第38話 運命の中間考査
いつもお読みいただきありがとうございます!
俺たちは、不安だった中間考査を終えた。
テスト前は不安でいっぱいだったが、想定以上に解ける問題が多くあった。
特に英語の問題など、いつもは単語のテストや記号問題で赤点をなんとか回避するのが精いっぱいだった。
しかし、今回は華恋の指導もあって、翻訳問題なども解くことが出来た。
華恋の方も、苦手科目の前には胃をさすって緊張を解こうとしていたが、テストを終えると心から一安心した顔を浮かべていた。
◇
そして、運命のテスト返し当日……。
国語や社会、理科などが続々とテスト返却されていく。
テストが返される度に、席が離れている華恋とこっそりアイコンタクトを取って、安堵の笑みを交わし合った。
お互いに表情は曇ることがなく、ここまでは赤点を取らずに済んでいる。
そして、華恋にとって一番の関門の数学のテストが返却される。
今回のテストは、最初のテストとあってか、そこまで難易度は高くない問題だった。
基礎をしっかりと覚えていれば、点数は取れるはずだが……。
「次、白原さん」
「……はい」
数学担当の先生が、華恋を呼ぶ。
彼女は、小さく深呼吸をしてから答案を取りに行った。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
俺は、華恋の点数がどうだったか、不安で教室の隅から見守っていた。
――頼むから、平均点……いや、赤点回避していてくれ……!
そうやって、願っていると……。
華恋は、満面の笑みをこちらに浮かべていた。
あの笑顔を見る限り、大丈夫そうだな……。
俺は、一安心した。
ちなみに、俺の点数はというと……。
『95点』
数学だけだと、クラスで1番の点数を取れていた。
◇
「キーンコーンカーンコーン」
授業を終えると、華恋が真っ先に俺のもとへ向かってきた。
「優作見て! 数学の点数、平均超えた!」
「おぉー! おめでとう」
華恋の答案には『65点』と書かれていた。
まさか、華恋が平均を超えるとは思ってはいなかった。
「俺も、英語で平均点取れたよ!」
「おぉ、私のノートのおかげだね」
と、華恋は少し得意げに胸を張る。
――否定は出来ない……。
あのノートに書かれていたことを中心に覚えたら、点数が取れたからだ。
「華恋は、英語どうだったの?」
「私はね……」
そう言うと、チラッと点数を見せてくれた。
答案には『90点』と書かれており、こちらもクラス1番の成績だった。
お互い、得意科目という言葉に恥じない点数を取ることが出来た。
「優作、ありがとう……」
「こちらこそ、あのノートのおかげだよ……」
互いに感謝の言葉を言い合った。
華恋は、一難去ってホッとしたのか、いつもより表情が穏やかになっていた。
みんなで必死に勉強会をしたからか、華恋も赤点を回避し……俺も苦手な英語で平均点付近を取ることが出来た。
それどころか、2人ともテストの点数は思ったよりも良かった。
「早く、美那子にも報告に行かないと」
「そうだね、一番心配していると思うし」
そう言うと、華恋は俺の手を無意識に引っ張り、3組へと駆け出した。
――学校で俺とこんなに喋って……さらに手まで引っ張ってもらってよいのか?
そんなことを思いつつ、俺は抵抗する隙もなく、教室を出て廊下を歩いていても手を引っ張られ続ける。
そして気がつけば、美那子のいるクラスの前まで来ていた。
「美那子ー!」
「ん?」
美那子は、クラスの人たちと喋っていたが、華恋の姿を見て、こっちに来てくれた。
「どうしたの? 手まで繋いで」
「え!? は、早く点数を伝えたくて」
手を繋いでいたことに気づいていなかったのか、「ち、違うの! 優作が遅いから……っ!」と慌てて手を離す華恋の顔は、みるみるうちに赤くなっていく。
「全く……今日も放課後に集まる予定だったでしょ?」
美那子は、周りには聞こえないくらいの小さな声で呆れたように俺たちに話す。
「で、でも……一刻も早くと思って……」
〜おまけ〜
3人の点数
――――国語―英語―数学―社会―歴史―化学―生物―合計―(順位/何人中)―
華 恋/70/90/65/55/60/50/50/440(75/150位)
優 作/58/65/95/70/90/60/55/493(50/150位)
美那子/85/85/70/80/85/85/85/575(10/150位)
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