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俺の妻は忍(しのび)ですか?  ―― そして、次に殺される男は俺ですかっ!?  作者: ひの
21、北に岩倉・東に今川

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30分後・正眼寺近くの村

「頼むっ! 後ろのほうで、竹槍を持って立っているだけでいいんだ!」

 俺は集まった皆を見回した。


 彼らは、気まずそうに眼を見合わせる。


「だけど……。

 岩倉軍は3000人もいて、もう近くまで迫ってきているんですよね――?」


「そうなんだ! みんなピンチだし、時間がないんだよ!

 頼むから、急いで助っ人に来てくれ」


「……ええ~……。

 嫌ですよ。

 戦闘になったら、どうするんですか」


「だから、戦闘にならないようにするために――」

「お断りします。

 だいたい和颯様、戦は下手くそだし……

 俺も、命は、ひとつしかないんで」

「――えっ、ちょっ、まって……、

 そんなこと言わずに――」


 俺は必死で、立ち去ろうとする男の腕に縋りついた。

 男は、自分の腕にすがりつく俺を迷惑そうに見ようとして、目線を俺の背後に固定させた。

 その顔が、にへら~、っと、だらしなくゆがむ。


「はいっ、竹槍です!」

 萌の声がして、竹槍が差し出された。


「あなたなら、きっといい働きをしてくださると信じています!

 頑張ってきてくださいっ!」

 笑顔の萌が男の手を握った。

 男の鼻の下が伸び、顔がとろけそうに微笑んで――我に返る。

 男は、さっと背筋を伸ばした。


「はいっ! 山田村の惣兵衛、きっと和颯様のお役に立って見せます!」

 男は、先ほどとは人が変わったように竹槍を掲げ、一目散に竜眼寺へと走っていく。

「応援しています!」

 萌の声援が飛ぶ。


 萌は別の男を見た。

「お兄さんも、お願いします!」

 にっこりと、2本目の竹槍を差し出す。

 たちまち2人目の男が鼻の下を伸ばした。


 ――萌、容赦ないな……。


 たちまち萌の前に男たちの行列ができる。

 萌から竹槍を手渡された男たちは、意気揚々と竜眼寺へと繰り出していく。


 ――美人、恐るべし……

 


 だけど、どうして萌が、このタイミングでここへ……?


 萌の背後には兜を目深にかぶった小柄な少年がいて、黙って萌に竹槍を手渡していた。

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