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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第3章 学校生活編①

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第47話 些細な変化に気づく男子はモテるのだろう

いつもお読みいただきありがとうございます!

 華恋かれんに球技祭で活躍を誓った翌日。


「やっぱり、俺の好きな人、白原さんにバレた気がするんだよ」


「えー? 本当か?」


 お昼休みで賑わう教室にはそぐわない大声量で、一緒に食事をしていた西川から言われた。

 ただの恋愛相談か……と最初は思ったが、西川の目は明らかに俺を疑う視線となっていた。


「先に言っておくけど、俺は華恋に告げ口はしてないからな?」


「そんなこと言って、幼馴染だからって言ったんじゃないのか?」


 そう詰めてくる西川。


 当然、西川の好きな人のことなど誰にも言っていない。

 それよりも、昨日俺は過去の話を華恋に伝えたばかりだ。


 そして、華恋にかっこいい姿を見せようと張り切っているところだ。


「えぇ? お前じゃないって言うなら、じゃあ誰が喋ったっていうんだよ……。見てみろ……白原さんがあんなにニヤニヤ視線を送ってくるんだぞ?」


「いやー俺じゃないよ。お前が館山さんのことを目で追いすぎているんじゃないか?」


「目でなんて追ってないよ? 今日はいつもと髪型が違うなって……」


「なに? 髪型がどうしたの?」


「はぁ!」


 突如、俺たちの背後から柑橘かんきつ系の香りとともに、聞きなれた声が降ってきた。

 俺と西川が恐る恐る振り返ると、お弁当箱を持った華恋と館山さん、そして天音あまねさんの三人が立っていた。


「西川くん? 髪型がどうしたって?」


 館山さんが、不思議そうに首を傾げながら西川の顔を覗き込んだ。


 俺は、西川から『髪型が違う』という言葉を聞き、館山さんの髪型をチラッと見た。


 ――今日の彼女は……髪型違うか?


 俺は、館山さんの髪型の変化に全く気付くことが出来なかった。


「そ、そう……優作の髪型だよ! いつも寝癖が凄いけど、今日は格段に寝癖が付いているなって!」


「はぁ? 俺はちゃんと、毎朝寝癖は直しているぞ?」


 そうだ、俺はちゃんと毎朝早く起きて、癖っ毛と格闘している。

 中学の時など、多少寝癖がついていてもいいか……と思っていたが、今はちゃんと髪の毛をかしている。


「そうかな? 私には、全く分からないんだけど……」


 館山さんは、目を細めて俺の髪をじろじろと見てくる。


「私にも、わかりませんね……」


 それに便乗するかのように、天音さんも俺の髪を覗き込んでくる。


 —―なんだ、この不思議な感じは……。


 二人の同級生が、俺の髪をじろじろと見ている不思議な光景。

 ふと、華恋を見ると……。


「確かに……いつもより、髪の毛が跳ねている気がしなくもない……」


 一人で俺の髪型を分析していた。


「お、俺の髪型は、もういいから! そんなにじろじろと覗き込まないで……」


 俺は、頭を両手で全力で隠した。

 いつもとは違う恥ずかしさを感じた。


「あ、そう! 髪型と言えば、私のヘアゴムを少し変えたんだー!」


「ヘアゴム?」


「そう! だから、いつも下ろしている髪をまとめてみたんだ!」


 館山さんは、普段下ろしている髪をサイドで軽くまとめていたらしい。

 そう言われると、確かに多少の違和感を覚える。


 ――やばい、館山さんの変化には全く気付いていなかった……!


「ゆ、優作くん? そのリアクションは、私の髪型が違うことに気づいていなかったよね?」


「へっ……! そ、そんなわけないでしょ?」


「本当かな?」


 館山さんは、俺の顔をジロっと睨みつけてくる。

 本人に気づいていなかったなんて、とても言えない……。


「ゆ、優作が気づくわけないよ?」


「か、華恋?」


「優作は、小学校の時も、私が髪を切っても気づかないし、高校になっても気づいていないんだから……」


「そ、それは……」


 華恋の変化に気づいていないわけがない。

 髪を切ったこと、柔軟剤が変わったこと、携帯のケースが変わったこと……など、小さな変化は、小学生のころから気づいている。


 ――まて? 柔軟剤が変わったことに気づいているのは、行き過ぎているか?


 いや、そんなことはない。

 西川もそうだが、気になっている人の些細ささいな変化は、その日のトピックになる。


「ちゃんと、気づいてるよ……わざわざ言わないだけで……」


「えっ……」


 俺の言葉に、華恋は一瞬だけ目を丸くして言葉を詰まらせた。


「言わないだけ? それなら、私がいつ髪を切ったか、当ててみなさいよ」


「それは……」


「やっぱり、分からないのかな?」


 先週と今週で、髪型に大きな変化はないが、ボリュームは収まっている。

 そのため、先週末の土日に切ったことは、分かっている。


「せ、せんしゅう……」


「なに? 聞こえないんだけど?」


「先週末!」


 俺は、目線を逸らしながら、壁に向かって答えを言った。


「は! せ、正解なんだけど……」


「流石ですね。緑ヶ丘さん」


 俺が正解を言ったことを華恋は驚き、天音さんも感心していた。


「異議ありだよ! 優作くん?」


「い、異議あり?」


 館山さんは、俺の回答に異議を唱えた。


 ――ここは、裁判所なのか?

 

 俺は、何に異議を唱えられるか、何となく予想できる。

 何故なら、『いつ髪を切ったかわかる?』の質問の答えは、大体先週末になることが多いと思ったからだ。


 俺は、華恋が髪を切ったことは、すぐに分かった。

 しかし、きっと館山さんは、俺が勘で当てたと思っているのだろう。


「異議は認めない!」


 ほかの質問をされたら、答えるしかない状況になってしまう。

 ここは力押しで、館山さんに勝って見せる……!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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