第29話 狂気の妖精の女王
コツコツと音を鳴らしながら部屋へと行き
「…アリア様とそのお連れの方々こちらで音色様がお待ちしております それではどうぞ」
目当ての部屋についたのかアリスと名乗る女性はこちらを振り向きペコとお辞儀をするとキィ…と音を立てながら扉を開く
扉を開くとまるで庭園に来たかのように花畑が広がり色とりどりの綺麗で美味しそうなお菓子と色んな種類の飲み物が置かれたテーブルの奥にニコと笑みを浮かべながら椅子に座っている女性がいる
「いらっしゃい〜♪遅かったわね??」
ニコニコ笑みを浮かべたまま砂糖花が浮かんだ紅茶をゆったりと飲みながら声をかけてきた
そんな音色の様子を見て軽く舌打ちをしながら
「あんたの所の兵士に足止めされていたのよ
それより 〝お茶会〟って呼び出されたけど…
〝本当〟の目的は何かしら?」
音色にツカツカとブーツのヒールの音を鳴らしながら近寄りジトっと見る
「…あら?侵害ね?本当に〝お茶会〟として誘ったのに♪まぁまぁ 座ってちょーだいよ?
そちらのアリアのお連れの方……あら?貴方…片目は隠されていますけど とても綺麗な容姿の持ち主ですね?お名前は何かしら??」
アリアを軽く受け流しながらチラッと燐と悠人の方を見て燐に興味を示したかのように
一瞬で燐の近くに近寄り頰を撫でながら触り始める
「…!ヒィ…!え えっと…葛木…燐です……」
一瞬で自分の目の前に来た音色に驚きと戸惑い 恐怖を目に表しながらおどおどしたように話し距離を開けようとするが後ろからガシっとアリスに肩を掴まれ更に小さく悲鳴を上げながら顔色が真っ青になる
「ちょ ちょちょー!燐が怖がっているからやめてくれ!!」
慌てて間に入り音色とアリスから燐を無理やり引き離すと燐は怯えたまま悠人に抱きつきチラッと音色とアリスを見る
「…ふふ♪怖がらせてごめんなさい?けど 本当に綺麗だわ…〝人形〟にしたらとてもとても…綺麗な人形に仕上がりそうなぐらい」
先ほどと同じような笑みをしているがエメラルド色の瞳は狂気を孕んだ瞳に変わりジーっとまるで獲物を捕らえるかのように燐を見つめ始めている
燐を無理矢理引き離れされたアリスは音色と同じように燐に視線を向けるがその視線は燐ではなく悠人に向けられている
まるで〝探していた人に会えたかの様な〟だけどまだ信憑性がないので疑っている様なそんな視線だ
その四人を見ながらいきなりガチャーン!!と音を派手に鳴らしながら紅茶が入ったカップを床に投げつけ 睨む様な顔つきに変わりながら
「……この国…他国の綺麗な人及び国中の綺麗な人が居なくなっている事件が多発しているみたいね?音色
それに この飲み物やお菓子からは…〝薬品〟の匂いが混ざっているし どんなに笑みを取り繕っても 〝心の声〟は偽ることが出来なかったみたいね」
トントンと自分の首のチョーカーを指差すと宝石の色が薄水色に変わっていた
「ここにきてからずっと気づかれない様に燐の〝心の声を読み取る〟能力を共有していたのよ 燐が貴方を怯えていた理由お分かり?笑みからは決してわからない〝狂気の感情〟を」
乱暴にテーブルに座りなおしながら音色をジトっと睨み続けていたがいきなり高笑いの声が部屋に響き渡る
「ふふふふふふふふふふ…!!流石 私が崇拝するアリア様!!そうですよ!そうですよ!!貴方達を見てからずっとずーっと
〝人形にしたい〟〝その綺麗な容姿を永遠に飾りたい〟〝あぁ…早く…殺さなければ〟っと笑笑」
ススッと距離をアリスと共に開けパチンと鳴らすと部屋がクルクル変わり始める
部屋がクルクル変わり始めると同時に燐と悠人の前にいち早く戻ってきてかばう様にしながら前に立つ
「あの招待状見てから何か引っかかることがあるからっと思っていたけどまさかここまでとはね…燐 悠人 私から離れない様に あの二人能力持ちよ それも厄介なね…」
部屋全体が変わるとそこはガラスのショーウィンドウみたいなものに綺麗に飾られた宝石や〝まるで生きているかの様な人形〟と……
〝眼球〟〝手首だけ〟〝足だけ〟とバラされた奴も部屋に飾られている
「どう??綺麗でしょー♪私の自慢のコレクション♪全てが綺麗な人もいれば 部分だけ綺麗な人もいるから こうしているのよ〜笑笑
さぁ?あなた方も私の最高級のコレクションにしてあげるわ…♪アリス 手伝いなさい?」
戦闘に入るかの様にエメラルド色の所々星模様が入った杖を取り出しニタァと笑みを浮かべながら隣にいるアリスに指示をする
「…御意」
小さく返答するとアネモネの花びらが舞い手に赤い宝石がついた黒い鞭が出てきてそれを掴むとパシーン!と音を立てながらジッとこちらを見つめてくる
「「さぁ?楽しい狂気のお茶会の始まりですよ?」」
まるで開幕の合図かの様に歌う様に言いながらそれぞれが動き始めた




