ep.044 am01:52 北海道札幌市中央区 ニュークラブCoCo
am01:52 北海道札幌市中央区 ニュークラブCoCo
騒ぐホステス達を甲牙寺の住職が制し、
「悪いがお前ら、暫く席を外してもらえんか?ワシは、この男前さんとちょいと話があるんでな」
ホステス達は口を揃えて『え~っ』と文句を言うが、甲牙寺の住職が太客なのを理解っているのでしぶしぶ席を外した。
住職は皐月に目を向けると、ギロリと目を剥き、
「で、とにかく突っ立ってるのもアレなんで、座らんか?影のお嬢ちゃん」
「!!!」
皐月は驚くが、表面上冷静を装いって隣に座り、
「失礼します。しかし、私を何故影の女だと?」
住職は破顔すると、ブランデーを煽り、
「くっくっく、何ぁに、簡単じゃよ。ワシも忍びじゃ。見れば判るさ。聞いた事ないかの?“玄武の陣悟郎”、昔はそこそこ有名じゃったんじゃが・・・」
「“玄武の陣悟郎”・・・、伝説の抜け忍・・・」
ぽつりと皐月は漏らした。
《この好々爺が?》
皐月が懐に右手を入れ、コルトを触った刹那、
「冷静になりな、お嬢ちゃん。物騒なモン、こんな所で出すもんじゃない。話がややこしくなるじゃろ?」
陣悟郎が悪戯に笑って、皐月を諭した。
皐月は軽くため息を吐き、手をジャケットから出す。
「確かにそうね。今の私は貴方を探し出して、殺すのが使命じゃないもの」
「カッカッカ。賢明じゃの、お嬢ちゃん。名は?」
陣悟郎は目を細め笑うが、もし皐月が牙を剥いていれば、瞬殺されているのは明らかだ。
「烏丸・・・皐月・・・」
皐月が名乗ると、
「烏丸・・・。ほぅ、伊賀の名家じゃの。してまた何故、札幌に?」
陣悟郎は興味深げだ。
「ある女を探しに。その女がこの店に居るとの情報が入ったので」
「ほぉ、この店にのぅ。して、その女の名は?」
「源氏名は判りませんが、本名は福知恵美と言う女です」
「福知恵美のう・・・」
陣悟郎は、右手を上げると、
「おい、マネージャー。ちと来てくれんか?」
直ぐに中年の男がやって来て、片膝を付くとら
「はい、ご住職。何でございましょうか?」
「うむ、スマンの。この店に福知恵美さんと言う女子がおると思うんじゃが、ちっくと呼んでもらえんかの?」




