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俺の妻は忍(しのび)ですか?  ―― そして、次に殺される男は俺ですかっ!?  作者: ひの
20、稲生

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~陽の巻~ 廊下

 廊下には、萌がいた。

「――和颯兄さま……」

 不安そうに俺を見上げる。

 萌の後ろには目を伏せた蔦がいて、俺はかつて、火鳥に影のように付き従っていた各務野を思い出す。


 俺は立ち止まり、片手で萌の肩を抱いた。

 ――萌。大きくなったな……。


 萌ももう、14歳か。

 火鳥が俺のもとに嫁いできたのが14歳だった。

 幼い幼いと思っていた萌も、もう立派な大人だ。きっともうすぐ、誰かに嫁ぐ。

 でも俺は、萌の嫁入りを見届けることはできないかもしれない。俺は今日、死ぬかもしれないから。


 ――萌。幸せになれよ。


「和颯兄さま。萌は――萌は――……」

 萌の目は真っ赤で、今も必死になって涙が零れるのをこらえているのが分かる。

 俺は萌に背中を向けた。


「――行ってくる。

 あとの事は。胡蝶に、従え」

 

 俺は萌を廊下に残し、大股で歩き去った。

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