#??? とある祈り
まったく関係ないです。この世界のお話ではありますが、この人たちに主人公たちが接する機会はもっともっと後になります。
また、本筋には一切被りませんので、読み飛ばすというか、無視で大丈夫です(苦笑)
~???~
空間。人間の世界で言う玉座のような間がある。
そこにいるのは圧倒的な存在として、その世界の頂点に君臨する創造主だった。
そんな創造主が、珍しくうろたえるような素振を見せている。
「私の住む世界に危機が迫った。私たちに対して大きなダメージを与える病が、私たちの世界に蔓延している。当然、その病の広がりの中でも大きいところはあるのだが、私の大切な人がやむを得ない理由でそこへ行ってしまった。」
その言葉を、深刻な顔で聞く者たちが数人。
「主様の言う私の世界とは、主の本来住む世界であって、主の創造された世界ではないのでしょう?」
その内の一人が口を開く。
「然り。私の創造した世界でそんなものが発生しようものなら、私の権限においてその存在を抹消するだろう。しかし、私の世界では、神が奇跡を起こすことなど稀であり、そもそも神が顕現することすらないといえる。」
また別の一人が口を開く。
「ずいぶんとやる気のない神様なのか、放任主義なのか、それとも神などいないっていうのが真実なのかってことかなぁ?」
何とも気の抜けた声だが、まじめに話しているのを分かっているため咎めるものは誰もいない。
「そこでだ。あくまで気休め程度にしかならないのは分かっているが、私の大切な人に加護を送りたいと思う。何か強力なものを、一つ作れないだろうか?」
いつもは絶対的な力を保持し、この世界の行く末を見守る存在である創造主が、ここまで不安に煽られているのは見たことのない創造主直属の管理者たち。当然力になろうとするが一つ疑問に思う事があるようだ。
わざわざ挙手までして、その管理者は問う。
「こちらの世界で準備したものが、世界の格が違う主の世界に通用するとは思えません。」
そう、主の本来存在する世界と、主の創造した世界では世界の格が違う。この壁を越えて移動することは実質不可能なのである。
乾いた笑みをこぼす創造主。
「よくわかっている。流石は私の直属の管理者たちよ。…だから言ったであろう。気休めにしかならないだろうが…と…。実際に効果を及ぼすことはないだろうが、という意味だったのだよ。」
管理者たちは、それならその労力は無駄だと考えてしまう。
「無駄だと思う気持ちは分かる。だがな、その人に何かあったらと思うと不安で仕方がないのだ。私は元の私が安定しているからこちらの世界に存在できるが、今のこの不安定なままだとこの体を維持することもままならん。」
管理者は思うところがある。
「この体が消滅しても、しばらくは管理者の力で維持できるであろうが、かつてのあのような出来事が再び起こらないとも限るまい。その時この体たらくでは、対応できるものも対応できぬであろう。元の私の精神の安定を図っているのだ。これは命令ではない。お願いだ。懇願といえる。どうか、一つ作ってくれないだろうか?」
それは創造主の、滅多にない…数百年に一度といえるほど稀なお願いであった。
~???~
そして、次の集いのとき。
「はい、これはユグドラシルの葉を使った護符よ。」
「ワシは魔物の王ではなく、魔法の王と呼ばれる方の魔王じゃからな。新しく自らを守る魔法を開発して、それを封じ込めたアクセサリーじゃ。」
「聖なる泉と言われる、精霊界から持ってきた水よ。浄化できないものなんてあるはずないのだけれど。」
「ここまでの者と比べると見劣りするかもしれないが、厄を退けるという宝石があった。大きいのをを見つけたので指輪にして持ってきてみた。」
その後も、管理者たちはそれぞれが考えたもっともよい効果を持つものをたくさん持ち寄っていた。
創造主はそれらを見て満足そうに、そして深い感謝の念を込めて、
「ありがとう。」とだけ言葉を発したのだった。
その後、創造主は自らの能力により、そのすべてを一つにまとめた。それは護符のような形をしていた。
「これを用いて、私が常に発動し続けよう…。この世界の私と、向こうの世界の私をリンクさせて発動すればきっと、何らかの効果はあるはずだ。」
この護符ができたときの創造主の顔は、それはそれは穏やかだったという。
この不安定な世界の未来の安定を祈って…。
「私の愛しの人を守りたまえ。【永愛之護型】」
彼の想いがどこまで通じたかは分からない。ただ、間違いなくその想いが何らかの効果を及ぼすと信じることも大切だろう。
まぁ、ご時世を意識したもので創作してみたかったんですよ(苦笑)あんまり上手くはいきませんでしたがね(苦笑)




