第27話 華恋とGW スポワイ④
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俺たちは、バスケの後に少し休憩を挟み、『バレーボール』のコートへ向かうことにした。
特に人気なこのコートは、大変混雑している。
それもそのはず、バレーボールだけではなく、『バドミントン』なども楽しめるコートだった。
俺たちが順番待ちをしている間……。
西川は、大きく息を吐いた。
彼と館山さんは、近くにあったゲーム機で、ずっとゾンビを撃ち合っていた。
俺たちは、その光景を見て時間を潰せたわけだが、西川はホラー系が苦手である。
大きな音や、気色の悪いゾンビなどと戦闘が起きる度に、体がビクッと反応している。
対照的に館山さんは、容赦なくゾンビに風穴を開けていく。
「西川くーん! 怖がってないで、敵を撃って」
この手のゲームは、2人で協力をしないと勝てない相手も登場する。
西川は怖がり、的に照準が定まっていない。
そのため、全くストーリーが進まない。
頬をぷくーっと膨らませて、西川を睨む館山さん……。
「俺は、ホラーゲーム苦手なんだよ! 大和? 優作……変わってくれ!」
何度も俺や大和たちと変わろうとしていたが、怯える西川が面白かったため、拒否をし続けた。
「俺はいいかなー大和が変わってあげなよ」
「いや、僕もいいです。西川くん頑張ってください!」
――西川はゲーム上手いはずなんだけどな……。
一緒にゲームをする時も、たいていのゲームはそつなくこなし、むしろ俺よりも上手いことが多い。
「西川くん、ビビリだねー? 私は全然怖くないよ?」
「えー? こんなに気持ち悪いモンスターばかり出てくるのに?」
華恋もホラー耐性を持っている。
小学生の頃、よく俺の家で、お父さんが持っていたゲームを内緒で借りてきて遊んでいた。
「そういえば、優作も昔ホラー苦手だったね」
「え? よく覚えているなそんなこと……」
その時も華恋は、今の館山さんのようにノリノリでゾンビを撃ちまくっていた。
そう考えると、今の西川は昔の俺にそっくりのように見える……。
――俺も昔、苦手だったな……。
今は、このくらいのホラーならなんとも思わなくなったが……。
「やっぱり……。優作代われ! お前も実は苦手なんだろ?」
そういうと、銃型のコントローラーを俺の手に無理やり持たせた。
「あれぇ? 優作くんも実は苦手なの?」
「意外ですね……」
館山さんと天音さんは、俺を煽ってくるが……。
「ごめん、このくらいのホラーゲームなら、なんとも思わない!」
そう言い放ち、俺はゾンビを撃ちまくる。
スコアは、館山さんよりも上になっていた。
「やるじゃん、優作くん」
隣の館山さんは、やっと先に進めると喜んでいる。
「じゃあ、ホラーレベル変更するね」
「ほ、ほらーれべる?」
「そう! このゲームは、万人にも出来るように、ホラーレベルを10段階で決められるの」
そんなレベルがあったのか……。
最近のゲームってすごいな。
「ち、ちなみに……今のレベルは……?」
「1だよ! 西川くんが可哀想だったからね」
――え、一番低いレベルなの?
「へぇーそうなんだ」
俺は、必死に強がりを見せた。
未知のレベルに、俺の心に恐怖心が芽生える。
「じゃあ、一気に8ぐらいにするね!」
「頑張ってね、優作!」
華恋が笑顔で応援をする。
彼女も俺がホラーがそんなに得意ではないことを覚えている。
「お、おう……」
この後、俺は西川よりもビビり散らかしたことは、言うまでもなかった。
◇
30分後……。
『スポワイ』を始めて、1時間ほどが経過した。
俺たちは、時間を潰しつつ、コートが使える順番がよくやく回ってきた。
「やっと遊べるねー」
再び、ホラーゲームを楽しんでいた館山さんは先頭で、ネットに囲まれているコートのドアを開けた。
「長かったなー、待つだけで疲れちゃったよ」
「ずっとゲームやっていたからではないですか?」
「天音さん……それは言わないでくれる?」
俺は、西川のせいで無理やりホラーゲームを付き合わされ、メンタルがボロボロになっていた。
「早速、みんなでバレーボールしようか」
華恋は、ラケットやボールなどが置かれている棚から、バレーボールを取り出した。
「じゃあ、俺と大和でチームを分けるよ。これでも、バレーボール部だからね」
6人いるから3対3に分ける必要がある。
経験者は分けた方がラリーが続くだろう。
西川は、大和を反対側のコートへ追いやった。
「優作先生は、僕と同じチームですからね」
「お、おい引っ張るなよ」
大和が、俺の手を引っ張り奥側のコートへ引っ張られた。
「じゃあ、私も優作のチームへっと……」
「白原さんと天音さんはこっちのチームね」
「え!?」
奥側のコートへテクテクと向かう華恋に「待った!」をかけたのは、西川であった。
華恋も「私?」と困惑している様子であった。
「館山さんは、ホラーゲームで散々煽られたからね! 敵の方がやりやすい!」
そういうと、華恋が持っていたバレーボールを取り上げ、鷲掴みにして前へ構えた。
「何を生意気なぁ〜! 優作くん、大和くん! あの男をボコボコにしちゃおう!」
バチバチな西川と館山さんの戦いに、俺たちは振り回されることになったのであった。
両者共に笑顔も見えており、喧嘩とまではなっていないようで安心した。
……というか、僅か1ヶ月弱でここまで冗談を言える関係は、お互いコミュ力が高いなと、感心していた。
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