東京オリンピックアメリカ代表を分析する
読者様の題材提供により、今回は東京オリンピックアメリカ代表の分析です。
■アメリカ代表の不吉なデータ
1992年のバルセロナ五輪からNBA選手の派遣が解禁されて以降、アメリカ代表は今回のナイジェリア代表との試合までに56度のエキシビションゲームを戦い、成績は54勝2敗となっています。
素晴らしい戦績を収めていますが、エキジビションで負けていたことに驚きます。
そして、問題はこの“2敗”です。
いつ敗戦したのかと調べてみると、1度目が2004年の8月4日、イタリア代表に78-95と大敗しています。
この年行なわれたアテネ五輪では、準決勝でアルゼンチン代表に敗れてNBA選手が参加して以降最低の銅メダルに終わっているのです。
そして2度目が2019年の8月25日、オーストラリア代表に94-98で敗北しています。
この年開催のワールドカップでは、準々決勝でフランス代表に、そして5~8位決定戦の初戦でセルビア代表に敗れ、史上最低の7位と屈辱を浴びました。
つまり、エキシビションゲームで敗れた年のアメリカ代表は、本大会でも例外なく金メダルどころか屈辱的な敗戦を経験しているのです。
先日のナイジェリア代表戦に続きオーストラリア代表とのエキジビションマッチでも敗戦し、連敗となりました。
エキジビションマッチで2敗もしてしまったアメリカ代表はジンクス通りなら、東京オリンピックではメダル獲得か 絶望的となってしまいます。
はたして東京オリンピックアメリカ代表は、このジンクスを破って母国に4大会連続16個目の金メダルをもたらすことができるのか。
注目のアメリカ代表初戦は、7月25日に強敵フランスとの対戦が予定されています。
■東京オリンピックアメリカ代表を分析していきます。
私は今回のアメリカ代表にはあまり期待していません。
選手選考が曖昧で最高の選手を集めた『ドリームチーム』を名乗るには相応しくないと思っています。
これから私なりの分析をしていきます。
まずアメリカ代表のロスターを確認します。
デミアン・リラード(ブレイザーズ)
デビン・ブッカー(サンズ)
ブラッドリー・ビール(ウィザーズ)
ドリュー・ホリデー(バックス)
クリス・ミドルトン(バックス)
ザック・ラビーン(ブルズ)
ケビン・デュラント(ネッツ)
ジェイソン・テイタム(セルティックス)
ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)
ジェレミー・グラント(ピストンズ)
ケビン・ラブ(キャブス)
バム・アデバヨ(ヒート)
誰しも思うことだと思いますが、ビッグマン、特にセンターがアデバヨだけで頭数が足りていません。
アデバヨも純粋なセンターでは無く7フッター(213㎝以上)がいないため、高さがありません。
※デュラントは211㎝とも213㎝とも云われていますが、公称では208㎝です。
これでは強力なセンターのいるチームに苦労することは簡単に想像出来ます。
○まずは今回のアメリカ代表の強みを見ていきます。
リラード、ビール、ラビーンなど得点能力の高いガードが多く、デュラントを含めてオフェンスはチームのストロングポイントでしょう。
デュラントとリラードのWエース体制になると思いますが、この二人を同時に抑えるのは難しいですね。
スター選手が勢揃いする代表チームでは、ミドルトンやグリーンのような潤滑油的な役割の黒子役がいるのは心強いですね。
○次にアメリカ代表の不安点、懸念を挙げていきます。
このチームにはピュアシューターがいませんし、似たタイプばかりでバリエーションがありません。
スコアリングガードはリラード、ビール、ラビーン、ブッカーと揃っていますが、ブッカー以外はボールを多く持ちたがるタイプです。
これではオフェンスが単調化してしまい、ディフェンスの良いチームと対戦した時には手詰まりになってしまう恐れがあります。
似たタイプのラビーンより高確率で3ポイントをヒットできる選手を入れておくべきだったと後悔することににりそうな気がします。
※リラードの3ポイントはそれほど高確率ではありません。
また、パス優先でプレーメイキングが得意なPGも必要です。
タイプの違う選手を揃えることで、相手がどのような戦術で来ても対応出来るようにするのが当たり前ですが、バランスの悪いガード陣には不安しかありません。
オフェンス重視の選手が多く、ディフェンスが得意な選手が少ないのも難点です。
NBAと国際試合では特にディフェンスが大きく違います。
NBA選手が一番苦労するのがディフェンスの違いで、ディフェンスのスペシャリストがロスターにホリデーくらいしかいないのは問題でしょう。
リムプロテクターがいないですし、ビッグマンが少ないのでインサイドで競り負ける試合も出てくるのではないでしょうか。
ロスターを見て、サイズ不足とリバウンドは弱点と言えるかもしれませんね。
優秀なビッグマンのいるチームにはリバウンドで圧倒される場面も容易に想像出来ます。
12名のロスターのうち、オリンピック開催直前まで行われるファイナル出場している選手を3選手(ブッカー、ホリデー、ミドルトン)も選出するのも如何なものかと思います。
直前に合流する3選手とは連携不足が懸念されますし、何より3選手は確実に疲労が貯まっていますから本来の実力が発揮出来ない可能性があります。
また私的ですが、客観的に見ても最高のチームには程遠い布陣です。
ケビン・ラブは必要ありませんし、ラブは辞退すべきだと思っています!
ラブではなくリムプロテクタータイプのセンターを選出すべきです。
オールスターに選出経験の無い26歳のグラントよりも、将来性や爆発力のあるザイオン・ウィリアムソン(ペリカンズ)を選出する方が期待も出来ますし、代表の世代交代も進みます。
このチームはデュラントとリラードがエース格でWエース体制となるのでしょうが、代表チームはエースとは別に強烈なリーダーシップでチームをまとめる選手が必要です。
1992年バルセロナオリンピックでの『初代ドリームチーム』ではエースはマイケル・ジョーダン(ブルズ)でしたが、チームをまとめていたのはマジック・ジョンソン(レイカーズ)やラリー・バード(セルティックス)でロスターのバランスも良く、オールスターでも実現出来ない、正に夢のチームでした。
2012年ロンドンオリンピックの代表もドリームチームに相応しいチームでしたね。
レブロン・ジェームス(ヒート)とコービ・ブライアント(レイカーズ)がエース格でありましたが、リーダーとしてチームをまとめていたのはブラックマンバ(コービ)でした。
ロスターもバランスが良くて理想的な布陣でしたね。
この2チームと比較しても今回の代表チームにはリーダーと呼べる選手がいません。
デュラントやリラードには、レブロンやCP3のようなチームを導くリーダーシップはありません。
東京オリンピックアメリカ代表には懸念材料が多すぎるのです。
それが顕著になったのがナイジェリア代表、オーストラリア代表とのエキジビションマッチ連敗という前代未聞の事件となったのでしょう。
短い練習期間からの連携不足、まだ合流していない選手がいるため9選手しかいないロスター、敗戦の言い訳は色々ありますが、最大の問題点はドリームチームが他国から脅威と見られなくなったことでしょう。
強豪国はNBAに選手を送りこんで、確実に実力アップしており、年々アメリカ代表との実力差は縮まっているのです。
アメリカ代表も最高の選手を集め、最強のチームを作り上げなければ簡単に勝てない時代になってきていることを東京オリンピックで痛感する事態になる可能性があります。
初代ドリームチーム誕生のきっかけも、前大会である1988年ソウルオリンピックに大学生中心で参加し、惨敗したことでした。
敗戦することで本気になるかもしれませんが、負けるアメリカ代表は見たくないので、常に本気で取り組んでほしいものです。
まるでアメリカ代表が金メダルを逃すことが決まっているような言い方ですが、現時点でアメリカ代表が金メダル最有力候補だと思っています。
ただ圧倒的優勝候補ではないだけです。
○最後にアメリカ代表の戦術ですが、エキジビションマッチを観る限りではグレッグ・ポポビッチHCもまだ迷っており、構築しきれていない印象を受けました。
そこで私なりに何パターンかの基本戦術を考えてみます。
①リラード、ビール、デュラントのオフェンススキルをフル活用した攻撃的戦術。
センターのアデバヨにPFにグリーンを配置してインサイドは任せ、3選手のオフェンス能力を存分に発揮してもらいます。
ランニングゲームを仕掛ける場合には
グリーンの代わりにテイタムを投入すれば走れる布陣になりますね。
②デュラントをセンターにして3ガードによるスモールラインナップ。
サイズ不足の懸念があるなら、それを逆手に取ってスモールボールでスピードで相手を上回ってもらいます。
PFにはテイタムやグラントを配置して、とにかく走り負けないラインナップにします。
③ミドルジャンパーを活用し、着実に得点を積み重ねていく。
3ポイントやリバウンド、サイズ不足によるインサイドに不安があるので、ブッカーやミドルトン、デュラントなどのミドルジャンパーを中心に高確率ショットでゲームをコントロールしていく戦術です。
3ポイントという武器が無いのは厳しいですが、無いものねだりをしても仕方ないので、サイズ不足などを考慮しても現有戦力を有効活用するなら「スモールボール」や「ランニングゲーム」を展開し、オフェンスで相手を圧倒するしかないですね。
ディフェンスではホリデー、グリーン、アデバヨの働きが重要ですね。
以上アメリカ代表を分析シテミましたが、不安ばかりでしたね。
マイナス面ばかり書きましたが、優勝を期待しています。
期待しているからこその叱責と思っていただければ、、、




