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黒歴史ノートで恥ずかし死にからの転生!? 小姑システムを黙らせて、目指せラクして極上玉の輿!IF  作者: 此花サギリ


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7/10

第7話

第1章:ロサンゼルス合同記者会見と「全米の寵児」

一、 プレス関係者三百人の熱気

ロサンゼルス、ビバリーヒルズにあるビバリーウィルシャー・ホテルのグランドボールルーム。


フラッシュの銀光が、まるで真昼の雷鳴のように絶え間なく焚かれていた。


「Riho! Over here! Look at camera three!(里穂! こっちだ! 3番カメラを見てくれ!)」

「Mr. Harrison! Is it true that this young girl performed all her emotional scenes in English with zero retakes?!(ハリソン監督! この小さな少女がすべての感情シーンをノーリテイクの英語で演じ切ったというのは本当ですか?!)」


壇上に設置された長テーブル。

中央にスティーブン・ハリソン監督、その隣に主演のジェイソン・ブレイド、そしてジェイソンの隣には、シックなネイビーのキッズドレスを着た私――小田里穂(6歳)が座っていた。


会見場を埋め尽くすのは、ニューヨーク・タイムズ、Variety、Hollywood Reporter、BBCをはじめとする世界中の主要メディアの記者約三百人。


お母さんと松井マネージャーは、袖口でハンカチをギュッと握りしめ、生きた心地がしない様子で震えている。


(ふふん……全米のプレス相手の記者会見ね。前世の社畜時代、不祥事を起こした役員の緊急謝罪会見の想定問答集(Q&A)を徹夜で作らされた経験に比べたら、こんなの完全なるホームグラウンドよ!)


『里穂。マイクの音量テストが完了しました。全米メディアの質問の8割は「現地の日本の少女がどうやって完璧な英語とハリウッド級の演技力を習得したのか」という『神童・天才子役ストーリー』への誘導です。模範解答を展開します』


脳内でお姑さんの頼もしい音声が響く。


(了解よお姑さん! 『謙虚さ』と『ハリウッドへの敬意』、そして『クスッと笑える可愛らしさ』を黄金比率で配合した完璧なスピーチを見せてあげるわ!!)


二、 全米をノックアウトした「6歳の完璧なスピーチ」

「Question for Miss Riho Oda!(小田里穂さんに質問です!)」


CNNのベテラン女性記者が指名され、マイクを握った。


「You are only six years old and come from Japan, yet your English is extraordinarily fluent and your performance in the trailer is chillingly powerful. How did a child your age prepare for a high-stakes Hollywood blockbuster?(あなたはまだ6歳で日本出身ですが、英語は驚くほど流暢で、予告編の演技はゾクッとするほどパワフルです。あなたのような年齢の子供が、どうやってこの大作ハリウッド映画の準備をしたのですか?)」


会見場が一瞬で静まり返った。

記者たちが一斉にメモ帳と録音機を私に向ける。


私はマイクを引き寄せると、可憐な笑みを浮かべ、マイクに向かってハキハキとした美しい英国式アクセントで話し始めた。


「Thank you for the wonderful question.(素晴らしいご質問をありがとうございます)」


まず感謝の言葉。完璧なビジネスマナーだ。


「When I first read Mr. Harrison’s script, I realized that language is merely a bridge. The heart of Sakura—her love, her fear, and her determination to protect what matters—is something that transcends words. I practiced my English every day because I wanted to honor Mr. Harrison’s vision and support Mr. Jason on set.(ハリソン監督の脚本を初めて読んだ時、言葉とは単なる架け橋に過ぎないのだと気づきました。サクラの心――彼女の愛、恐れ、そして大切なものを守ろうとする覚悟は、言葉を超えるものです。私が毎日英語を練習したのは、ハリソン監督のビジョンを尊重し、現場でジェイソンさんを支えたかったからです)」


記者たちの間に「……ぉぉ……!」というどよめきが走った。


「……And of course, my mother made sure I ate all my vegetables every night, which gave me the energy to yell at the bad guys!(……あ、もちろん、お母さんが毎晩野菜を残さず食べさせてくれたので、悪者をやっつける声が出るようになったのもありますけれど!)」


ドッッッッ!!!!!


爆笑と歓声が、ボールルーム全体に炸裂した!


ハリソン監督が大爆笑しながら私の頭をクシャクシャと撫で回し、ジェイソンが「She's amazing! She's truly unbelievable!(彼女は最高だろ! 本気であり得ない子だよ!)」とマイクに向かって叫ぶ。


「She is a genius!(彼女は天才だ!)」

「The darling of Hollywood!(ハリウッドの新たな愛好児だ!)」


記者たちのカメラのフラッシュが、今日一番の激しさで焚かれた。


『記者会見ミッション、100点満点で完了です。全米メディアにおける貴方の好感度パラメーターがカンスト(限界突破)しました』


(やった……! やったわお姑さん! 全米プレスを完全攻略よ!!)


第2章:全米公開と『TOKYO BLADE』バブル

一、 興行収入新記録と、世界中からの絶賛

会見から数ヶ月後。

平成1Z年、冬。


映画『TOKYO BLADE』が、北米3,800館、全世界60カ国で一斉公開された。


その結果は――全世界の映画関係者の誰もが予想し得なかった「歴史的モンスターヒット」となった。


【全米オープニング興行収入】1億2000万ドル(約144億円)

【全世界累計興行収入】8億5000万ドル(約1,020億円)

「ひ……ひゃく……1,000億円超えぇぇぇぇぇッ!?」


サンライズ・プロダクションの社長室で、黒岩プロデューサーが失神しかけていた。


全米の映画批評サイト『Rotten Tomatoes』では顧客満足度98%を叩き出し、あらゆる映画劇評で私の名前が躍った。


『映画の真の主役は、日本の6歳の少女・小田里穂だ』

『彼女が画面に映るたび、スクリーンに神聖な緊張感が宿る』

『アカデミー賞助演女優賞ノミネートは確実である』


「里穂ちゃん!! アメリカから……アメリカの映画協会から手紙が届いたわよ!!」


お母さんが、金文字で装飾された豪華な封筒を抱えて走ってきた。


「全米映画俳優組合(SAG)アワードの……助演女優賞ノミネート通知よ!!」


「キャァァァァァッ!!」


松井マネージャーとお母さんが抱き合って狂喜乱舞している。


日本人女優として史上最年少での全米アワードノミネート。

このニュースは日本中のニュース番組、ワイドショー、新聞の一面を連日ジャックし、「小田里穂」の名前は単なる子役を超えた【国家的レジェンドタレント】として金字塔を打ち立てたのだった。


二、 振り込まれた「億単位のドル・ロイヤリティ」

そして、大ヒットの裏で何より重要な「果実」が、我が【合同会社ODAアセットマネジメント】のドル口座へと転がり込んできた。


契約に含まれていた「世界興行収入の0.5%」という興行ロイヤリティである。


「さ……佐藤さん……(税理士)」


お母さんの声がガクガクと震えている。


「振込通知書……見間違いじゃないわよね……?」


税理士の佐藤先生が、額の汗をハンカチで拭いながら電卓を叩いていた。


【興行ロイヤリティ着金額】

$ 4,250,000-(ドル)

(※1ドル=120円換算で【約5億1,000万円】)

「ご……ごおく……ごおくイッセン万円んんんんん!!????」


お母さんがそのまま白目をむいてソファの後ろに倒れ込んだ。


「おかあさん!! しっかりして!!」


(ご……5億1,000万円……!! 基本出演料の6,000万円と合わせたら、映画1本で5億7,000万円の利益!!??)


私の脳内で、前世の社畜時代の数字の概念が木っ端微塵に吹き飛んだ。


前世で私が死ぬまで残業しても稼げなかった生涯賃金の2倍以上の金額が、たった1本の映画の成功によってドル建てで振り込まれてきたのだ!!


『驚くことではありません、里穂。これがハリウッドの「世界的ヒット」のスケールです。これで我がODAアセットの投資可能資金は、一気に【8億円規模】へと跳ね上がりました』


脳内でお姑さんが、不敵な笑みを浮かべる。


(8億円……! 8億円あったら……前世で指を咥えて見ていた『あの未知の資産』に、大量の資金を投入できるわ……!!)


第3章:暗号資産(ビットコイン)黎明期と、運命の2009年

一、 時代は2008年冬:サトシ・ナカモトの論文

平成20年(2008年)11月。


世界の金融市場が「リーマン・ショック」の荒波に呑まれ、各国の株価が暴落して大混乱に陥っていた頃。


私は小学校2年生になり、7歳になっていた。


世間が株暴落のニュースで持ちきりになる中、自室のパソコンの前に座る私の瞳は、ギラギラとした金色の光を放っていた。


(ついに来た……! ついにこの時が来たのよ、お姑さん!!)


『はい。2008年11月1日。暗号化技術の暗号論専門コミュニティにおいて、サトシ・ナカモトと名乗る人物が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と題する論文を投稿しました』


お姑さんの声が、歴史の転換点を示すかのように重々しく響く。


(ビットコイン……!!)


前世の私を悶絶させた『人生やり直し大富豪計画ノート』。

そこに赤ペンで二重線を引き、「買わなきゃ死ぬぞ私!!」と狂気的に書き殴っていた、史上最大の爆上がり資産・ビットコイン(BTC)。


誕生初期、1枚あたり「数円~数十円(あるいはピザ2枚と1万BTCが交換されたレベル)」だったデジタル通貨。それが10数年後には、1枚=1,000万円以上という異次元の価値を叩き出すことになるのだ!


「お母さん! 佐藤さん(証券・IT担当)!」


私はリビングへと駆け下りた。


「な、なに? 里穂ちゃん?」


「我が社(ODAアセット)の事業内容に、【最先端暗号化ブロックチェーン技術の研究開発および実証実験】を追加してください!」


「ぶろっくちぇん……?」


お母さんがポカンとしている。


「佐藤さん! アメリカの自社サーバーを構築して、2009年1月から稼働する『ビットコイン』の初期マイニング(採掘)環境を完璧に整えてください! さらに、取引所が開設された瞬間に、買い集められる限りの初期ビットコインを、ドル資金で購入します!」


二、 数万BTCの超初期大量保有

佐藤証券・IT担当者は、もはや私の指示に一切の疑いを持たなくなっていた。

大河ドラマ、L社株の25倍暴騰、ハリウッドの5億円ロイヤリティ……すべてを完璧に的中させてきた「6歳の神童」の指示である。


「承知いたしました! 米国の現地法人を通じて、最新のハイエンドサーバー群を調達し、初期ノードとしてのマイニング環境を構築します!」


2009年1月。ビットコインのジェネシスブロックが生成された。


マイニング競合が世界に数人~数千人しかいなかった超黎明期。

我が【ODAアセットマネジメント】の強力なサーバー群は、毎日のように数千~数万BTCの初期ビットコインを掘り当てていった。


さらに、初期の取引所(Mt.Gox等)が開設されるやいなや、ハリウッドで得たドル資金の一部(約5,000万円)を投入し、1枚あたり数円~数拾円で売り出されていたビットコインを【約50万BTC】爆買いしたのだ!!


(ふふふ……ハハハハハ!! 50万BTC保有!!)


私の脳内で、狂気的な高笑いが響き渡る。


(50万BTC……! 将来1BTC=1,000万円になったら……これだけで【5兆円】の価値になるのよ!! 国家予算レベルの大富豪決定じゃない!!)


『完璧です、里穂。暗号資産のポジション構築は完了しました。これらのコールドウォレット(ハードウェア・ウォレット)は、厳重な金庫に保管し、10年間は絶対に動かさない「完全放置(HODL)」を徹底しなさい』


(分かってるわよお姑さん! 10年後の暗号資産バブルまで、鍵をかけて引き出しの奥深くに封印しておくわ!!)


第4章:自社自社ビル『ODAタワー』建設と、不労所得の要塞化

一、 リーマン・ショックを逆手に取った「都内不動産の買い叩き」

2008年から2009年にかけて発生した「リーマン・ショック」。


世界中の投資家がパニックに陥り、不動産価格や株式市場が暴落した。

しかし、大量の「米ドル現金」と「無借金経営」を誇る我が【合同会社ODAアセットマネジメント】にとって、この暴落は【人生最大のバーゲンセール】に他ならなかった。


「佐藤先生(税理士)!」


私は社名入りの会議室で、地図を広げた。


「今、都内の不動産価格が暴落しています。築浅のオフィスビルや、港区・渋谷区の好立地の土地が投売りされています! 我が社の手元資金(約6億円)を投入して、【渋谷・表参道エリアの自社ビル建設用用地】および【港区赤坂のオフィスビル2棟】をキャッシュで買い叩きます!」


「買い叩く……!? リーマン・ショックのこの混乱期に、不動産を現金買いですか!?」


佐藤税理士が目玉をひっくり返した。


「ええ! 暴落した時こそ、本物の資産を底値で買い集める絶好のチャンスです! 5年後に景気が回復すれば、都心の不動産価格は2倍~3倍に跳ね上がります!」


(そう! 歴史は繰り返すのよ!! リーマン・ショックの底値で都心の不動産を買った人間だけが、のちのアベノミクスで莫大な富を手にしたの!!)


お母さんも頼もしく胸を張った。


「佐藤先生! 里穂ちゃんの言う通りに買い付けてください! うちの会社の経営判断です!」


「は、はいぃぃぃ!!」


二、 『ODAアセット自社ビル』の完成

2010年。私が小学校3年生(8歳)になった春。


東京都渋谷区・明治通り沿いの超一等地。

そこに、ガラス張りのスタイリッシュな7階建て自社オフィスビル――【ODAビル(ODAアセット本社)】がそびえ立った。


【ODAビルの仕様】

・1階~3階:大手外資系アパレルブランドへの賃貸(月額家賃:300万円)

・4階~6階:ITベンチャー企業へのオフィス賃貸(月額家賃:250万円)

・7階最上階:【合同会社ODAアセットマネジメント】本社オフィス兼、小田家のプライベートルーム

「う、うわぁぁぁぁぁ……! これ、全部うちのビルなの……!?」


お母さんが、ピカピカのエントランスを見上げて腰を抜かしていた。


自社ビルの家賃収入だけで、毎月550万円(年間6,600万円)。

先に購入していた豊洲のタワーマンションの家賃(月45万円)と合わせ、我が社の【純不労所得(パッシブ・インカム)】は、毎月600万円超へと達したのだ!!


(毎月600万円の不労所得……!!)


私は7歳の小さな身体で、自社ビルの最上階(7階)の社長室の革張りチェアに深く腰掛けた。


大きなガラス窓からは、渋谷と新宿の超高層ビル群が一望できる。


私が小学校で算数のプリントを解いている間も、友だちとドッジボールをしている間も……毎月600万円という莫大な現金が、会社口座に自動的に振り込まれ続ける。


前世、残業80時間で手取り20万円だった限界アラサー社畜・小田里穂。

二度目の人生、8歳にして、私は「自社ビルを保有し、毎月600万円の不労所得を得る本物の大富豪」へと到達したのだ!!


第5章:8歳の大富豪、さらなる高みへ

一、 膨れ上がった総資産「10億円」突破

自社ビル7階の社長室。


税理士の佐藤先生と証券会社の佐藤さんが、恭しく書類を提示した。


「小田役員、代表(お母様)。【合同会社ODAアセットマネジメント】の第3期決算報告です」


【ODAアセットマネジメント最新総資産】


不動産(渋谷自社ビル、赤坂オフィスビル2棟、豊洲タワーマンション):約6億円


米国株式(Apple, Amazon, Google):約2億5,000万円(株価上昇中)


現金・預金(ドル・円):約1億5,000万円


暗号資産(ビットコイン 50万BTC):測定不能(簿価ほぼゼロ、将来爆発予定)


【純資産合計(ビットコイン除く):約10億円】

「じ……10億円……!!」


お父さんとお母さんが抱き合って大泣きしている。


「里穂……お父さん、もう会社辞めてもいいかな……?」


「お父さんダメ! お父さんはフツーのサラリーマンとして働いてることが、我が家の『世を忍ぶ仮の姿』としての最強の迷彩なんだから!」


「そんなぁぁぁぁ!!」


泣き叫ぶお父さんをなだめつつ、私は窓の外の景色を見つめた。


二、 2度目の人生、ハワイ高笑い生活へカウントダウン!

8歳。小学校3年生。


私の手元には、10億円の資産と、毎月600万円の不労所得。

そして将来数兆円に化ける50万BTCの暗号資産がある。


本業の芸能活動でも、ハリウッド映画の成功により、CM1本の契約単価は【5,000万円】へと高騰。日本最高額のタレントとなった。


『里穂。ニヤニヤするのはやめなさい。明日は小学校の運動会でしょう。大玉転がしで目立ちすぎないよう、一般児童のフリをしなさい』


脳内で、お姑さんが呆れたように声をかけてくる。


(分かってるわよお姑さん! 明日は『足の速いフツーの小3女子』として大玉転がしに全力を尽くすわよ!)


「お母さん! 明日のお弁当、ハンバーグ入れてね!」


「ええ! 任せなさい、10億円の娘を持つお母さんが、最高級和牛のハンバーグ作ってあげるわ!」


「高級和牛じゃなくてフツーのお肉にして! 学校で浮いちゃうから!」


笑い声が響く、ODAビルの最上階。


社畜として死んだ私の、二度目の人生。

大富豪への道は、すでに完璧な勝利(完全攻略)へと到達していた。


あとは……20歳になった瞬間に電撃引退し、ハワイの海の見える丘に建てた大豪邸のテラスで、右手に金の扇子を掲げて――


「ほーっほっほ! 働かざる者食うべからずですわ~!」


と高笑いする未来へ向かって、突き進むだけなのだから――!!

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