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孤独少年、幼い頃
再開です。
庭先に咲く紫陽花の下にしゃがみ込み、翔は必死に涙を堪えていた。
「これでお別れだよ」
「どうしても?」
「どうしても。俺ももう、いい加減成仏しないとな。そして君はこれからちゃんと普通の友達を作るんだ」
「嫌いだ。誰も分かってくれない」
拗ねるように呟く翔に、彼は困ったような顔をした。
触れられない手が、翔の頭を撫でる仕草をする。
「本当にそう思うかい? 大丈夫、世界は君が思っているよりも広いから」
「……また会える?」
「いつか、きっとね。君が歳を取って、未練もなく、十分だと思えたら向こうでまた会える。もしかしたら、俺が生まれ変わる方が早いかもしれないけど」
そう言って悪戯っぽく笑った彼は、紫陽花についた朝露が消えていくように、呆気なく成仏してしまった。
翔が小学二年生のときのこと。
それから彼は、普通の友達も他の人には見えない友達も、作ることはなかった。
***
「私が死ぬはずだったの?」
「そうですよ」
「身代わりになったっていうの」
「双子の神秘ですね。君の方が分かっているでしょう」
「だったら、……だったら――――」
***
しばらく、少年のお話です。




