ep.032 am00:29 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
am00:29 北海道札幌市北区 札幌クイーンホテル
皐月が薬剤を使い髪の色を元に戻して、バスルームから出る。
濡れた身体にバスローブを纏い、ソファーで寛ぐ。
目を閉じ、しばしの休息を取った。
《さて・・・、そろそろね》
刹那、部屋のチャイムが鳴った。
皐月は、にぃと口角を上げ妖しく笑うと、リモコンで部屋の全ての照明を消して入口に向かう。
扉の陰に見を隠し、深呼吸すると扉を開けた。
刹那、若い女の声がする。
「こんばんは、スキャンダル・セックス・スウィートから来ましたユ・・・」
ユウが挨拶の言葉を言い切る前に、彼女の左手首を掴むと一気に部屋に引き入れた。
「!?」
瞬間的に、皐月は後ろ手で部屋の鍵を掛ける。
冷たい音がして、部屋は完全に密室になった。
ユウは少し状況が読めずパニックに成りかけたが、なんとか冷静を装い、
「白鳥様ですよね?いきなりでビックリしました。お金を持ってる人って、変わった趣味の人多いから・・・」
皐月がうっすらと闇から姿を現し、
「貴女がユウちゃん?」
皐月の声を聞き、ユウは驚く。
「えっ、嘘?女?」
ユウに取り繕う暇も与えず、皐月はユウの腰に腕を回しグイっと引き寄せた。
右手でユウの左の乳房をわしづかみにすると、耳元で囁く、
「男じゃなくって驚いた?私、レズなの。女である事を内緒にしてくれたら、そうね、プレイ料金以外にチップを同じだけあげるわ」
ユウは一瞬戸惑うが、チップの提示に頷いた。
皐月はユウの身体を解放し、リビングを指差すと、
「あっちで事務所に無事着いた事、連絡なさい」
ユウは頷き、リビングに入るとソファーに座る。
バッグから携帯を取り出し、店に掛けた。
「あっ、ユウです。今、お客様のお部屋入りました。札幌クイーン・ホテルの1701号室です。はい。はい。え?明日でいいんですか?はい、分かりました」
ユウの向かいに座った皐月が、しげしげとユウを眺める。
プレイ料金とチップをユウの目の前に軽く投げ出し、目を細め尋ね、
「ねえ、何かあったの?」
ユウはテーブルの上の一万円札を集め、数えながら、
「えっ、いいのかな。こんな事、話して・・・」
「聞かせて欲しいわ」
言葉尻は優しいが、その視線は冷たい。
ユウは拒む事が出来ずに、
「じ、実はお仕事終わると、普段は事務所に戻って、精算してからお給料貰うんですが」
皐月は脚を組むと、
「ええ、それで?」
窓の外から入る月光に照らされた皐月の脚が、なまめかしく美しかった。




