ep.024 pm11:46 大阪府河内長原市 聖マリア寮
pm11:46 大阪府河内長原市 聖マリア寮
藍は、また空間に語り掛け、
「さて、写楽ちゃん、明里ちゃん、小督ちゃん、男はんはほっといて、ウチらは寝るえ。明日は、何かしらお力を借りなあかんと思うよし」
《そうですね、そのほうが》
《ほんに》
《ええ》
藍は、扉に背を向け、桜子とこころが眠る部屋に戻って行く。
階段を上がり部屋の前に着くと、晴明が藍に語り掛けてきた。
《まちや、藍。何やら胸騒ぎがする。念の為、ワシらも蝦夷地に式神を飛ばした方が、良さそうじゃぞ》
藍は首を傾げると、
「そうどす?まぁ、晴明ちゃんが言うんやから、そうなんどすやろな。よろしおす、ほな」
直ぐさま藍の身体に晴明が憑依して、懐から人型の紙を一枚取り出す。
呪詛を唱え印を結ぶと、念を込めて人型の紙を宙に放り投げた。
「飛天!ハァーーーッ!」
紙はクルリと回転し、全長60cm程の天狗の姿になった。
藍(晴明)は、呪詛の書かれた一枚の札を天狗に渡し、
「よいか、天光坊。蝦夷地で、儂が念じたらこの紙をどこでもよい、扉に貼り付けるのじゃ。それから、ヌシが見張るべき相手は理解っとろうな。烏丸皐月という女子じゃ」
天狗・天光坊は頷く。
藍(晴明)は廊下の窓を開け、天光坊を空に放った。
天光坊は、一瞬だけ羽をバタつかせ宙に留まると、光となり北を目指して飛んで行った。
藍(晴明)は、少し不安な面持ちで、
「思い過ごしじゃと、いいんじゃがのう。何やら空気が不穏じゃ、北の空に業を感じるのう。皐月殿が、玄武に出会えれば上手くいくのじゃが・・・。後、気になるのは、西からの男がどう動くかじゃな。はぁ・・・」
藍が囁く、
《まぁ、何かあったら乗り込むだけよし。頼りにしてるえ、晴明ちゃん。それに、以蔵ちゃんも・・・》
以蔵が応えた。
《じゃの。何とかなるき。とりあえず、藍よ。わしゃあ、腹へったき身体貸すぜよ。食堂行ってうどんでも食うぜ》
《あらあら、以蔵ちゃんは、しょーがおまへんなぁ。晴明ちゃん、食堂行くえ》
藍(晴明)は、ため息を吐き、
「ほんに、おヌシらは呑気じゃの」
踵を返すと、階段を下りて行った。




