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俺の妻は忍(しのび)ですか?  ―― そして、次に殺される男は俺ですかっ!?  作者: ひの
21、北に岩倉・東に今川

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〜斯波 義銀〜

 何時間もかけて準備した割には、会見はほんの数十秒で終わった。

 大勢の兵士と家来たちを引き連れて会場へ行き、お互い、ひと言も発することなく、本当にただ相手を「見た」だけだ。


 ――何だったんだ、いったい……。


 緊張していただけに、拍子抜けした。全身に、妙な疲労感だけが残る。

 だけど、この会見は、織口和颯にとっては重要な意味を持つという。

 まあ、今までさんざん世話になったのも事実だし、仕方ないか、とも思う。


 三河での会見を終え、身を寄せている那古野の寺にたどりついた時には、もうすっかり遅くなり、くたびれ果てていた。

 義銀は輿から降りる。

 地面に膝をついた織口和颯が、頭を下げた。


「斯波義銀様におかれましては、長旅お疲れ様でございました。

 それではわたくしは、ここで失礼いたします」


「いや、織口和颯殿、しばし待たれよ」

 牛一が声を上げた。

 義銀と牛一の目が合う。

 牛一が頷いた。

 

 義銀は意を決して話し始める。

 のどがカラカラだ。でも。

 すでに何度も、牛一と練習してきた通りにやればいい。

「相談したいことが――あるのだが……」



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