第22話 華恋とGW お見通し
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無事に全員が合流し、俺たち6人は駅前の大型ゲームセンターへと歩き出した。
休日の昼下がりということもあり、駅前は多くの人で賑わっている。
「あのゲームセンター、最近できたばっかりだから楽しみー!」
「私も久々に行くので、楽しみです」
「サリィってゲームセンターとか行くの?」
「えぇ……たまに行きます。そして、パンチングマシンでストレス解消します」
館山さんと天音さんが先陣を切って歩き、その後ろを西川と大和がついていく。
何やら先頭の2人から、少し物騒な会話が聞こえてくる。
そして、自然と俺の隣には華恋が並んでいた。
学校では、華恋が隣にいるなんて、想像もつかない光景だ。
こうして並んで歩くことは、いつぶりだろうか。
「あのさぁ、優作? 今日の服どう?」
「え!?」
人混みの中、不意に隣で歩く華恋が、上目遣いで話しかけてきた。
彼女からの柑橘系の匂いが、鼻をくすぐる。
「ま、まぁ……学校と雰囲気が違って、似合っていると思うよ」
「えっ、本当? 実は、昨日新しく買った服なんだ!」
まさか、華恋も洋服を新調していたのか。
そうは言っても、今日のために買ったわけではないだろう。
常に『完璧な美少女』を目指している彼女にとって、洋服を買うことなんて、日常茶飯事なのだろう。
――まさか、俺のために慌てて準備したなんて、この時の俺は思いもしなかった。
「優作も、慌てて洋服買ったでしょ?」
「えぇー? な、なんで?」
「とぼけても無駄だよ? あなたがこんなにお洒落な洋服持っているわけがないじゃない」
――そ、そこまで言わなくてもいいんじゃない?
確かに、俺は姉ちゃんに忠告されるまでは、持っている地味な服で出かけようと考えていた……と言うか、「何の服で行こうかな?」という発想すら無かった。
俺は図星を突かれ、少し顔が熱くなった。
このままだと言われたい放題だ。
俺も、何か華恋に反撃出来ないかと必死に言葉を模索した。
そうだ、華恋も昨日買ったと言っていた。
「そ、そんな華恋も、慌てて洋服買ったの?」
「わ、私は……別の理由というか……そのっ」
「別の理由?」
――何だろう……。
そんな言い方をされてしまうと、気になってしまうではないか。
「わ、私のことはいいの! その服は、お姉さんに見てもらったの?」
「な、何で姉ちゃんの名前が?」
「ま、前にお姉さんが洋服屋のバイトしてたって言ってたから……」
あぁ、入学式の日に俺の家族と麻雀をしていた時のことか。
よくそんなこと覚えているな……と、華恋の記憶力に感心していた。
その時、ふと今朝の姉ちゃんとの会話を思い出した。
「……華恋ちゃんのコーデも楽しみだね」
ま、まさか……華恋も姉ちゃんの洋服屋へ?
言われてみれば、レディースコーナーにこの洋服が飾ってあったような……ないような。
「華恋……まさかとは思うけど……」
「な、何かな?」
華恋は明らかに動揺して、目を泳がせていた。
俺が真実を聞こうとしたその時だった。
「お二人さん?」
「はっ!」
「は、葵? どうしたの……?」
俺たちの間に割って入る館山さん。
彼女は両手を腰に当てて、口を尖らせながら不満げな表情を浮かべていた。
「2人の世界に入るのは勝手だけど、今は私たちもいるんだからね?」
「そ、そう言うわけでは……」
俺は、館山さんのからかいに慌てて弁解した。
館山さんの後ろを見ると、天音さんは不思議そうな表情を浮かべ、西川と大和は気にせず2人で談笑をしていた。
「はい、着きましたよ? 皆さん?」
「いや、でかいからわかるよ、館山さん」
館山さんはゲームセンターの前に立ち、「私が建てました」と言わんばかりの自信満々の表情を浮かべた。
その反応に、渋々とツッコミを入れる西川。
「ゴホンッ! とにかく、みんなで楽しもう!」
常にノリノリな館山さん。
そのテンションに呑まれ、俺は華恋に真実を聞くことを逃してしまった。
――家に帰ったら、姉ちゃんに聞くか
いや、姉ちゃんのことだ。
もしそうだとしても、俺に情報は流さないだろう。
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