生死の神と呼ばれた龍人
「あれは…俺の…探していた妹…かもしれないんだ……」
燃えてゆく城から逃げて帰ってきた悠人が俯いたまま口を開いた 確信は何個かもてたが今の目の前の情報も合わさり頭の中がぐちゃぐちゃになる
悠人の言葉を聞きアリアはため息をつく
そして思う 〝失われた記憶〟がそこに結びつくと……
「悠人……貴方は今は〝龍人〟と言っているわよね?けど…違うでしょ?そして 記憶も何個かないことも もしかしたらそこに繋がっているかもね…ねぇ?〝生死の神〟?」
生死の神と呼ばれ悠人はガバっと顔をあげる
そして顔を歪ませたが すぐに笑みを浮かべ
「……やめてくれ やめてくれ 俺は神なんかじゃない 何も守れなかった だからだから…!!
ただ一人生きていると思っていた妹が…レナが…!!……もうわかんねーよ……俺はどうしたらいいんだよ…!!」
泣きたい 悲しい 何もできなかった無力の自分などは本当は生きてはいけなかった なのにズルズルと生き延びている 死ぬ事すら許されない 笑え 笑え どうして 俺は……
「あの時 生きてしま………」
──バチン!!!───
言い終わる前に頬に強い衝撃を受け言葉が途切れてしまう
アリアが目の前にいつの間にか来ており勢いよく平手打ちをしてきたからだ
平手打ちをしてきたアリアの顔はよく見えないが怒っているのが分かる
休んでいた燐が話し声が聞こえ目が覚めたらしいがアリアを見て酷く怯えているからだ
心の声が聞こえているのがすぐにわかる
黙っていたアリアが口を開き胸ぐらを掴み
「あの時 生きてしまったって言いたかったんだろ? ならなんだ?一人生き残った私はなんなんだ?お前はまだ血が繋がった妹がいるのに 甘たれんな!!!さっさと記憶を思い出して真実を見つけろ!!あたかも 自分だけを責めるな!!!わかったか!!お前は お前の覚悟はそんなもんだったのか?妹を見つけて お前は何がしたかったんだ!!思い出せ!!」
叫ぶように睨みながら揺さぶってきた
俺は…妹を探して……探して…??
……あぁ……そうだ………
一筋の涙が溢れて笑みが崩れていく
「俺は……妹を……守りたかった……守りたい…
大切な人達を……側で……守りたい………
俺は……何もかも…遅かったから……
あの時も…国に戻ったら…血が辺り一面広がって みんなみんな 死んでいた 国が滅んでしまった 妹の死体だけが見つからなかった だから生きているって信じていた 見つけるのが遅かったから 変わってしまった アリアも救えなかった あの時追いかけたらまだ変わっていたかもしれない」
涙が止まらない 全て全て遅かった
だから 次こそ守るっと誓ったばかりなのに
俺は何もかも弱い
「……見つけているだろ 守ろうとしているじゃないか 私はお前の笑顔に救われていた所は昔あった……馬鹿みたいに笑ってとても楽しそうだなって けど今はずっと無理して笑って苦しそうだった ……さぁ 如月悠人 いや…〝如月ユウト〟 記憶を思い出すか?真実は残酷かもしれないが 〝一部を思い出すか?妹について〟」
泣き出した悠人の顔を真っ直ぐ見てこれから進む〝悠人の記憶〟を向き合う意志の強さを見ようとしている
……感情が昂ぶっていたとはいえ なんで…私は……〝悠人の記憶について知っているんだ〟?
……いや 今は関係ない 悠人の意志次第ではまたあの空間に繋げなければ
「……俺は真実をレナのことを知りたい 頼む 思い出させてくれ!!」
真実は時に残酷で苦しいかもしれないが知らなければいけない そしてレナが今アリスと名乗る理由もわかり記憶が失っている事も全て繋がるはずなんだ
悠人がそう答えた時 突如部屋にアネモネの花びらが舞うように降ってくる
「「「!?!?」」」
悠人 アリアは驚いたが瞬時に武器を構え 燐はいきなりの花びらに二人同様驚いたが幻想的な光景に見惚れるようにジッと見て
「あれ…??アリア…悠人さん…目の前に人が……ほら……」
燐が指を指した方を見ると……アネモネの花が降るのが止まり 悠人の目の前に
黒い髪に赤い色が混ざった肩にかかる長さでアネモネの髪飾りをつけており
赤と青のオッドアイの瞳の女性が悠人の方をジッと見て柔らかく頰を触るように
愛おしい 大切な人を見るような眼差しで
「……思い…出して……??〝お兄ちゃん〟……」
小さな声で言うと淡い光が部屋全体を包み込み
別の場所に変わっていく
3人が光で目を瞑り次に目を開けるとアネモネの花畑が広がる空間が目の前に見えてくる
「ここは…?」
「え まさか………」
「………レナが所持する 〝アネモネの空間〟だ……」
それぞれに口を開く3人を見てこの空間に連れてきた女性がニコと笑う
「…いらっしゃいませ 〝裁きの女神 レナ・イルティア〟の空間 アネモネが咲き誇る場所へと…」
この空間で真実を思い出さないといけないのだ
その為に眠っていたレナが目を開け3人を招き入れた
─アネモネの花言葉は…はかない恋
恋の苦しみ・見捨てられた・見放された・辛抱
・無邪気・期待・可能性・清純無垢─
悠人とアリスの過去はとても残酷なものだった




