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疎遠だった幼馴染と高校で再開したら俺のタイプに変貌した件  作者: エンザワ ナオキ
第2章 ゴールデンウイーク

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第20.5話 天音さんは歴女?

いつもお読みいただきありがとうございます!

 俺は、天音あまねさんと時間を潰すことになった。

 一緒に遊ぶと言っても、あまり話したことのない彼女との距離感……。

 女性に慣れていない俺にはレベルが高かった。


 俺たちは、近くのハンバーガーショップに入り、ハンバーガーをカウンターで注文しようとしていた。


 というか、女の子とご飯を食べる時って、ハンバーガーで良かったのか?


 俺が、今食べたいと思っていたものを天音さんに押し付けたような気もする。


「ここがハンバーガーショップですか」


「天音さんは、何食べる? まとめて買ってくるよ」


「そうですね……このセット……? のアイスティーでお願いします」


 天音さんは、眉間にシワを寄せて真剣に考える。

 指さした商品は、『フィッシュバーガー』だ。

 そして『オニオンリング』のセットだ。


「俺は『てりたまチキンバーガー』のセットの烏龍茶でお願いします!」


「あら、こっちも美味しそうですね……」


 この店の『てりたまチキンバーガー』は、看板メニューである。

 俺も何回この商品を注文したことか……。


「天音さん、こっちにする?」


「そうします……! すいません、私もこの『てりたまチキンバーガー』でお願いします!」


 天音さんとバーガー被りをした。

 被るなら、違うバーガーにしようかなと迷っていると……。


「あの、緑ヶ丘さんは、2つハンバーガー食べるんですか?」


「い、いや……そういうわけでは……」


 天音さんは、こちらにジロっと視線を向ける。

 「意外と食いしん坊なんだね」と言いたげである。


「すいません! この注文でお願いします」


 俺は考えるのを放棄して、そのまま注文をした。


「遠慮しないでいいですよ? 私が払うわけではないので」


 ――いや、そこは気にしていないのだが。


 俺たち2人は、席で注文を待つことにした。

 

 そもそも、俺たちは学校でもあまり話したことは無い。

 待つ間、お互いに携帯の画面と睨めっこをしていた。


 しばらくすると、ハンバーガーが先に届いた。


「いただきます……」


 目の前には『てりたまチキンバーガー』が2つ並んでいる。

 照り焼きチキンとたまごに、瑞々《みずみず》しいレタスとマヨネーズの組み合わせが抜群の商品だ。


 天音さんは、手を合わせて挨拶をした。

 俺もつられるように、手を合わせた。


「パクッ」


 そして、天音さんは一口バーガーを食べた。


「緑ヶ丘さん……」


「え、はい……」


 天音さんは、一口食べて飲み込んだ後、フリーズした。

 俺のおすすめ……あまり美味しくなかったかな?


 周りのお客さんの様子を窺うと、みんな手を止めずに、むしゃむしゃと美味しそうに食べている。


「ご、ごめん? 口に合わなかった?」


「何ですか? この美味しい食べ物は!」


「え!?」


 ――俺には見えた……。


 天音さんの頭の上に『!』マークの吹き出しが見えている。


 彼女はあまりの美味しさに、目を輝かせている。

 まるで、革命が起きたかのような反応だった。


 ――良かった! 美味しいと思ってもらえて!


 天音さんは、相当美味しかったのか、直ぐに二口目を口に運んだ。


「私、あまりファミレスとかファーストフードのお店とか、行ったことないんですよ」


「あ、そうなの?」


「はい……私は和食の方が好きなんですよ。家族でご飯食べに行くってなっても、お寿司とか和食置いてあるお店とかに行くんです」


 俺は天音さんが和食好きなことに驚いた。

 てっきり、お父さんが外国の方と聞いていたから、洋食の方をよく食べていると勝手に勘違いをしていた。


「ごめん! それなら、あっちの方が良かった?」


 俺は店の外に見える、和食レストランの方を指さした。


「あ、いえ! こんなに美味しい……食べ物を教えてくれてありがとうございましゅ」



「いや、全部飲み込んでからで良いよ……」

 

 天音さんは、口に手を当てながら俺に感謝を述べる。


 俺が当たり前に食べていたものが、他の人にとっては斬新で革命的な食べ物になることもある。


「そんなに喜んでもらえてよかったよ」


「は、はい……ごめんなさい、興奮してしまって」


 まだ全然話したことのない女性と、ハンバーガーを2人で食べているなんて、入学時には想像つかなかった。


「そ、そういえば、緑ヶ丘さんって、歴史好きなんですか?」


「え!? 好きだけど……」


「私も好きなんですよー! 白原さんから、緑ヶ丘さんが歴史好きだって話を聞いていたんです」


「そうなの? 俺も部屋に歴史の本がいっぱいあって、暇さえあれば読んじゃうんだよね」


 というか、華恋かれんが、そんなことを?

 なぜ俺が歴史好きなことを知っているんだ。

 以前部屋に来た時、歴史の本がたくさん置いてあったことに気づいたのかな。


 ――アイツ、俺のことよく見てるな……。


「そんなにあるんですか? みんなと集まる前に、本屋さんに歴史の本を見に行こうと思っていたんですよ」


「そうなの? それならこの後、行ってみようか」


「いいですね! 行きましょう!」


 俺たちは、ハンバーガーとドリンク、ポテトやオニオンリングを急いで平らげ、本屋へ向かった。


 気がつけば、天音さんと少しだけ仲良くなれた気がした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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