#10 クエストクリア
クリアはしましたが、報告は次回になってしまいました。
遅くなってしまいすみません。自分の中では字数の多い回になっていますので、その分でお許しを…。
~戦闘~
目の前には、数体のゴブリン。レオのスキルならばもし囲まれても対処が可能だ。
まず、レオは魔法を使うか、戦士のスキルを使うか考えた。
ゴブリンの配置は、洞窟の前に扇形を形成するように、5体。洞窟の入り口の両端に、1体ずつだ。
まず、戦士のスキル上、囲まれた場合の回転切りや、単体相手は強いが、広く前方に長くというのは難しい。よって、今回は却下だ。
次に水だ。申し訳ないが、今は水浸しにしたくない。一撃で殲滅したい場面で、水を使うと最低水たまり。少しでも間違えると、沼だ。
消去法で残った風だが、こいつがまさに今の状況にぴったりなのだ。風の音など、正直自然音に紛れて分からない。そして、魔力、魔法陣次第で、形が自由自在。【風刃】はいい例だ。形を引き延ばすことができる。つまり、刃の長さを変えることができる。よって、風属性魔法を採用。
形としては、薄く長くといった感じだ。胴体と頭を一発でお別れさせられるように発動する。
パチンと指が鳴ったその時、ゴブリンの頭は宙を舞っていた。
偵察、見張り部隊ともいえる7体のゴブリンが声を上げることなく息絶えたため、侵入者が来たという警告を、奥のゴブリンたちに伝えられることはなかった。
目標達成まで、あと23匹。
まだ、探知系のスキルを持っていないレオとしてはあまりやりたくない手ではあるのだが、洞窟の中に入ることを決めた。他にも、洞窟が入り組んでいる可能性が高い。そして、異常に繁殖している可能性もある。これらが、洞窟に入りたくない理由である。どうしてここで、はぐれたゴブリンを見つけるという選択肢が頭になかったのかは分からない。
そして、レオは洞窟に入る。
少し進み、外からの明かりだけでは頼りなくなってきたころ、奥からいくつもの足音が聞こえた。その音はまるで、軍隊のように揃っている音だった。おそらく、レオの足音を察知したか、かなりの探知魔法の使い手がいるのだろう。
レオは考える。
(低ランクであるゴブリンが高度な動きをするときは、ほぼ確実に上位種が発生している。)と。
レオは、隊列を組んで歩くゴブリンたちと対峙する。
ゴブリンたちは何やら騒いでいたが、レオには関係ない。
「申し訳ないとは思わない。弱肉強食の世界だったし、今もそうだ。」
なぜかこんな言葉を呟き、レオは一本の剣を取り出す。
”【戦士業】Ⅷ”
戦士のスキルは豪快かつ、しなやかである。四列縦隊で一糸乱れぬ隊列を組んだゴブリンを、前から順にリズムよく切り伏せていく。その一撃、一閃が的確にゴブリンの首を刎ねる。
終わってから数えてみると、そのゴブリンの隊列だけで36体ほどいた。つまり、4×9の列だったという事だ。この時点ですでに本来のクエストは終わっていた。がしかし、先ほどの予想が当たっていることが確実になってきた。4×6あたりまでは下級のゴブリンだったが、残りの4×3体は、アーマードゴブリン。つまりは、周りの鉱石の環境などによって、身の回りを硬い鉱石で覆い防具を着たように見える状態の中級のゴブリンだった。そして、このアーマードゴブリンの発生条件は、高い知能を持つ上級種の発生だ。
アーマードゴブリンが、12体。隊列はほかにもあると予想されることから、それ以上。かなり強力な上級種か、長い間隠れて、力を蓄えていた種という事になる。放っておくと碌なことにならないと、勇者時代の戦士の感が言っている。
勇者パーティに選ばれるためには、戦闘力、善良な性格(正義感)が必要となる。力があるものがこの場を放棄してクエスト達成報告に戻る。そんなことはレオという一人の戦士にはありえないことだった。
レオは、心なしかさっきよりも早いペースで奥に進んでいくのだった…。
途中に出てくる魔物も間違いなくより高いランクのものになっていった。例えば、ゴブリンメイジ。それぞれが、得意な属性の魔法を放ってくる。大抵は炎だが、稀に水や、地、風も扱うものがいる。魔法を放たれる前に斬るか、放たれても避けてから斬っていったので問題はなかったのだが。
そうしながら進んでいくと、何やら強大な力を纏っている何かがいそうなそんな雰囲気の穴を見つけた。といっても、行き止まりなので、確実に最奥の部屋であり、ダンジョンでいう最終のボス部屋なのだが。
レオは、ためらわずにその部屋に足を踏み入れる。
そこに立っていたのは、ゴブリンロード、ゴブリンキング、ゴブリンクイーンの三体だった。
※補足:ロード、キング、クイーンの揃う確率は、100年に一度あるかないかレベルです。
レオでも流石に肝を冷やす…なんてことはなかった。魔物には二種類存在し、魔王によって作られた魔物と、自然発生の魔物がいる。たまたまだが、魔王を倒す旅の途中で、ロード、キング、クイーンそれぞれが3体ずつ発生し、行く手を阻んできたことがある。もちろん自然発生ではなく、魔王によって発生させられた魔物だったのだが。
というわけで、レオにとってこの状況はそこまで焦る状況ではない。
まずは冷静に、【身体術】Ⅲを待機状態にし、【戦士業】Ⅷを発動させる。レオは確かに既に強いのだが、上級の魔物3体となると気を抜きすぎるのは危ないのだ。魔法を使うために、指の形はすでにスタンバイしている。
まず、何が厄介かというと、3体の持つ配下を呼び出すスキルだ。タイミングが運悪く同時になってしまえば、この部屋を埋め尽くすほどの下級から中級までのゴブリン系の魔物が現れる。この中で、一番呼び出す数が多いのは、ロードで、キング、クイーンの順番で少なくなっていく。火力が足りるならば、基本的にはロードを狙うのが定石だ。
レオは、まずロードをターゲットする。【戦士業】Ⅷには、自らの攻撃力。つまり、筋力を一時的に上げる技や、一撃のみに倍率や会心効果をのせるスキルがある。魔法でのバフは、まだ使えないため少々心もとないが、出来る限りのバフをかけてロードに一撃を叩き込む。
「【滅刃】!」
【滅刃】は本来範囲攻撃に使う技だ。ロードに6割近くのダメージが入ったが、残りの4割はそれぞれキングとクイーンにも2割ずつ分割された。
感覚的に、まだ倒し切れていないことを把握したレオは、即座に剣を上に投げ、両手で指を弾く。出てきたのは、32門の魔法陣。現在のスキルランクでは、高火力の魔法を打てないため数で圧す方法にしたのだ。再び指が鳴った時、すべての魔法陣に魔力が供給され、超火力の魔法が降り注いだ。そして、投げた剣が自分の目の前に落ちてきたことを確認し、それをつかむ。ダメージは十分だったようだ。ロードは倒れ、【滅刃】のダメージと、魔法の一部を食らったキングとクイーンも虫の息だった。
掴んだ剣を構えなおしたレオは、体制を低くする。そして、静かに剣を横に薙ぐ。これは、あるスキルの発動動作だ。
物理的な距離は届いていないのにもかかわらず、座標的に相手の位置を把握することで、その相手の位置を斬る技…。
”【遠斬】”
キングとクイーンの敗北の理由は、あまり動かなかったことだろう。つまり、呼び出した配下によって動きを制限されたことや、硬直時間の長い技を使ったことだ。
こうして、思ったよりも長い時間のかかった初クエストは実際には達成となり、あとは報告を残すのみとなったのだ。
次回、報告です。受付嬢の顔が楽しみですね…?
不定期投稿であることをお忘れなきよう…?




