ep.035 am00:51 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
am00:51 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
皐月は全てを話す様、優しく促し、
「実は?」
ユウは緊張しながら、
「は、はい。アタシは、恵美姉ちゃんとは違います」
「恵美姉ちゃん?じゃあ、貴女は?」
皐月は、ん?と右眉を吊り上げ、
「あ、アタシは遠い親戚で、本当は前川春美。16歳です」
「春美ちゃん、ね。やっぱり未成年か・・・」
皐月は首を横に振り深いため息を吐くと、ユウこと春美に元々春美が着ていた服を渡し、
「とりあえず着て。でも何で、福知恵美さんを名乗ったの?」
春美は早々に服を着て、
「じゃないと働けないから・・・、生きていけないから・・・」
緊張が解けたのか、涙を浮かべ両手をぎゅっと握り締める。
「生きていけないって、貴女、ご両親は?」
「お父さんは3年前に出稼ぎ先で工場爆発に巻き込まれて死にました。その後、お母さんは地元で夜の仕事始めて、すぐに愛人が出来て・・・」
皐月は、春美の握ぎりしめる手が強くなるのを見逃さなかった。
「レイプされたの?その男に?で、それが嫌で地元を逃げだして、恵美さんを頼ったのかな?」
「は、はい。お父さんのお葬式に来てもらった時に、慰めてくれたから・・・。『何か在ったら、力になるからって・・・』言ってくれたから。でも・・・」
「でも、どうしたの?」
皐月の言葉は優しい。
春美は俯いたまま、
「はい・・・、恵美姉ちゃんにはちっちゃい女の子が居て、結局言い出せなかった。だから、悪いとは思ったけど・・・、保険証を・・・」
皐月が答を予想し、続けた。
「保険証を盗んで、身分を偽り風俗で働いていたのね。で、出来た彼氏が、絵に描いた様なチンピラ、いえ、クズね・・・」
春美が涙目のまま、皐月に反論する。
「チンピラって、酷い・・・。あの人、アタシには優しいもん」
皐月は、ギリっと奥歯を噛み締め、
「貴女、バカ?だってそうでしょ?仮に誠意あるヤクザなら、自身の女に、ましてや貴女未成年でしょ?絶対風俗で働かせないわ。しかも、麻薬まで・・・。いいわ、私が証明してあげる。その男がいかにクズか。名前と所属の組、それから居場所を教えて。それで、その男がまともな男なら、二人が遊んで暮らせるだけのお金をあげるわ。悪くない話でしょ?」




