対に負けるわけにはいかない。


 いや、寧ろ俺たちと当たる前に向こうが負けるなよ?

 自分でも驚くくらい、挑戦的な思考になっている。


「それなら、明日がメイン試合になりそうだね」


「ま、まぁ他のクラスがどれほど実力あるかわからないからね。それは、どの球技もそうだろうけど」


 どんなクラスでも、油断はしない。

 ひょっとしたら、バレーボール経験者がいるかもしれない。

 いるといないで、やはり大きく変わってくる。


 なるべく、経験者いないでくれよ……と、元バレーボール経験者の俺が実に都合の良いことを思っている。


「ソフトボールの方はどんなんだ? 勝てそうか?」


「いやぁーソフトボール楽しいですよ!」


「大和? 楽しいのはわかるんだけど……」


「はい! 特にバッティングが楽しいです」


 俺は、勝てそうか聞いたつもりだったんだけどな……。

 勝てるか勝てないかについては言及しないということは、自信はあまりないのか。


「優作がこないだピッチングの練習付き合ってくれてたらなぁ」


「いやいや、だからソフトボールが得意な姉ちゃんに聞こうとしたじゃん……それなのに、今の気になっている人に見栄を張りたいからって……」


「そ、それ以上は言うな!」


 俺の話を遮るかのように、西川は大きな声で被せてきた。

 流石に今のは意地悪が過ぎたか。


「本人に聞こえたらどうするんだ?」


「いやー悪い悪い」


 西川は、華恋たちと談笑している館山さんの方をチラッと見た。

 その視線でバレちゃうんじゃないか……と思った。


 それにしても、普段あまり見ないからか、焦る西川は面白い。


 俺は、ふと大和の方に視線を向けた。

 すると、彼は笑顔で俺たちの会話を聞いていた。


「悟くん、良いところ見せられると良いですね!」


「え!? そ、そうだな……」


 大和の一言に、照れ隠しのように頭を掻きながら返事をする西川。

 どうやら、大和には館山さんが気になっていることを話しているようだ。


 俺は、華恋にいいところを見せる。

 そして、西川は、館山さんに良いところを見せる。


 ――お互いに、頑張ろうな!


 本人には言わないが、俺は西川を小さく激励した。


「ピーンポーンパーンポーン」


「あ、ホームルームが始まるぞ」


 クラスメイトが慌てて、席に着く。

 間もなく、桃井先生が教室へ入ってきた。


「はぁーい。みんなおはよぉー!」


「おはようございます」


 桃井先生のゆるーい挨拶がクラス内に響いた。


「今日から、ついに球技祭が始まるよぉ〜。みんな、怪我しないようにしっかりと準備体操をしてねぇ」


「はーい!」


 桃井先生の言葉通り、しっかりと準備体操をしよう……。


 怪我をするわけにはいかないからね。

 ……絶対に。


 ――俺は、何を考えているんだ?


 これじゃあ、まるでこれから怪我をするみたいじゃないかと、自分で自分にツッコミを入れた。


「じゃあ、みんな時間に遅れないように。空き時間は、クラスメイトの応援をすることも忘れないようにねぇ」


「はーい!」


 こうして、俺たちの球技祭一日目が始まった。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


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