ep.026 pm11:53 北海道札幌市中央区 スキャンダル・セックス・スウィート
pm11:53 北海道札幌市中央区 スキャンダル・S・S
皐月は、キャビネットの書類や帳簿を一通り目を通す。
《残念、たいした物は無いわ》
石山の机に近付き、引き出しの中を確認し、
《ここも・・・。だとすると》
まだ手を付けていない石山のノートパソコンを開く。
電源は入ったままだ。
パスワードなどは設定されていない。
椅子に座ると、皐月はクスッと笑い、
《あら、セキュリティ管理って言葉知らないのね。まぁ、無理もないか》
マウスを手慣れた手つきで操作し、まずはメールを確認した。
特に変わったメールは無い。
次にフォルダを開けていく。
《面白いデータでも入ってないかしら?ん!このエクセル・ファイルは、売上管理にスタッフデータ。それと顧客リストに・・・。えっ?これって》
思いがけないデータを目にした皐月は、立ち上がりソファーの上に置いてあったセカンドバッグからUSBメモリを取り出す。
ノートパソコンに突き刺しフォルダごとデータをコピーすると、他のフォルダも確認し、
《まぁ、こんなものか・・・。時間だし、そろそろ撤収しなきゃね。でも、その前に・・・》
皐月は隣のベッドルームに戻り、潰れている石山のズボンのポケットから携帯を取り出すと、
《悪いけど、この携帯貰うわ。これ以上壊すつもりは無かったんだけど、あんなデータを見つけちゃったらね。本当は殺ってしまいたい処だけど・・・。そうすると警察が動いて、後がいちいちややこしいし。だから・・・》
石山の下顎を思い切り蹴飛ばした。
骨の砕ける音がして、石山は意識を失ったまま血を吐く。
絨毯が真っ赤に染まる。
皐月は妖しく笑い、
《それから、筆談されても面倒なのよね。仕方ない・・・、手を壊すか》
石山にしてみれば、いっその事殺してくれと言ったかもしれない。
皐月はブーティーの踵で、石山の両手首を正確に踏み潰す。
また嫌な音が二度響いた。
皐月は、石山を一瞥すると、
《感謝するのね。私は優しいから、指は潰さずいてあげたわ。一ヶ月もすればお箸は持てるわよ。クスッ》
皐月は面接された部屋に戻り、先程書いたプロフィールを取る。
更に、USBメモリを抜き取り、石山の携帯とプロフィールと共にセカンドバッグに直した。
部屋を見回して、確認するかの様に頷き、
《これで私のいた形跡は完全に消せた。免許のコピーぐらい取るかと思っていたけど、確認だけだったわね》
皐月は用が無くなった部屋を後にすると、エレベーターを使わず早足で非常階段を降りる。
ビルの裏手から表通りに出た。
吹き抜ける夜風が気持ち良い。




