第24話 華恋とGW スポワイ①
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俺は何とか、クマのぬいぐるみを2体獲得することに成功した。
「優作くん! あ、ありがとう!」
「喜んでもらえてよかったよ」
そして、館山さんに渡した時、彼女は華恋にも負けないぐらいの笑顔を見せた。
――ふと隣を見ると、華恋が少しだけ不満そうに唇を尖らせている気がした。
「私もクマの刺繍があるので、3人でお揃いですね」
「おぉー、お揃い! 優作くん、もう1体」
館山さんは、天音さんの分も取って欲しいと、俺にねだるが……。
「ゆ、優作が破産しちゃうよ……」
「そっかぁ、それなら仕方がないね」
俺は、UFOキャッチャーをやってはいけないタイプだ。
次取れるかもしれない……という思考が、延々と頭の中を駆け回る。
それは、華恋も館山さんも同じだろうが……。
「みんなお待たせー」
「2階の『スポワイ』……楽しそうでした」
西川と大和が、視察から帰ってきた。
既に2人は、明日にでも『スポワイ』をやりたそうに俺たちに話す。
「それなら、今日これから行く?」
館山さんも2人の話を聞いて、興味を持ったようだ。
「私は出来ないかな……スカートだし」
そもそもスポーツするという予定はなかったため、華恋はヒラヒラとしたスカートで来ていた。
「パンチングマシーンに行ったときに、レンタルジャージなどもあるって書いてありましたね」
天音さんも、『スポワイ』について、興味があったようだ。
「私も、この洋服汚したくないので、白原さんが良ければ、レンタルしませんか?」
「まぁ、サリィちゃんがそう言うなら……」
意外と館山さんも天音さんも乗り気だったことに驚いたのか、華恋も了承した。
「よっし! じゃあ、早速6人で予約してくるね! 行くぞ大和!」
「えっ、また上行くんですか……? 携帯からも予約出来ますよ!」
「直接行った方が速い!」
またしても、西川は大和の腕を掴み、『スポワイ』の受付へ向かっていった。
◇
1時間後……。
今日はたまたま空いていたのか、予約は直ぐに取ることが出来た。
受付を済ませ、6人は『スポワイ』の施設内に歩みを進めた。
「こ、ここも広いねー!」
施設内には、『バッティングセンター』や『テニス』、『バスケ』や『卓球』など、多くのスポーツを楽しむことが出来る。
それだけではなく、『食事処』や『カラオケ』、『漫画喫茶』や『縁日会場』など、多種多様のアミューズメント施設が設置されている。
「何からするか、迷っちゃうね」
再び、館山さんが先陣を切る。
「まずは、左側から攻めていきましょうか」
俺たちが今いるところは、『スポワイ』会場の入り口。
大和は、左側の『バッティングセンター』から、遊ぼうと提案をした。
ちなみに正面には、いろいろなスポーツが出来るコーナーがあり、右側には『テニス』や『サッカー』などが楽しめそうな施設があった。
「いいねぇ!」
「じゃあ、早速行こうか!」
館山さんと西川も、大和の案に乗った。
「それなら、私とサリィちゃんは、ジャージに着替えてきますね」
「白原さん、こっちみたいです」
「優作、私たちのカバン見ていてほしいから、あなたも着いて来て?」
「わ、わかったよ」
館山さんと西川、そして大和は、先に『バッティングセンター』へ向かった。
そして、華恋と天音さんは着替えへ向かい、俺は荷物持ち……。
俺は、着替え室前のベンチで、2人の着替えを待つこととした。
――荷物持ちは、好都合か。
正直、足のケガもあるから、あまり激しい運動はしたくない。
お医者さんからは、完治はしたと言われているが、またケガするのが怖い。
私生活や簡単なスポーツなどには、影響はないと言われている。
目の前には、『バレーボール』を楽しむ、中高生の姿があった。
――あの怪我が無かったら、今頃……俺は、何をしているのかな。
もしバレーをしていたら、俺はどこまで行けたのだろう。
ふと、そんなことを思っていると……。
「優作、お待たせー! 変じゃないかな?」
華恋は、胸元に『スポワイ』と刺繍されている青色のジャージを身に纏っており、ショートヘアのサイドをヘアピンで留めていた。
「お、おう……ジャージ姿は学校以外では、久々に見たな」
「そっか、昔は良くジャージで遊んでいたもんね」
2人が思い出に浸っていると……。
「私も着替え終わりました、向こう行きますよ」
着替え室から、天音さんも姿を現した。
彼女は赤のジャージで、同じく胸元に刺繍が施されていた。
しかし、胸元の刺繍は、天音さんの方が強調されている。
――目のやりどころに困るな……。
「じゃあ、バッティングセンター行こうか」
危ない、危ない……。
こんな下心丸出しの顔になっていたら、間違いなく華恋に勘付かれる。
「優作、ここにはゲームセンターもあるんだね」
「え、そうみたいだね」
俺は無意識に、目の前に立つ華恋の胸元の刺繍に目が行ってしまった。
「な、なに? 何か変?」
「い、いや? 別に無いよ!」
俺が動揺しているのを、華恋は見逃さなかった。
「あ、西川くん達いるよー」
遠くに西川と大和が、『バッティングセンター』のネット越しに館山さんを応援しているのが見えた。
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