表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と僕との秘密の日々  作者: 如月まりあ
27/59

招待3

その少し後であった。


「そういや、今日、奥さまは?」


コウスケの周囲に、たむろっていた内の一人が、周囲を見渡しながら聞く。


コウスケは、すこしだけバツが悪そうに笑い


「アオイは、体調が悪そうだったから、今日は遠慮させているんだ。本人は、大丈夫だと言うけど、大事な体だからね」


「奥さまは大丈夫なのですか?」


コウスケは、笑顔を作り


「安静にしていれば大丈夫だから。本当に残念だよ」


遠くで聞いていたカナメは、かなりショックを受けていた。


アオイに会える…そう信じてやってきたのに…


しかし、周囲に悟られてはならない


「残念ですね。部長のプライベートを聞くチャンスだと楽しみにしていたのに…」


周りにいた一人が言うと、笑いが起こる。


カナメもそれに交じる。


誰にも悟られてはならない。コウスケの妻がアオイである事を知ってる事に。


…誰にも知られてはならない。


【ガチャ…】


ドアが開く。和服を着た中年女性が入ってくる。


…雅代であった。


その後ろには、若い女性が慎ましく控えていた。


「皆様、いつもコウスケがお世話になっております。コウスケの母でございます」


雅代は、愛想よく笑いながら頭を下げる。


「大したおもてなしも出来ませんが、どうぞごゆっくりとしていってくださいまし」


そう言ってから、チラリと後ろの女性を見て


「こちらのお嬢さんは、芹澤貴子さん。お父様は大手銀行の頭取を、お母様はデザイン会社の経営をされてますのよ。ご両親がぜひ私に花嫁修行をと、おっしゃってお預かりしていますの」


そう言ってから中を見渡して


「あら、アオイさんはいらっしゃらないの?コウスケさんの大切なお客様がいらっしゃっているのに。何を考えていらっしゃるのかしらね」


わざとらしい物言いだった。


「本当に…旦那様の大切なお客様がおみえになっているのに、顔すら見せないなんて礼儀を知らないのでしょうか」


貴子は、嫌味のように言う。


「そうだわ。貴子さん、皆様をもてなして差し上げたらいかがかしら?」


雅代の言葉に


「まぁ、そうですわね」


貴子は、笑顔で答える。


そして貴子が中に入ろうとするが


「貴子さん、ご好意は嬉しいのですが、遠慮していただけませんか?」


コウスケは、前に出る。


「コウスケさん!貴子さんに失礼ですよ」


雅代が、コウスケをたしなめようとするが


「誤解されているようなので言わせていただきますが、アオイが出ると言ったのを欠席させたのは私です。アオイは大切な体ですから。それに私が個人的に開いた席に、関係のない貴子さんに手伝っていただく必要はないでしょう?」


コウスケがやんわりとにこやかに言うが


「な…関係ない…って、貴子さんは…」


「お母様が個人的にお預かりされているお嬢様ですよね?」


「ええ」


「では、そのような大切なお客様にお手伝いしていただく事は、先方への失礼に当たりませんか?お母様?」


「貴子さんは…あなたの…」


「私の妻は、アオイだけです」


コウスケは笑顔で、きっぱりと言った。


「コウスケさん!」


雅代がコウスケに、くってかかろうとするが…


ドアが開く音がして


「遅くなりまして申し訳ございません」


雅代の背後から、綺麗な通る声がした。


「!!」


正面から見据えたコウスケ、振り返った雅代―二人ともが驚いていた。


そこには、淡いワンピースを着たアオイが立っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ