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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第3章 学校生活編①

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第49話 頼れる友達 

いつもお読みいただきありがとうございます!

 球技祭まで、1週間……。


 俺は、クラスメイトには、迫水先輩との因縁は話さず、体育の時間には、ひたすらバレーボールの練習をしていた。


「優作、本当にお前は、スパイク打たないのか?」


「……俺は、打たないかな?」


 宮くんは、俺がスパイクを打たないことに疑念を抱いていた。


「なんで打たないの?」


「それは、やっぱり威力が変わってきちゃうと思うんだよ。不慣れなレシーブで怪我とかさせたくないでしょ?」

 しかし、理由は簡単だ。

 もし、俺がスパイクを打ってしまったら、きっと簡単に勝ててしまう。

 これは、慢心とかではなく、せめてもの経験者としての遠慮というやつだ。

 力を抜いて打つことは出来るが、極力そんなことはしたくはない。


「俺が、みんなをサポートするから、暴れてくれー!」


「お、おう!」


 最初よりも、みんなレシーブやスパイクなどが、上手くなってきている。

 もちろん、完璧……とは言えないが、しっかりとボールが上がり、試合になるぐらいまで上達している。


 ――これなら、いいところまで行けるかもしれない!


 そんな手応えも感じていた。


「おーい! 優作!」


「優作くん!」


 そんな時、宮くんと唐島くんに呼び止められた。

 二人は、いつもより眉間にシワがよっていた。

 

「ど、どうしたの? 二人とも……怖い顔して」


「優作……お前、なんで俺たちに黙っていたんだよ!」


 宮くんが俺の肩をガシッと掴んできた。


「か、隠していた……? 一体何を……?」


「中学の時に、迫水先輩という外道げどうに大怪我を負わされて、理不尽にバレーボールを辞めなきゃいけなくなったことだろ?」


「そうだよ! 水くさいよ……俺たち、せっかく友達になったのに」


「えっ……?」


 何故、そのことを二人が知っているんだ?

 迫水先輩との因縁を知っているのは、幼馴染の華恋かれん美那子みなこ、そして、同じ中学だった西川ぐらいのはず……。


「白原さんから聞いたんだ。『優作のために、力を貸してあげてほしい』って」


 唐島くんが真剣な眼差しでそう告げた。


「えっ……華恋が?」


 俺は、クラスの女子達とバレーボールの練習をしている華恋の方を向いた。

 俺の視線に気づいた華恋は、ニコッと微笑んだ後、ペロッと小さく舌を出して『二人に私の思いは託したぜ』と言わんばかりのドヤ顔を見せた。


 ――いや、なんだそのドヤ顔は……。


 だが、俺のために裏でこっそりと動いてくれたこと……彼女の不器用なお節介は、俺の胸に響いた。


「本当は、他の男の話をしている白原さんの願いなど、叶えたくはないが……。他ならぬ、優作のピンチだ。俺たちが力を貸してやるよ」


 宮くんは、俺の胸に手を当てた。

 

 ――何だよ……その気合の入れ方は……。


 そこは、ビシッと背中を叩くとかではないのか?


「俺も、ちょっとだけなら、小学校の時に、バレーボールの経験はあるから、過度な期待はしてほしくはないけど、力になれるように頑張るね」


 そうか……唐島くんは、ちょっと経験があるって言っていたっけ。


「ありがとう……二人とも」


 何よりも、俺のために、二人がここまでやる気を出してくれたことが、嬉しかった。


「か、勘違いするなよ?」


「え?」


「俺は、白原さんにお願いされたから、力を貸すんだ……。その相手が、優作じゃなかったら、力は貸していないからな?」


 なんだ、このツンデレみたいな回答は……。

 俺が、思わず笑みがこぼれそうになっていると、唐島くんが横から呆れたように口を開いた。


「何を言っているの? そんなツンデレみたいなこと言って」


「はっ? この野郎……誰が、ツンデレだって?」


「いや、今のはツンデレでしょ……」


「野郎……待て! 待てって言っているだろう!」


 唐島くんが走って逃げると、それを宮くんが追いかけていた。

 素直じゃない宮くんと、それに気づいた唐島くん。


 二人の意外な一面に、今日俺は気づいた。


 そして、協力してくれる二人や、俺のために頭を下げて過去を打ち明けてくれた華恋のためにも、球技祭で迫水先輩に勝てるように、全力で取り組むことを改めて誓った。


 二人の追いかけっこを、兄弟喧嘩を見守る父さんのように見ていると、宮くんが突然止まった。


 宮くんの口が、パクパクと動いた気がした。


 彼は、俺に向かって何かを呟いた。

 そこそこの距離があり、何を喋っていたかは、はっきりとは聞き取れなかった。


「何……?」


 と、向こうに聞こえるように質問をするが……。

 返ってきたのは、ニコッとした彼の笑顔のみだった。


 ――なんだ……?


 彼の含みのある笑顔が、脳裏に焼き付いたのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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