第29話 華恋とGW プリクラ
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俺たちは、『スポワイ』を楽しんだ後、みんなで『ボウリング』もした。
一番上手だったのは、天音さん。
天音さんは、どうやらストレス解消にスカッとするものを好むらしく、よく家族ともボウリングをするらしい。
他の5人はというと……。
ゆうさく G/2 …… 65
さとる G/5 …… 55
かれん 4/1 …… 54
やまと G/3 …… 72
あおい 5/- …… 88
サリィ スペア …… 150
語るまでもなくガーターを量産しており、天音さんとほとんどの人がダブルスコアとなっていた。
上手くなりたいという向上心があるメンバーが揃っているからか、みんな天音さんに「どうやったら、真っすぐボールを転がせるの?」や「まず、フォームは?」などと、真剣にアドバイスをもらいながら楽しんでいた。
そして、天音さんもアドバイスを送るのが楽しかったのか、「ここを狙って……」や「腕は真っすぐを意識すると……」などと、5人の面倒を見てくれた。
おかげで、みんな最初よりはまともなスコアになっていた。
そして、ボウリングも終えた俺たちは、今日のメインイベントのプリクラへ足を運ぶのだった。
「めっちゃ混んでるねぇ」
このゲームセンターは、地域最大級をうたっているので、プリクラの機械の数もとても多い。
プリクラ会場には、カップルや女子同士など、多くの人が集まり、賑わっていた。
「ねぇ、6人でひとつの機種に入るのは、狭くなりそうだから、3人1組で分かれない?」
「おぉ、それがいいかもなぁ! じゃあ、男子組と女子組で分けるか」
館山さんの提案に、西川が乗っていた。
男女で分けるのは良いとは思う。
だが、せっかくなら混合で撮った方が楽しいのではと思っていたら……。
「せっかくならさぁ、グッパーで分けようよ」
華恋は、右手を口の前に持ってきて、みんなに提案をした。
それなら、男女で固まる心配も薄くなりそうだ。
華恋は、俺の方に「私の意見に賛同して」と言わんばかりの熱い視線を送ってきた。
「いいんじゃない?」
「そうしましょう!」
俺が華恋の意見に賛同すると、天音さんも頷きながら、賛同の言葉を返した。
俺たち6人で輪になって手を出す。
「グットッパーで分かれましょ!」
その掛け声とともに、全員が一斉に手を出した。
俺はもちろん、華恋と同じになることを少しだけ期待していた。
――後は、己の運次第だ。
「あっ……」
華恋の口から、落胆の声が漏れた。
見事に、俺と西川、大和の男子3人が『グー』。
華恋、館山さん、天音さんの女子3人が『パー』を出していた。
「お、見事に男女で分かれたな!」
西川が無邪気に笑う。
こいつは全く空気を読んでいない。
「奇跡的な確率ですね……」
天音さんも目を丸くして驚いていた。
「ま、まぁ、こういうこともあるっしょ! 行くよ女性陣! 盛れ盛れに撮るから!」
館山さんが気を利かせたのか、華恋の背中をポンと叩いて女子たちをプリクラ機へと誘導していく。
華恋は、何度も振り返りながら、名残惜しそうに腕を引っ張られ、プリクラ機に吸い込まれていった。
――俺も、華恋と一緒に撮りたかったな。
せっかく、俺も華恋も慣れないお洒落をしたんだから記念にね……。
そんな本音は、口が裂けても言えない。
俺たち男子3人は、よくわからないまま別のプリクラ機に入り、西川の謎のポーズ指定に付き合わされながら、カオスな撮影時間を過ごしたのだった。
◇
ゲームセンターを出ると、空はすっかりオレンジ色に染まっていた。
楽しかったGWの遊びも、もうお開きの時間だ。
「いやー、遊んだね! 疲れたけど最高に楽しかったよ」
西川は背伸びをしながら言った。
「そうですね。みんなの知らない一面や、意外な姿とか見れて、とても楽しかったです」
「おぉ、大和! 良いこと言うじゃん」
西川は後ろで立っていた大和に振り返り、ニヤッと笑いながら返事を返した。
「私は、特に目立ったことが出来ませんでした」
「天音さん……それは、ボケってことで突っ込んでいいのかな?」
「え!? ボケてなんて、いませんけど……」
天音さんの天然な発言に、俺たちは思わず困惑した。
一番爪痕を残したのは、天音さんだと思うが……。
「じゃあ、そんな記念として、このまま解散も寂しいし、最後にみんなで写真撮らない?」
館山さんが、自分のスマホを取り出しながら提案してくれた。
「いいですね! 記念に残しましょう!」
大和も大賛成のようで、俺たち6人は駅前の広場でギュッと固まることになった。
「優作くん、もっとこっち寄りなよ!」
館山さんに背中を押され、俺はバランスを取るためによろめいた。
その瞬間、俺のすぐ隣にいた華恋と肩がピタッと触れ合った。
「……っ!」
「あ、ご、ごめん……」
「ううん、全然いいよ……」
華恋は顔をほんのり赤く染めながら、俺の隣から離れようとしない。
むしろ、さっきよりも少しだけ距離が近くなった気がする。
「はい、チーズ!」
館山さんの掛け声に合わせる。
「優作、ピース!」
シャッターが切られる直前、華恋が俺の服の袖をきゅっと掴み、とびきりの笑顔で顔を覗き込んできた。
その瞬間を切り取った写真は、俺の顔だけが真っ赤になっている、少し恥ずかしい、けれど最高の1枚になったのだった。
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